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2章は蒼牙が橋の所で頭脳作戦を使い敵を制圧する物語前の蒼牙とは全然違う
おお、第2話読んだわ!めっちゃ熱かった🔥 まず、前回の狼牙戦でボコボコにされた蒼牙が、今回はちゃんと成長してて、戦闘シーンも「焦るな、相手を見ろ」って教えを活かしてるのが良かった。それに天城玲の登場やばいな。 「戦は力だけじゃない」って台詞が刺さるし、橋の戦いで敵を一人も斬らずに包囲するところ、めっちゃ頭脳派で好き。 そしてラスト、まさかの弦雲登場! 「無敗の剣聖」が二本指で蒼月止めるシーン、想像しただけで震えたわ。あの木札『天』の謎も気になるし、次回の天都編が待ち遠しい🔥 もう続き読みたい! 毎日更新してくれ弦雲さん!
冷たい朝霧が森を包んでいた。 狼牙との戦いから三日。
蒼牙たちは人目を避けながら西へ進んでいた。
蒼牙の胸には、敗北の悔しさが消えない。
狼牙との力の差はあまりにも大きかった。
あの一撃。
あの圧倒的な威圧感。
今思い返しても背筋が冷たくなる。
玄斎は歩きながら口を開いた。
「敗北を忘れるな。」
蒼牙は顔を上げる。
「はい。」
「だが、敗北に縛られるな。」
その言葉の意味は、まだ蒼牙には分からなかった。
昼頃、一行は小さな宿場町へたどり着いた。
町の名は風渡宿(かざわたりしゅく)。
旅人や商人で賑わうはずの町だったが、どこか様子がおかしい。
店は閉まり、人々は怯えた表情で家の中に隠れている。
「静かすぎる……。」
紗雪がつぶやく。
影丸は足跡を調べ始めた。
「兵の跡だ。」
「狼王軍か?」
「いや……違う。」
影丸は土を指でなぞる。
「この足跡は整いすぎている。」
玄斎が小さくうなずく。
「正規軍だ。」
その時だった。
広場の方から悲鳴が聞こえた。
「助けて!」
蒼牙は駆け出す。
そこでは十数人の盗賊が商隊を襲っていた。
護衛は倒れ、荷車は燃えている。
「金を全部置いていけ!」
盗賊の頭が剣を振り上げた。
蒼牙は迷わず飛び込む。
「そこまでだ!」
盗賊たちは笑った。
「またガキか。」
「一人で何ができる!」
蒼牙は静かに蒼月を抜く。
狼牙には敵わなかった。
だが、この三日間で玄斎から教わったことがある。
焦るな。相手を見ろ。
盗賊が飛びかかる。
一人目。
剣を受け流す。
二人目。
足払いで転ばせる。
三人目。
柄であごを打ち、気絶させる。
わずか数十秒。
盗賊たちは次々と倒れていった。
頭目だけが震えながら後ずさる。
「ば、化け物……!」
蒼牙は刀を下ろした。
「もう終わりだ。」
頭目は剣を捨て、逃げ出した。
商隊の主人が深々と頭を下げる。
「命の恩人です。」
白い髭を生やした初老の男だった。
「私は商人の**陳岳(ちんがく)**と申します。」
蒼牙も礼を返す。
「蒼牙です。」
陳岳は四人を見回した。
「皆さん、白嶺城へ向かわれるのですか?」
玄斎が答える。
「その予定だ。」
陳岳は少し考え込む。
「それなら、私たちの隊商と一緒に来ませんか。」
「理由は?」
「最近、この街道には盗賊だけでなく正体不明の兵まで現れるのです。一緒の方が安全でしょう。」
玄斎は影丸を見る。
影丸は小さくうなずいた。
「信用してもよさそうです。」
こうして一行は、商隊と共に白嶺城を目指すことになった。
その夜。
街道沿いで野営をしていると、陳岳が蒼牙の隣へ座った。
「若いのに立派な剣だった。」
蒼牙は首を振る。
「まだまだです。」
「いや、その年で人を殺さずに戦える者は少ない。」
蒼牙は火を見つめた。
「俺は……できれば誰も殺したくありません。」
陳岳は静かに笑う。
「その心を失うな。」
「乱世では難しいでしょうけどね。」
その時、影丸が立ち上がった。
「誰かいる。」
全員が武器を手にする。
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森の奥から、ゆっくりと一人の青年が姿を現した。
年は二十歳ほど。
青い羽織に身を包み、腰には剣一本。
