ピピピッ ピピピッ
いつもと変わらないアラームの音が聞こえる
ピピピッ ピピピッ …カチッ
「ふぁぁ……はぁ」
時計の針は6時46分を差す。
今日も今日とて変わらない日々が始まる
そう…変わらない地獄の日々が
今日も
「どけよ愚図」罵詈雑言される
「あれwまだ生きてたんだww早く死ねよww」人格否定される
「ねぇなにこれ?くそ不味いんだけど」暴力を振るわれる
「ほら早く床で食べなよww」笑われる
「早く消えろよゴミ」怒鳴られる
「…行ってきます。」
今日は雲一つ無い晴天だ。
逃げ出したい。
またいつものように、遅刻せず普通に学校の中に入る
靴箱の中には相変わらず画鋲とカミソリの刃で埋め尽くされている
後ろには「クスクス」「フフフ」と笑い声が聞こえる
いつもと変わらない友人と会う
「おっは、雄人」
「はよ、イキリ」
「おい!早朝にイキリはねえだろ!」
コイツらにはずっとずっとこの日常を言えないで過ごしていくんだろう
「イキリじゃなくて、蒼亮な」
コイツもしくも海斗先輩も大儀実もみんないい奴だ
本当にいい奴だ。
だから言わない、言えない。コイツらを巻き込みたく無い。
全部、全部俺が悪いから。全部……
「…どした?急に黙りこくって」
「いや、なんでも無い」
なんでも無い訳無い
「そういやしくは?」
「もうそろ来るだろ」
俺には母親と妹2人いる。父親は俺が小学校1年生の時に交通事故で亡くなった。
父親が亡くなった頃から母親はおかしくなった
変な宗教にのめり込み始めた。ろくに家事もしなくなった。
帰りも遅くなった。
妹達は父親が死んだのも、母親が狂ったのも全部俺のせいだと思ってる。
だから母親も妹達も俺のことが嫌いだ。
「ちっす〜。相変わらず早えな〜イキリとゆーは」
「おいイキリって言うな!」
「メンゴ〜w」
いっそのこともう死にたい。
廊下を走る音がする
ガラガラッ
勢いよく扉を開く
「ハアハア…む、村上君!体操服持ってる?!」
「も、持ってますけど…」
「ごめん!貸してくれない?」
「全然大丈夫ですよ。どうぞ」
「ありがとう〜洗って返すね!じゃあね!」
そう言ってまた廊下を走って帰っていった。
こんな俺でも役に立てるなら…
また廊下を走る音がする。今度はなんだ
ガラガラッッドンッ
さっきよりも勢いよく扉を開く
「村上先輩!体操服貸して!」
「お前何回目だよ!」
「26回目!!」
「うるせえよ!」
「それにもう海斗先輩に貸したよ」
「ええぇぇーー!!」
「じゃあ仕方ない。イキリで妥協するかぁ」
「おい!俺もお前の先輩だからな!まあいいけど」
「あざっす!」
この時間が俺にとって一番の幸せだ
ずっとこの時間が続けばいいのに
「じゃあまたね!村上先輩!」
またねと心の中で返した
なぜか帰りは歩いて帰っていった
「たっくよ、あいつほんと生意気だよな〜」
「お前よくあんな奴とずっと過ごしてきたな。お前と真反対な性格なのに」
「確かに」
あいつといる時は唯一このクソみたいな日々を忘れることができる。
心から笑える。
だから今まで喧嘩せず小中高一緒に過ごしてきた。
「いやお前も村上と反対だろ」
「俺であれば誰とでも親友になれんだよ」
「はいイキリでたー」
「うっせえな!」
しくとイキリが取っ組み合いになる
…またやってるよ
「俺別に親友だと思ってないけど」
「えぇっ!」
イキリはちょっとショックを受ける
親友だと思ってないってイキリの前で言ったが、
本当は大親友だと思ってる。
いつまでも側にいてほしい
「乙www」
それを煽るしく
これがいつまでもいつまでも続いてほしいな…