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私にとってそれは、「愛」だった。
そう、あの日、私は恋に落ちたのだ。
私の初恋は、あまりにも唐突に訪れた。
それは、中学2年生の春休みのことだった。
いつものように友達の家に遊びに行き、一緒にゲームをしたり漫画を読んだりして遊んでいたのだが、ふいに彼女が言った。
「ねぇ、私ね、好きな人が出来たかもしれない……」
私は一瞬固まったが、何とか平静を保ちつつ聞いた。
「えぇ!?そうなの?」
「うん!なんか最近よく目が合うし、ちょっと喋ったりもするようになったんだけど、ドキドキするっていうか……これってもしかして恋なんじゃないかなって!」
彼女は少し頬を赤らめながら答えてくれた。
その瞬間、私の胸はギュッと締め付けられるように痛くなった。
(あぁ……そっか……)
この時初めて私は自分の気持ちに気付いた。
彼女のことが好きだということに。
だが同時に絶望も感じていた。彼女と私が結ばれることはないということを分かっていたからだ。
だって彼女には彼氏がいるのだから。それもクラスで一番モテてる男の子が。こんな恋なんて叶わないし意味がない。それなのにどうしてまだ諦められないのか……そう思った時だった。
『もう諦めなさい』
どこからかそんな言葉が聞こえてきた。その瞬間、目の前が真っ暗になり意識を失った。