だが何より目を引くのは、その異様なほど落ち着いた表情だった。
青年は焚き火の前で立ち止まり、蒼牙たちを見渡す。
そして静かに言った。
「玄斎殿、お久しぶりです。」
玄斎は目を細める。
「来たか。」
青年は蒼牙へ視線を向ける。
「君が蒼牙だね。」
「俺を知っているのか?」
青年は微笑んだ。
「もちろん。」
「君はいずれ、この乱世を大きく動かす人物になる。」
蒼牙は驚く。
「あなたは……。」
青年は一礼した。
「私の名は天城玲。」
「白嶺城の軍師です。」
蒼牙は玄斎の方を見る。
玄斎は静かにうなずいた。
「そうだ。」
「この男こそ、お前が探していた軍師だ。」
焚き火の炎が静かに揺れる。
蒼牙と天城玲。
二人の運命の出会いが、ここから乱世を大きく変えていくことになる。
夜風が焚き火の炎を揺らした。
蒼牙は目の前の青年を見つめていた。
「あなたが……天城玲。」
青年は穏やかに笑い、一礼する。
「初めまして、蒼牙殿。」
玄斎は腕を組んだまま言った。
「こいつは剣こそ並だが、頭脳では国中でも指折りだ。」
玲は苦笑した。
「師匠、少し言い過ぎですよ。」
「事実だ。」
蒼牙は不思議そうに尋ねる。
「どうして俺のことを知っている?」
玲は焚き火のそばに腰を下ろした。
「君が青渓村の生き残りであること。玄斎殿の弟子になったこと。そして狼牙と戦ったことまで、すべて聞いている。」
影丸が口を開く。
「情報は私が流した。」
蒼牙は驚いた。
「いつの間に……。」
影丸は笑う。
「忍びだからな。」
玲は地面に一本の枝で地図を描き始めた。
「今、この国には五つの大国がある。」
蒼牙たちは地図を囲む。
「だが実際に戦を動かしているのは国王ではない。」
「どういうことだ?」
玲は中央に大きな丸を描いた。
「天都。」
「ここに、すべての糸を引く者がいる。」
紗雪は息をのむ。
「父が言っていたことと同じ……。」
玲は静かにうなずいた。
「だから私は、ずっとその人物を追っている。」
その時、商隊の見張りが駆け込んできた。
「大変です!」
「どうした。」
「西の橋が燃えています!」
一同は急いで現場へ向かった。
川に架かる唯一の橋が炎に包まれ、その向こうには二十人ほどの武装集団が立っていた。
黒い布で顔を隠し、誰の軍か分からない。
隊長らしき男が叫ぶ。
「荷を置いて立ち去れ!」
商人たちは青ざめる。
陳岳が震える声で言う。
「積み荷を失えば、町の人々が冬を越せません……。」
蒼牙は刀を握る。
しかし玲は手を上げて止めた。
「待って。」
「戦わないのか?」
「まだだ。」
玲は周囲を見回した。
風向き。
川の流れ。
橋の燃え方。
敵の立ち位置。
すべてを観察している。
そして小さく笑った。
「勝てる。」
玲は全員に指示を出した。
「蒼牙は右へ。」
「影丸は森へ。」
「紗雪は私と。」
玄斎は黙って見守る。
数分後。
影丸が森の奥から石を投げた。
敵兵たちが一斉に振り向く。
「誰だ!」
その隙に玲が川岸へ松明を投げ込んだ。
煙が一気に立ち上る。
視界が真っ白になる。
「今!」
蒼牙は煙の中を駆け抜けた。
敵は何も見えない。
蒼牙は一人ずつ武器を弾き飛ばし、戦意を失わせていく。
紗雪も細剣で敵の足元を狙い、倒していく。
十分も経たないうちに、敵は完全に包囲されていた。
隊長は剣を捨てる。
「降参だ……。」
戦いが終わると、蒼牙は玲を見た。
「全部計算していたのか。」
玲は照れくさそうに笑う。
「戦は力だけじゃない。」
玄斎も満足そうにうなずく。
「これがお前に足りなかったものだ。」
蒼牙は玲へ向かって頭を下げた。
「一緒に来てくれ。」
玲は少しだけ空を見上げる。
「本当は一人で戦うつもりだった。」
「……。」
「でも君を見て、考えが変わった。」
玲は右手を差し出す。
「蒼牙。」
「天下を変えよう。」
蒼牙は力強くその手を握った。
「必ず。」
こうして蒼牙たちは五人となった。
しかし、その様子を遠くの丘から見つめる一つの影があった。
黒い外套をまとった謎の人物は、小さくつぶやく。
