テラーノベル
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颯馬視点
あ、いた、
体育館裏まで連れていったのか、
まぁ、たしかに人通り少ないし、
俺は2人の様子をじっと見つめる。
「えっと、どうしたの?」
湊がニコッと微笑む。
……多分、湊はなんか頼み事とかかなと思ってるんだよな、
鈍感ってさ、ずるいよね。
長年耐え続けた、いや、今も耐え続けてる俺を褒めて欲しいよ。
「あ、あのっ、好きですっ!付き合ってください!」
竹、なんだっけ、
赤面しながら告白をした。た、竹、竹内?
「えっ、?」
驚いている湊、可愛い……
って、そんなこと思っている場合じゃないんだけどさ、
「えっと、ご、ごめんなさいっ!」
……良かった、
正直、OKしてもおかしくない。
相手の人も、結構綺麗だ。
まぁ、湊は顔だけで判断しないしな、
「えっ、?!獅子野くん、付き合ってくれないの、?」
顔を青くする竹、あ、竹島か。
てか、こいつ何言ってんの、
「てっきり、獅子野くん、優しいからOKしてくれるかと思ったのに、酷いっ、」
涙目でそう言う竹島。
なーに言ってんだこいつ
頭のネジぶっ飛んでる
「獅子野くんは、優しくないんだ、じゃあ、皆に伝えておかないと、獅子野くんに告白したい人達、いっぱいいるから、」
やべぇな、こいつ、
「わ、分かった、分かったから、泣かないで、?」
湊は、皆の目や評価を気にするから、こいつからの告白は断れないのだろう、
プルルルル
俺が行こうと思ったら、母親から連絡が来た。
……最悪、よりによって母親かよ、
母親は、電話に出ないとめんどくさい事になる、
《何、今忙しいんだけどっ、》
《えー?そうなの?ってか、あんたあの連絡何っ?!『今日用事あるから仕事明日手伝う』って!急用の仕事なの!》
うーわ、本当に面倒くさ、
《ったく!分かった!分かったから!》
「じゃあね」と言って電話を切る
くそっ、居なくなってる、
探しに行きたいけど、帰んないと、
……明日、問い詰めるか、あの女に、
そして、俺はその場を離れ、家に向かった
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