彼らはただ、それぞれを生きていた。
種族、能力、知識、姿、生態、生き方まで、
何もかも、違っていた。
交わることのない、言わば平行調で進行している者達であった。
しかし交わった。
…「物語」を通して。
✝️ミッドナイト視点✝️
ゼ「っていう導入どうですか!
ねぇ、にぃに!⸜(* ॑꒳ ॑* )⸝」
怜「ちょ!メタイですよゼロさん!?」
ゼ「合ってますもんっ」
怜「そうですけど雰囲気ってものがあっt」
ゼ「それよりミドねぇね!」
ミ「何でございましょう」
ゼ「暇です!!!!」
ミ「左様でございますか…そうですねぇ…」
怜「ちょ、ミッドナイト様!?聞いてくだs」
ミ「冷めてないですかねこの紅茶」
怜「…」
私は怜夜さんを面白そうに見てから、伏せ目がちに手許のカップから琥珀色の液体を口に流す。
…やっぱりダージリンが一番ですね。
《異界組 》天界担当
【天使】ミッドナイト
ミ「ゼロさんが暇だと仰ってますよ怜夜さん」
怜「そですね!!!!」
怜夜さんはフードを荒っぽく自分の頭から剥ぎ取り、キッと私の方を向く。
拗ねたように口を尖らせ、フードを取ったせいで乱れてしまった前髪を指先でくるくるしている。
《異界組》冥界担当
【死神】怜夜
ゼ「何故怒っているんです?にぃに!✨」
怜「…もういいです…泣」
ゼ「あ!お稲荷さん追加で!!」
怜「そんな居酒屋みたいな頼み方しないでください!てか、ゼロさんだけですよ!?カフェで稲荷頼むの!」
ゼ「いいんですよもう〜♡」
ゼロさんは、幸せそうに稲荷寿司を頬張り、狐耳をぴょこぴょこと動かす。
まさに今生の至福、と言わんばかりに。
《異界組》幽界担当
【妖神】零狼ゼロ
ゼ「美味しいです〜」
怜「…はいはい笑」
ミ「それは良う御座いました」
ふにゃっと微笑むゼロさん、
呆れたようにもどこか面白がるようにも笑う怜夜さん、
やはり笑いながら羽をぱたぱたさせる私。
この空間、この時間は、人間にも、他種族にも前代未聞の存在で。
3人だけの、秘密。
ミ「しかし、暇…ですかぁ」
怜「うーん、こんな人間まみれの世界で娯楽など…」
ミ「怜夜さんそれ言っちゃ駄目です!」
怜「すいません!!笑」
ゼ「……………あ。」
ゼロさんが何か閃いたように呟く。
稲荷がこぼれる。
怜夜さんが慌てて拭く。
ゼ「そうです!ミドねえ!怜にぃに!」
怜「なんですか」
ミ「どういたしました?」
ゼ「回りましょう!!異界を!!」
怜・ミ「……………え?」
ゼロさんは尻尾をなびかせながら、きらきらした瞳で二人を交互に見ていた──。
乞うご期待────。
コメント
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掛け持ち得意なミッドナイt 異界回りたいので私人間やめますね。 ところで異界はGoogleマップ対応してますか?
僕だ…ゼロ様だ…ミッドナイト様だぁ…!!! 異界組がどんな異界を回るのか楽しみです! 投稿お疲れ様です!✨