「蒼牙……仲間を集め始めたか。」
その人物は懐から一枚の黒い札を取り出し、静かに折った。
その瞬間、遠く離れた狼牙の陣営で一羽の黒い鷹が飛び立つ。
新たな戦いの火種は、すでにまかれていた。
白嶺城まであと半日。
蒼牙たちは険しい山道を進んでいた。
突然、風が止む。
鳥の鳴き声も消え、森全体が静まり返った。
影丸が低くつぶやく。
「……誰かいる。」
玲も辺りを見回す。
「気配は一人。でも、この圧迫感は普通じゃない。」
玄斎は歩みを止めた。
その表情は、蒼牙が初めて見るほど険しかった。
「まさか……。」
次の瞬間。
一陣の風とともに、一人の男が巨岩の上へ降り立った。
年は二十五歳ほど。
長い黒髪を後ろで束ね、漆黒の羽織をまとっている。
腰には一本だけ、白い鞘の刀。
派手な装飾は一切ない。
だが、その男が立つだけで空気が張り詰める。
蒼牙は思わず刀へ手を伸ばした。
しかし玄斎が静かに止める。
「抜くな。」
「師匠?」
玄斎は目を細めた。
「勝てない。」
蒼牙は息をのむ。
あの狼牙を前にしても、玄斎はここまで断言しなかった。
男はゆっくりと口を開く。
「久しいな、玄斎。」
「……弦雲。」
その名を聞いた瞬間、影丸の顔色が変わる。
「まさか、本当に生きていたのか……。」
玲も驚きを隠せない。
「伝説の剣士、『無敗の剣聖』……。」
弦雲は静かに蒼牙へ視線を向けた。
「お前が蒼牙か。」
「俺を知っているのか?」
「知っている。」
弦雲は淡々と答える。
「狼牙がお前に興味を持っている。」
蒼牙は一歩前へ出る。
「なら、お前は敵か。」
弦雲は少しだけ笑った。
「そう思うなら、試してみろ。」
その言葉を聞いた瞬間、蒼牙は地を蹴った。
蒼月が一直線に弦雲へ走る。
だが――
カチン。
誰も見えなかった。
弦雲は刀を抜いてすらいない。
二本の指で蒼月を止めていた。
「なっ……!」
蒼牙は力を込める。
しかし刀は一ミリも動かない。
弦雲は静かに指を離した。
蒼牙は勢い余って後ろへ飛び退く。
「力は悪くない。」
「……。」
「だが、お前の剣には迷いがある。」
蒼牙は悔しそうに唇をかむ。
玄斎が頭を下げた。
「弦雲、弟子を試すのはそこまでにしてくれ。」
蒼牙は驚いた。
「師匠が頭を下げるなんて……。」
弦雲は小さくため息をつく。
「安心しろ。今日は戦いに来たわけではない。」
玲が尋ねる。
「では、なぜ私たちの前に?」
弦雲は遠く西の空を見つめる。
「近いうちに、この乱世を終わらせる戦いが始まる。」
「その時、お前たちは必ず中心に立つ。」
紗雪が静かに聞く。
「それをどうして知っているんですか?」
弦雲は答えなかった。
代わりに一枚の木札を蒼牙へ投げる。
木札には、一文字だけ刻まれていた。
『天』
「天都へ行け。」
「そこに、お前が知るべき真実がある。」
そう言い残すと、弦雲は風とともに姿を消した。
影丸が周囲を探る。
「……もう気配がない。」
玲は苦笑した。
「本当に人間なのか。」
玄斎は木札を見つめながら静かに言う。
「弦雲は敵でも味方でもない。」
「だが、この国で最も剣に近い男だ。」
蒼牙は木札を強く握りしめた。
「弦雲……。」
「次に会う時は、今よりもっと強くなっている。」
蒼牙の新たな目標が、また一つ生まれた。
弦雲が姿を消えてから、一行はしばらく誰も口を開かなかった。
森を吹き抜ける風だけが静かに響く。
蒼牙は手の中の木札を見つめていた。
『天』
たった一文字。
しかし、その木札からは不思議な重みを感じる。
玄斎が口を開いた。
「その木札は絶対になくすな。」
「何か意味があるんですか?」
「私にも分からん。」
玄斎は苦笑する。
「だが、弦雲が無意味なことをする男ではない。」
一行は白嶺城まであと数里という山道へ差しかかった。
突然、玲が立ち止まる。
「待って。」
「どうした?」
玲は地面を指さした。
「この足跡……おかしい。」
影丸もしゃがみ込む。
「全部で十五人。」
「でも歩幅が同じだ。」
玲はうなずいた。
「わざと残した足跡だ。」
「つまり?」
「罠。」
その瞬間だった。
ヒュンッ!
