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4月。高校入学。桜が少し散っている。
私は高校生活を楽しく過ごしたい。安全に静かに。
(おい、あの子可愛くね?)
(お、マジじゃん。)
なんて声が聞こえる。
「初日からえらい人気ですね、雪ちゃん。」
そう声をかけてきたのは幼馴染みの紗栄子。
『可愛い顔に生まれてきたのはありがたいけど注目されるのはあまり好ましくないかな。』
だって、変な噂が広まったりするでしょ。
「贅沢な悩みだね。」
私に笑顔を見せながら言ってきた。
「クラス表見に行こ」
私の腕を引きながらクラス表が貼られているところに向かった。
クラスは紗栄子と同じ一年二組。
「同じクラスでよかったね。今年は静かに過ごせるね」
なんて冗談混じりに話してくる。
『そうだね笑』
と、私も笑顔で返す。
「あ、あの!連絡先交換してくれませんか?!」
そう声をかけてきたのは同じクラスであろう男の子。
『ごめんなさい。今携帯壊れてて』
これがいつも断る時の決まり文句。
「そっか…、急に声掛けてごめんね」
そう言って彼はお友達の輪の中に帰って行った。
「あいつ、名前くらい名乗れよな」
睨みながら頬ずえをしている紗栄子。
『まぁまぁ、笑』
なだめようとすると
「なんで彼氏いますって断らないの?」
『いや、いないし、嘘は良くないよ。』
「んーーー。そうか…」
断る理由を新しく考えてくれてる紗栄子。優しい。
「俺が彼氏になろうか。」
声の方をむくともう一人の幼馴染の拓也がたっていた。
『お気持ちだけでいいよ笑』
「拓也には雪の彼氏務まらないよ笑」
「はぁ?俺イケメンだし〜!」
「それだけですか〜?」
なんてお互いに貶しあっているのを見て微笑ましく私は思う。
彼氏はもういらない。中学の嫌な記憶が頭の中に過ぎる。