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夜の電話
その日の夜。
スマホが震える。
画面には“那月”の文字。
「っ……」
好きって自覚したあとだから、余計にドキドキする。
恐る恐る通話を取る。
「も、もしもし……」
『奏音?』
声近い。
無理。
心臓がもたない。
『今日、ごめん』
「え?」
『困らせたかなって』
那月の声はいつもより静かだった。
奏音は慌てて首を振る。
「ち、違うの!」
『……ならよかった』
少し安心したみたいに笑う気配。
その沈黙がくすぐったい。
すると那月がぽつりと言った。
『奏音ってさ』
「う、うん」
『好きな人いる?』
「!!!!」
奏音の思考が止まる。
『……奏音?』
返事がないことを不思議に思った那月が名前を呼ぶ。
でも奏音は、顔を真っ赤にしたまま固まっていた。
好きな人。
いる。
しかも今電話してる相手。
でも言えるわけない。
「い、いない!!」
反射で叫んでしまった。
数秒沈黙。
そして。
『……そっか』
那月の声が少しだけ寂しそうで。
奏音は自分の失言に頭を抱えた。
コメント
1件
うわああ第31話……!これは尊すぎて頭抱えたわ。 那月から「好きな人いる?」って直球で来るの、反則でしょ。奏音が「いない!!」って叫んじゃうの、気持ち分かりすぎて胸が痛い。しかも那月の「……そっか」が寂しそうで、もう「いるよお前だよ!!」って叫びたくなったわ。 この絶妙なすれ違いと、夜の電話っていうシチュエーションがエモすぎる。続きが気になりすぎて今夜眠れそうにない🔥