颯馬視点
今の俺は機嫌が良い。
だって、湊と放課後デートなんだから。
気分が上がっている中、授業を聞いている。
なぜか、小5の中間くらいから、湊が俺を避けている。
湊が引っ越していった日。俺は、悲しかった。
寂しいという感情よりも、俺に伝えてくれなかったと言う事が、何よりも悲しかった。
俺は、湊が好きだ。
もちろん、恋愛感情として。
この恋に気付いたのは、高校生の時。まぁ、最近。
約1年、片思いしていることになる。
2年の初めの始業式、同じクラスになれるかヒヤヒヤしたよ。
ただでさえ、嫌われているのに、違うクラスになったら、話すキッカケ無くなるじゃん。
ちなみに、俺はホモでは無い。
湊が女子だったとしても、俺は惚れている。
たまたま湊が男だっただけ。
んー!やっと授業が終わった、
うんと背伸びをして席を立つ。
あとは、HRだけか、長いなぁ、
担任がなんか話してることなんて気にしない。
左の端にいる湊を見つめる。
あいつ、本当に真面目だよな、
真剣に先生の話聞いてる。
正直、毎日湊の好きなところを見つけてしまう。
昨日なんか、野良猫に水あげてた。
湊ん家は、結構厳しいから、ペットなんて飼えないしね。
あんなやつ、この世のどこを探しても見つかんねぇよ。
やっとHRが終わり、急いで席を立つ。
「湊ー!カフェ行こ……」
「獅子野くんっ!ちょっといいですか、?」
俺が言い切る前に、だれかが湊に声を掛けた。
っち、
誰だよ、あいつ、俺の許可なく、湊に話しかけやがって。
って、そんなこと言える立場じゃないけどね、笑
いつか、そんなこと言える立場になりたいな、
そう考えていると、湊は女子に連れられ、教室を出る。
「なんか今から告るらしいよ!」
「えー!竹島さんならいけるよ!」
ふーん、
まぁ、俺がそんなの許さないけどね。
湊と俺のカバンを持ち、俺は教室を出た。
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