⚠注意⚠
注意書きは一話にあります。
今日も今日とて仕事を始める。自分の管理している世界の人間を観察し、記録する。単純作業のように見えるが簡単ではない。なぜならその世界に生きる人間全員が対象であるから。
ユリの塔では一つの世界を数人で管理しているため区分ごとに分けられている。それでも世界によっては数億人の観察を一度に行う。
でも今日は違った。
何が違うかと聞かれれば「分からない」としか答えられないが明らかに何かが違う。またエリカの仕業かとも考えたがエリカにしてはいつもとは勝手が違う。
オニユリ:なにか知っている者は?
誰もいないオニユリの書斎でそう問いかける。普通の人間ならば何も返事が帰ってこないと思うのが普通だが、ここは魔女の住む塔。どこからともなく返事が帰ってくる。
魔女:知らないです
魔女:知りません
魔女:分かりません
魔女:探ってみます
魔女:調査始めてます
なんと優秀な部下であろうか。言う前から始めてくれていたとは。
そんな呆気に取られている場合ではない。一刻も早く原因を探らなければならない。
➖コンコンコン
誰かが戸をノックする。オニユリは「どうぞ〜」と適当に返事を返す。今は誰が来たかなんて興味ない。
???:なんだか今日は騒がしいですね?
オニユリ:………どうやって来たのよ
ゴッド:嫌だな〜貴方が返事したんでしょ?
オニユリ:…………
そうだった。ここは異界。魔女に招かれたもののみ入ることができる場所。私が返事をすれば(招けば)誰でも入れる場所。普段ならそうそう返事をすることはないのだが違うところに注意が行っていたからか面倒なものを招き入れてしまった。
オニユリ:………帰ってくれない?今あなたに構っている暇はないの。
ゴッド:それは残念です。その事件に役立ちそうな情報を持ってきたのに………非常に残念です。
オニユリ:要件があるなら先に話せといつも言っているじゃない。
ゴッド:それはそうですが、貴方が私に答える暇をくれなかったじゃないですか
オニユリ:面倒な神ね
ゴッド:神は気まぐれですから。………それで聞きますか?
オニユリ:私が聞かないとでも?
忽然と現れたゴッドというものは異界とはまた違う空間にある天国の神。神である彼の名がゴッドというのかはさほど興味がないため、昔聞いたかもしれないが忘れてしまった。そんなことよりもゴッドが持ってきた話を聞くためにわざわざテーブルとイスとティーセットを作る。
オニユリ:つまり、どこかのバカが魔女を呼び出しておかしくしたってことかしら?
ゴッド:そうだと思いますね。昨日少し散歩をしていたら異変があったので確かなことかと。
アリッサム:オニユリ、これみんなから届いた報告書。
オニユリ:ありがとう…………間違いなさそうね。誰が召喚されたかとか分かりそう?
魔女:ツツジの塔のエリカだと見られます。
オニユリ:エリカ?
魔女:はい。そして契約を結んで今は人間の身体に入っているとのことです。
オニユリ:なるほどね。
魔女:余談にはなりますが、世界のバックアップは済んでおります。
オニユリ:流石ね。ありがとう。
ゴッド:相変わらず仕事、早いね〜
オニユリ:あなた達のところもそうすれば?
ゴッド:そんなことしたら天国じゃなくなるじゃん?魂が現世に戻れるのは魔女たちが世界に空きを作らないから天国に長蛇の列ができるんですよ?
オニユリ:こっちもこっちでいろいろトラブルがあったのよ。後で一気に減るから安心しなさい。
ゴッド:楽しみにしてますね
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