テラーノベル
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左寂
苦手な方🔙
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「左馬刻くん、もう寝てしまうのかい?」
「おー…」
「眠い?」
「んー…」
これ以上は喋りかけないでおこう、相手はもう眠いんだ
そうは分かっているのに、寂雷はつい声を掛けてしまう。
寂雷がどれだけ抱かれても、自分が乙女のように感じていても、左馬刻が年下なことに変わりは無い
おそらく、意地悪なんだろう
「先生…静かにしてくれねぇか」
「ごめんね」
左馬刻に注意されて我に戻る
眠い時にしか聞けない、弱々しくて低く掠れた声
そんな声でも、寂雷の耳には心地よく聞こえる。
寂雷は、左馬刻の背中に腕を回し一定のリズムでトントンと優しく叩く
子供扱いは柄じゃないし、本人だって嫌いなこと
だけど今日だけは、今夜だけは子供扱いを快く受け入れている。
「…左馬刻くん」
返事はなし、寂雷の胸元で正しい呼吸音を立てながらすやすやと眠っている左馬刻が居る
「可愛いよ」
そっと声に出す
誰にも聞かれない、自分でも翌日には記憶の欠片にもない言葉
次、こんな日が訪れるのはいつなのか、それは誰にもわかりやしない事
もう少しだけ、この瞬間を過ごしていたい
その気持ちを胸に閉じ込め、寂雷と左馬刻は
眠らない街シンジュク、に堕ちていった
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初投稿が短すぎました🫠
暖かい目で見てください😌
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