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硬そうな体と盛り上がる胸…純粋な強さが伝わってくる
しかし、どういうわけか、彼からは見た目の厳つさにおよばず、誠実さや上品さが伝わってくる
そして私は控室にいるのではなく、柚彦君の試合が見たいとブラックに言った
なので今、まさに試合が始まろうとしているリングの前の観客席の私の後ろで、すっかり興奮した観客が雄たけびを上げ、私の椅子をガタガタ蹴った
それにビクッとなった私は腕を前に組んだ、後ろの観客は、隣のブラックにジロリと睨まれ、一瞬で大人しくなった
ブラックが腕を組んで私にぼそりと言う
「あなたにはちょっと刺激が強いかしら、ユズの言う通り、控え室で待ってた方がいいんじゃない?」
周りの客は総立ちで、大声をあげながら中央のリングを見つめている
「・・・ううん・・・彼の試合を観戦したいの・・・・柚彦君って・・・強いの? 」
「あら!あなたユズの事何も知らないの? 」
ブラックは口に手を当ててコロコロ笑った
その女性のような仕草に似合わず、彼の上腕二頭筋は丸太のように大きく、ごつい体の割には彼の頭部は、小さなスキンヘッドで、体に似合わずとても小さかった
こんなごつい体でも、つぶらな瞳と彫の深い鼻筋・・・・まつ毛の長さをなんとなく可愛いと思ってしまう
そして彼はニヤリと笑った
「強いなんてもんじゃないわよ」