つづきです!
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スタスタスタ
何かから逃げている訳でもないが、あんな言い方をされるとどうにも我慢ならない。
(耀さんのばかっ、あんな言い方ないでしょう…)
少しは自分も悪いことは分かっているが、久しぶりの喧嘩だったのでダメージは相当だ。
少し涙ぐみながら一人で歩くのは寂しいし、何より耀さんに言われたことがショックだ…
(もう一生口聞きません……)
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バタン。
菊が出ていってしまった。
喧嘩なんていつ振りだろうか…自分が情けなく思える。
「っ、あいやぁぁぁぁなんで我あんな事言ったあるかっ、我の馬鹿!!!」
「「?!」」
さっきまで氷の様に固まっていた空気が一気に緩む
自分の頭をワシャワシャ掻きむしり、自分が言ったことを思い出す。
「我はあんな事言いたいんじゃなかたあるっ、我はもっと、…昔のように頼って欲しかっただけあるぅ」
自分の腕に顔を埋め、ぐずぐずと泣く姿はさっきまでの面影も見えない。
そこでようやく他の国が口を開けた
「おまっ、何やってんねん謝ってこいや!!」
「俺様の可愛い弟子に何してるんだぜ?!」
アントーニョが内職を辞めて口を開けば、つらつらと他の国も文句を言う
ブーイングの嵐だった……
ばっと立ち上がり、涙目で主張する
「そんなの分かってるあるっ!でも見せる顔がねぇあるよ…」
だが勢いがあったのは一瞬で、その後にまたしおしおと沈んでいく…
それを見ていたフェリシアーノが、哀れみの表情で見下す。
「ヴェ…何と言うか…自業自得?」
グサッ
トドメの一撃。会心の一撃。
あまりのストレートさにぶわっと涙がこみ上げる
「あいやぁぁぁぁっっ」
「いまっ、今すぐ謝ってくるあるっ、、」
「あ、ちょおまてや!?」
止めようと手を伸ばした瞬間、目にも止まらぬ速さでその場を駆け抜けて行ってしまった。
「ボソ、耀菊……」
そんな呟きが聞こえたのは気の所為だ…多分…
ーーー
休憩室の隅で、買ったホットコーヒーを飲む。
徐々に涙も引いていき、冷静に、自分が言ったことを思い出す。……
『日の沈むところの中国さん』
『頭のない虎に話すことはない』
数々の暴言が頭に浮かぶ。
きっと失望された、もう話せないのだろうか、嫌われてしまった。
親代わり的な存在の耀にそんな事を思われて居ると思うとまた涙が溢れる。
(なんでこんなことに。…)
私はただ、認めて欲しかった。、
貴方に追いついて、しっかり隣に居れる存在になりたかった。…胸を張って耀さんの弟です!なんて言いたかった。
(最悪…ですね、)
ドクドクと胸が鳴っていた。
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タッタッタッ
(菊っどこあるかっ)
広い部屋を一つ一つ確認して、廊下を探し回ったが一向に見つかる気配はない。
物置部屋
喫煙室
トイレ
………
どこにも居ない。
一階から探していると、気づけば部屋はもう一つしかなかった。
普段は使われない休憩室。
ごくりと息を呑み、ドアノブに手をかける。
(これで居なかったら…………)
ガチャ。
「!!」
いた。
菊がいた。
壁にもたれかかって寝ている。
涙が乾いて頬についており、まだ濡れているまつ毛はとても綺麗だった。
(…変わんねぇあるな。)
じっと菊を見つめていると、菊が動いた。
(しまった、起こしたあるか?!)
「や、おさ…、ちゃーは、ん食べたいです…」
まだ寝息を立てている、寝言だ。
あまりにも可愛らしいお願いに、思わずにこっと笑みが溢れてしまった。
「やっぱり小菊は変わってねぇある!」
その後は菊をおんぶして、存分に中華料理を振る舞った。
END
何か無理やり終わらせた感満載ですね…本当に駄目だ…
ごめんなさい😭
コメント
4件
最高でした!神ですか!?すごい尊かったです( >﹏< *)ご馳走様でした( . .)"(初コメ失礼しました!)
素敵すぎて爆発しそうです。ごちそうさまでした。