嘘でしょっ…!バカじゃないの?もしかして、いやもしかしなくても道連れにする気?正気の沙汰じゃない。どうして?どうしてガオナは自分の命を差し出してまで、私たちを始末したいの?どうしよう。考えがまとまらない。でも、そんなこと考えてる場合か!とにかく、ルイを死なせない!私が死んででもあの子のことは守ってみせる!
「…ルイ。」
『なに?』
「今から私が言うことに従って?」
『そんなのいつも通りじゃないか。』
「うん、でもこれはね確実に実行してほしいの。じゃなきゃあなたが、…いや私が死んじゃうかもね。」
『…そんなの従う他ないじゃないか…ずるいよ。』
「あら、私はいつもずるく生きてる人間よ?今更何言ってんのよ。」
『そっか…んで?僕はどうすればいいのかな?』
「…ガオナの身体に括り付けられている爆弾に向かって的確に銃で打って。その後は窓から逃げて。…ルイならこんな高さなんともないでしょ?」
『…無茶言うなぁ。』
「大丈夫。絶対にあなたを死なせない。あなたを死なせるくらいなら私の命を差し出してでもルイを生きのばしてみせる。」
『絶対にやめてね。』
「…ルイなら私が同じ状況に置かれたら同じことをするでしょ?」
『…そうだね。』
『相棒との今生の別れは済んだか?』
「…ルイ、」
『わかってるよ』
『じゃあな、今度こそお別れだ。…俺の弟子たちよ』
バァンっっ!!!!!!
ガオナが爆弾のスイッチを押す前にルイが爆弾に弾丸を打ち込んだ。それと同時に大きな爆発音とガラスが割れる音がした。それと同時にルイのインカムが壊れた、ルイの安否が取れない。私は急いで、荷物を持って向かいのビルに向かった。
あれほど立派だったはずのビルは全壊していた。そんなことはどうでもいい、ルイは!?
「ルイ!ルイ!どこ!?」
どこにもいない。いつものあの子がいない。
どこ?どこ?どこなの?ルイっ!!
「ルリ!」
「っあ…」
「僕は大丈夫だよ。ルリはだいじょうぶって…おわっ」
「よかった、よかったルイ。ごめんね無茶なこと言って、最初から気づいておけばルイが危険に晒されることなんてなかったのにっ…!ごめん、ごめんね、ごめん、ごめ」
「ルリ?」
「!」
「大丈夫。僕はちゃんとここにいるよ。生きてる。生きてるよ。僕がこうしていられるのは君のおかげだ。君がいなかったら僕は今ごろどうなっていたことやら…だから、ルリ?安心して君の相棒はちゃんと生きてるよ?」
「…そうだね、よかったぁ…そうだ、ガオナは? 」
「…さすがに死んでたよ。でも、僕が銃を構えてガオナの爆弾めがけて打とうとした時、穏やかに笑ってくれたよ…」
そういえばガオナには幼い子と妻がいたんだっけ。もしかしたら人質にされていたのかも。もしそうだとしたら、私は罪のない人を傷つけてしまった。でも、申し訳ないが、私も生きるのに必死なんだ。許して欲しいな。ごめん。顔もわからないのに、言い訳をして、謝罪する。やっぱり自分は裏の世界でしか生きられないのだろう。内側から、真っ黒に染まった正真正銘裏の世界の住人だ。
「…ルリ?」
「…なんでもない。」
でも、この子だけはそんな重荷を感じて欲しくない。今までの裁きを受けるのなら全て私が背負おう。この子にはいつまでも笑っていて欲しい。
「ルイ、逃げよう。」
「どこに?」
「私たちを排除しようとする組織から。」
「…そうだね。あーあどうしてこうなっちゃったかなぁ。」
「さぁね、こればっかしは分かんないわね。」
でも、私は知らなかったこれから私に、私たちにこれ以上の悲劇が起こることを
コメント
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ええ〜ありがとう😭頑張って書きます!本当にありがとう〜😭