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異界組、異界を回る。

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異界組、異界を回る。

1 - 第1話「異界組」

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2022年07月20日

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彼らはただ、それぞれを生きていた。



種族、能力、知識、姿、生態、生き方まで、

何もかも、違っていた。





交わることのない、言わば平行調で進行している者達であった。





しかし交わった。

















…「物語」を通して。


























✝️ミッドナイト視点✝️



ゼ「っていう導入どうですか!

ねぇ、にぃに!⸜(* ॑꒳ ॑* )⸝」


怜「ちょ!メタイですよゼロさん!?」


ゼ「合ってますもんっ」


怜「そうですけど雰囲気ってものがあっt」


ゼ「それよりミドねぇね!」


ミ「何でございましょう」


ゼ「暇です!!!!」


ミ「左様でございますか…そうですねぇ…」


怜「ちょ、ミッドナイト様!?聞いてくだs」


ミ「冷めてないですかねこの紅茶」


怜「…」




私は怜夜さんを面白そうに見てから、伏せ目がちに手許のカップから琥珀色の液体を口に流す。


…やっぱりダージリンが一番ですね。


《異界組 》天界担当

【天使】ミッドナイト







ミ「ゼロさんが暇だと仰ってますよ怜夜さん」


怜「そですね!!!!」





怜夜さんはフードを荒っぽく自分の頭から剥ぎ取り、キッと私の方を向く。


拗ねたように口を尖らせ、フードを取ったせいで乱れてしまった前髪を指先でくるくるしている。


《異界組》冥界担当

【死神】怜夜






ゼ「何故怒っているんです?にぃに!✨」


怜「…もういいです…泣」


ゼ「あ!お稲荷さん追加で!!」


怜「そんな居酒屋みたいな頼み方しないでください!てか、ゼロさんだけですよ!?カフェで稲荷頼むの!」


ゼ「いいんですよもう〜♡」





ゼロさんは、幸せそうに稲荷寿司を頬張り、狐耳をぴょこぴょこと動かす。

まさに今生の至福、と言わんばかりに。


《異界組》幽界担当

【妖神】零狼ゼロ





ゼ「美味しいです〜」


怜「…はいはい笑」


ミ「それは良う御座いました」


ふにゃっと微笑むゼロさん、


呆れたようにもどこか面白がるようにも笑う怜夜さん、


やはり笑いながら羽をぱたぱたさせる私。


この空間、この時間は、人間にも、他種族にも前代未聞の存在で。





3人だけの、秘密。












ミ「しかし、暇…ですかぁ」


怜「うーん、こんな人間まみれの世界で娯楽など…」


ミ「怜夜さんそれ言っちゃ駄目です!」


怜「すいません!!笑」






ゼ「……………あ。」






ゼロさんが何か閃いたように呟く。


稲荷がこぼれる。


怜夜さんが慌てて拭く。






ゼ「そうです!ミドねえ!怜にぃに!」


怜「なんですか」


ミ「どういたしました?」









ゼ「回りましょう!!異界を!!」



怜・ミ「……………え?」






ゼロさんは尻尾をなびかせながら、きらきらした瞳で二人を交互に見ていた──。

















異界組、異界を回る。



乞うご期待────。

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