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──────────あれから、3日ほど経った。私は今誘拐されている。あのクラブで飲まされた物が睡眠剤か何かだったのだろう。
何度か性的暴行を受けた。
特に対して上手くもないし、ゴムありだとしても気持ちが悪い。
…
男が数名いるようだ。私の世話係的なので2、3人が毎日出入りする。だが、いつも顔が違う…ということは結構な人数いるな…どう倒してここを出ようかと悩んでいた。
そんなことを考えていると1人の男に押し倒さ
れた。
また今日もか……お、新しい男か上手いといいな
なんてことを考えた瞬間。
私を押し倒した男は目の前から消えていた。
その直後鈍い音がした。音がした方を見ると押し倒した男が壁に寄りかかって倒れていた。
私は急いで起き上がって男が吹き飛んだ方向の逆方向を見た。
そこに居たのは、……誰?
“背が高く筋肉質な体に茜色の瞳。”
その男はこちらに近付いてくると私と視線を合わせるように屈んだ。
「みーつけた。」
人を虜にするような魅力のあるその声。
にやりと少し子供っぽく笑うその顔。
ああ…
私は知っている。こういう男にハマるほど抜け出すのが大変なのだと。
だけど、正直とてもタイプ…だが、こんな状況でそんなこと言ったら何をされるか……
その男は私を抱き上げるとそのまま入口と思われる方へと歩いて行った。
「ねえ、私を助ける理由とかってある?」
「あ?助ける理由だ?お前の友達に見つけて欲しいって頼まれたんだよ。」
「友達…?誰?」
「カルドだ。」
「カルド!?誰なの…本当に君」
「…フィアー・ローレン・ディケンズ。」
「フィアー…フィアーって去年あの生徒会の座奪った!?」
「ああ。」
「通りで…あのカルドが頼み事する訳だ。」
…
“フィアー・ローレン・ディケンズ”
去年、生徒会長からその座を奪った張本人。
何故”奪った”という言い方をするかと言えば、簡単な話だ。
自分が生徒会長になりたいから、その理由で元生徒会長を脅しその座を明け渡させた。
それからだうちの学校が変わったのは…
実際フィアーという男をこの目でまじまじと見たのは初めてだ。
あまり授業にも出ずに、屋上で呆けている。
何か生徒会からの連絡があってもそれは放送か、カルドが代わりに全校集会で連絡している。
カルドさ副会長だ。元々からではない。
フィアーが生徒会長になってからだ。
面白いことが好きなカルドはフィアーのやり方を相当気に入ったらしい。
…
「着いたぞ。」
考え事をしていると既に家の前だった。
きっと、カルドに家を聞いたのだろう。じゃなきゃこの男が私の家を知っているわけが無い。
「ありがとう…送ってくれて」
「別に。じゃあな。」
「ん…じゃあね。」
男はのんびりと手を振ると踵を返して帰っていってしまった。
柔軟剤だろうか、彼の匂いがほんのりと私の服に残っていた。