無数の矢が森の奥から飛来した。
「伏せろ!」
蒼牙が紗雪をかばい、地面へ飛び込む。
影丸は木の上へ飛び移り、矢を避ける。
玄斎は木刀一本で次々と矢を弾き返した。
森の奥から黒装束の兵が現れる。
全部で二十人。
だが、狼王軍ではない。
「誰だ!」
蒼牙が叫ぶ。
隊長らしき男は仮面をつけていた。
「木札を渡せ。」
蒼牙は目を細める。
「弦雲の木札か。」
男は黙って剣を抜く。
それが答えだった。
蒼牙は前へ出ようとする。
しかし玲が肩に手を置いた。
「今回は僕に任せて。」
「え?」
玲は周囲を見回し、小さく笑う。
「この地形なら戦う必要がない。」
玲は大声で叫ぶ。
「影丸! 三本目の杉を切って!」
「了解!」
影丸の手裏剣が飛ぶ。
杉の幹へ命中。
そこへ玄斎が木刀で一撃を加える。
メキメキ……。
巨大な杉が敵の前へ倒れ、道を完全に塞いだ。
さらに玲は叫ぶ。
「蒼牙! 右の岩を!」
蒼牙は蒼月で岩を押し崩す。
岩が斜面を転がり、敵の退路を塞いだ。
敵は完全に動きを封じられる。
「くそっ!」
隊長は撤退を命じた。
黒装束の兵たちは煙玉を投げ、森の中へ消えていく。
戦いが終わると、蒼牙は玲を見た。
「一人も斬らずに勝った……。」
玲は笑う。
「勝つ方法は一つじゃない。」
玄斎もうなずく。
「それを覚えろ。」
その日の夕暮れ。
ついに巨大な城壁が見えてきた。
山々に囲まれた要塞都市。
高くそびえる白い城壁。
無数の見張り櫓。
西方最大の城――白嶺城だった。
蒼牙は思わず息をのむ。
「これが……白嶺城。」
しかし城門の前には、すでに数百人の兵士が集結していた。
城壁の上から、一人の若い武将が叫ぶ。
「城門を閉じろ!」
「狼王軍が攻めてくるぞ!」
その声と同時に、遠くの地平線から黒い旗が何十本も現れる。
風にはためく金色の狼の紋章。
狼王軍が、ついに白嶺城へ進軍を開始したのだった。
蒼牙は蒼月を握り締める。
「もう始まる……。」
玄斎は静かに言う。
「ここからが、本戦だ。」
夕暮れの空は赤く染まり、その光が白嶺城の城壁を照らしていた。
蒼牙たちが城門へたどり着くと、城内はすでに戦支度に追われていた。兵士たちは鎧を身につけ、弓兵は城壁へ駆け上がり、鍛冶場では最後の一本まで矢が作られている。
その時、城壁の見張りが叫んだ。
「敵影確認!」
遠くの平原に、無数の黒い旗が風にはためいている。
金色の狼の紋章――狼王軍だった。
先頭には黒馬にまたがる狼牙の姿がある。
蒼牙は拳を強く握り締めた。
「あいつが……。」
玄斎は静かに言う。
「感情に飲まれるな。ここで戦うのは復讐のためではない。城を守るためだ。」
その言葉に蒼牙は深く息を吸い、うなずいた。
やがて狼王軍が城の前で止まる。
狼牙は城を見上げ、大剣を高く掲げた。
「進め!」
その号令とともに太鼓が鳴り響き、大軍が一斉に前進する。
弓が放たれ、投石が飛び交い、白嶺城を巡る激しい戦いが始まった。
玲は素早く地図を広げる。
「蒼牙、東門へ! 影丸は敵の後方を探れ! 紗雪は城内の避難を手伝ってくれ!」
全員が動き出す。
蒼牙は東門へ駆けると、攻城梯子を登ってくる敵兵を次々と押し返した。戦いは激しさを増していく。
しかし、その最中だった。
狼牙は蒼牙を見つけると、不敵な笑みを浮かべた。
「少しは強くなったようだな。」
蒼牙は蒼月を構え、城壁の上から叫ぶ。
「今度は負けない!」
二人の視線がぶつかる。
だが狼牙は戦わず、静かに軍を退かせた。
「今日はここまでだ。」
狼王軍は整然と撤退していく。
兵士たちは勝利を喜んだが、玄斎だけは険しい表情を崩さなかった。
「違う……。」
玲も空を見つめる。
「これは本当の攻撃じゃない。」
「敵は白嶺城の戦力を確かめに来ただけだ。」
その言葉に城内は静まり返る。
狼牙はすでに次の戦いを見据えていた。
蒼牙は夕焼けの空を見上げ、静かに誓う。
「もっと強くなる。仲間を守り、この乱世を終わらせるために。」
その決意とともに、第二章は幕を閉じる。
――第二章 完
第三章「天都への道」へ続く。