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やばい...めちゃきゅんきゅんする...
- K side -
落ち着いたところでまた少し寝た。しかし 、さっきの夢を思い出してすぐに起きてしまった。横にいるらんくんはぐっすり眠っている。
「… 喉乾いたな」
水を切らしていた。近くの自動販売機で何かを買おうか。よろよろと立ち上がる。路地裏は暗すぎて何も見えない。懐中電灯も持っていこう。
時間は何時だろう。蝉の声ももうしない。灯りのついている家は無い。こさめは時計を持っていなかったから時間が分からない。
「よお 、そこの嬢ちゃん」
びくっとして立ち止まった。” 嬢ちゃん “ だからこさめのことではない。だってこさめは男だから。でもここに他に嬢ちゃんと呼べるような女の子は居るだろうか?きっと勘違いだ。
「おい 、聞いてんのか」
肩を掴まれた。怖くて振り替えれなかった。きっとヤバい人だろう。絡まれたのだ。
「おい 、なあ」
ぐるっと無理やり後ろを向かされる。よろけて数歩後ろに下がる。
「な 、なんですか …」
「随分かわいい顔してんなあ。丁度いいわ」
かなりヤバい状況だ。きっとこさめは女の子と間違われている。相手は年齢は分からないがそこそこの歳の男だ。何をされるかは分かっている。男の手が伸びてきた。それを慌てて振り払う。
「ぼ 、僕 … 男です っ !!」
「男?まあ確かに胸がねえな」
逃がしてくれ。せめて金を払う方がいい。大して持ってはいないが。
「別に男でもいい。来い」
腕を掴まれた。終わった。覚悟して目を閉じる。ここで終わるのか、と。
「おい、離せ」
知った声で目を開けた。
「らんく …」
「あ?なんだお前」
「聞こえねえのか。離せっつってんだよ」
らんくんのこんな声は聞いたことがない。男はらんくんの目を見て、こさめを離した。
「こさめ 、大丈夫?」
「うん … 、ごめんね」
「ううん。こさめが大丈夫ならよかった」
らんくんは困ったように笑った。
「もう少し寝て 、夜が明けたら外に出よう」
らんくんはこさめの手を引いた。
「こさめ 、水が飲みたい」
「水?俺持ってるよ」
「え 、でもらんくんのでしょ?」
「いいよそれくらい」
らんくんはリュックから水筒を取り出してこさめに手渡した。
「どうしたの?飲まないの?」
「あぇ 、いや 。飲む … !!」
口をつけて小さく飲む。らんくんはまた寝ようと体勢を変えていた。
「寝よ」
「うん、、!」
「どうしたの?」
「え?ううん、やっぱ暑いなって」
「そうだよね」
間接キスだな、なんてちょっと意識したって言うのはずっと秘密だけど。