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🍷「え?」
🌸「え??」
私の過去の推しの話をしてる途中、一瞬時が止まったように感じた。
基本2次元オタクの私、推しの対象は約9割2次元なんだよね。
奏斗を知る前からVTuber自体は知っていたし、先輩に当たる方々の動画を見たこともある。
見ていて『面白い』とは感じても『好きだから見る』に至った事はなかった。
だから話の流れで前からVTuberが好きなのかと問われた時『全然。今も別に興味ない』と素直に答えただけのつもりだったんだけど。
🍷「興味ないの?ぇ全然ない??俺………???」
随分と不思議そうな表情である。可愛いぞ。
🌸「あると言うほどないな…他は奏斗越しにしかみてない」
🍷「そうなるとまじで俺イレギュラーじゃね?」
🌸「だからずっとそう言ってんじゃん、踊ってる奏斗にひとめぼれしたんだって」
🍷「んんん”………」
なんとも言えない顔をしてる奏斗をほっといて、テーブルの上のみかんを剥く。
自分の口に1房ぽいと入れて、もう1房取って奏斗の口に近づけたら素直に受け入れた。
ぇ可愛い。
🍷「なんか…安心したような、もうちょい興味持って欲しいような…」
🌸「無理だと思う。奏斗がいれば私の世界は回るし」
🍷「世界狭すぎない???」
🌸「今更なんだよなぁ」
基本その時の最推しだけにしか感情が動かないのだ、こればかりは変わりようがない。
先輩方は確かに凄いんだろうさ、でも私が落ちたのは奏斗なんだからそういうことだ。
🌸「安心したならそこで納得しといてよ。私はこうなんだよ」
言いつつまたみかんを一口。
それを見た奏斗があ、と口を開けたから入れてやった。
餌付けしてるみたいだな。
🍷「ん〜、まぁあっちもこっちも好きって言ってるより安心…」
🌸「でしょ?一途なんだから」
隣に座っている奏斗に寄りかかり、頭を肩にぐりぐり押し付ける。
話ながらずっと弄っていたスマホをテーブルに置き、空いた手で私の身体の向きをくるりと変え、奏斗の膝の上へ乗せられた。
🍷「…いっつも思ってるけど俺の事好きすぎでしょ。束縛してるつもり無いんだけどそう感じてたりする?」
🌸「え、全然全く」
🍷「ほんと?ほんっとに思ってない?」
🌸「うん。見ないようにしてるんじゃなくて、みてる余裕がないだけ…奏斗がこんなにかっこよくて可愛くて大好きなのに何で他みなきゃいけないんだよ」
言葉にしろ態度にしろ、結局想いの全てはどうしたって伝わりきらないとは思うけど。
それでも出来るだけ伝わって欲しいと、奏斗の首へ腕を回し抱きしめる。
🍷「…ふっ、心臓めっちゃばくばくしてない?」
楽しそうな声色と同時にぎゅっと抱きしめ返される。
🌸「だいぶましになったでしょ……」
🍷「あんまり変わってないかな〜。そろそろ慣れてくれていいけどね」
🌸「………………まだむり…奏斗かっこよすぎる…」
🍷「うん、ありがと。……かわい」
🌸「〜〜〜っ!」
ずっと耳元で囁かれるせいで、恥ずかしくて涙が滲んできた。
本当にね、少しずつ慣れてきたはずなんだ。
でも奏斗はいつもそれを上回る事してくるから、その度もっと好きになっていく。
慣れろって言うなら自重して欲しい。
🍷「ちょっとこっちみて」
恥ずかしすぎて無理、と首を振る事で嫌だと態度に出してみたけど、若干力ずくに離されてしまった。
反射的に逸らした顔を両手で包み込まれ、そっと触れるだけのキスを何度も繰り返す。
勿論嫌な訳はない、けど今ばかりは逃げ出したくて仕方がなかった。
少しして満足したらしい奏斗にもう一度、今度はさっきよりも強く抱きしめられた。
🍷「……好きだよ」
思考まで蕩けるほど甘く響く、大好きな声で。
今また、より深いところまで落とされてしまった。
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ホシミナイト奏斗編、最高でした…!
あーゆーの本人じゃなくて良かったと思う
パターンあるんだね…………