テラーノベル
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ガラタ橋は混雑していた。金角湾に釣り糸を垂らす人、観光客、ビジネスマン、学生、住民が混じり合っている。
青年は橋の中央まで来たとき、向かいからきた旅行者に、旧市街を尋ねられた。青年は丘の上のスルタン宮殿を指差し、あっち側なので一緒に行きましょうと言った。橋の端に来ると旅人は、ここでいいですよと言った。青年は曇り空のボスポラス海峡の側に目を移し、俺も今日暇なんで、と寝癖のついた後頭部に手をやった。
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