テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
登場人物が多い時のノベル難しいですね。。
でもチャットノベルで文章書くのあんまり得意じゃないのでノベルにしました。笑
見にくかったら、すみません!
「てるとの服いつもオシャレだよなー!」
「確かに。センスあるよ」
「てるとくんとお揃いが良いー」
「うわぁ、この服てるきゅんの匂いがする♪」
裸の男子達に服を与えると、人間になったばかりだというのに着慣れた様子で着替えていた。
「何で‥そんな普通に着替えられてるんだ‥」
「え、だっててるちゃんの着替えているとこなんて毎日見てたし。」
「!?」
突然猫から人間の姿に変わってしまう。そんなファンタジーの様な出来事に未だ混乱をしている僕を他所に4人の対応力が高すぎる。
「どうして、急に人間になっちゃったんだろう‥?」
「さあ?」
「そんなあっさり‥!」
「でも、俺は人間の体になってラッキーだよ。てるちゃんとこうやってスキンシップできるし。」
「ちょっ!ば、ばぁう!」
ばぁうがぎゅうっと前から抱きついてきた。ふわりと猫の時と同じばぁうの匂いに包まれる。
「‥てるちゃんは、嫌?」
「っ‥、」
耳元で囁かれて舌でペロっと舐められてビクッと体が跳ねる。猫の時とは違い長い舌で舐められて、擽ったいその感覚が更に敏感になって体が震える。
「ばぁうばっかりズルい」
腕を掴まれて反対側に引っ張られた。メルトが僕の腕に絡み付きながらムスッとした表情でばぁうを威嚇していた。
「ばぁうはてるとくんといつも距離近過ぎ。」
「メルメル‥?」
「…俺だけ見て?」
きゅるんと潤った上目遣いで甘えた声で囁く。可愛くてメルトの方に惹きつけられそうになる程僕は魅了された。
「メルトだって距離近いじゃん」
「ばぁうは強引過ぎなの」
2人の間に火花が散っている様に見えたのは気のせいにしておこう。
「てるちゃん、大丈夫?」
「あっと…うん。ありがとう」
2人が言い合っている仲、側にあっとが寄ってきて心配そうに声をかける。あっとは本当に人間になっても優しいんだなあ。
「たぶん、俺たちの願いが形になったんじゃないかなって思う」
「え?願いが形に?」
「俺たちはてるちゃんに拾われたあの日からそれぞれの思いが強くなっていったんだと思う…好きっていう気持ちが」
「えっ」
「てるちゃん…好き」
「あ、あ、あっと!?」
「ずっと、言いたかったんだ」
あっとが僕の手を取って握りしめて真剣な表情で見つめてくる。その直球な告白にてるとは、本当に愛の告白の様に聞こえてきてしまい素直に照れてしまって思わず逃げ出してしまう。近くに居たやなとの背中に隠れる。
「や、やなと!ちょっと助けて!」
「てるきゅん…っ、あれっ?」
「…?どうしたの、やなと?」
やなとの表情を伺うと顔がみるみる赤くなっていった。
「えっ!やなと、大丈夫?」
「う、うん!大丈夫、!(あれれ?てるきゅんに触れられて、え?なんかいつもより可愛い!?…は、恥ずかしい‥でも、嬉しっ…)」
「もしかして、熱ある??」
「な、ないよ!大丈夫!」
てるとが優しい声でやなとの額に手を当てて熱を確認する。その行為一つひとつが嬉しくて堪らない。やなとの鼓動は早くなってまともにてるとの顔を見れなかった。
「ねえ、てるちゃんお腹空いたー」
ばぁうが僕の肩に顔を乗せてきた。
この時間帯になると決まって猫たちがお腹空いたー起きてー僕を起こそうとアピールしてくる。
でも、今は人間な訳だし‥
「…猫缶、はもう食べないよね?」
「そりゃあ、もう人だからな。」
「え、やっぱり?」
ばぁうはにやりと笑って、てるとの腰に腕を回す。
「てるとが作ってくれたもん食いたい。……な?」
「えっ…!、ちょ、ばぁう、近いって!」
顔を赤く染めながら困っているとてるとをあっとが「こら、やめろ」と救い出す。
「でも、ばぁうの言う通り俺もてるちゃんの手料理食べたいかな」
あっとはてるとの頭を撫でながら優しく笑いかける。包容力あってすごく安心する。
色々あり過ぎて整理が出来ていないけど、とりあえずお腹を空かせたこの子たちのご飯を作ることにした。とは言え、猫の時のご飯の好みはそれぞれ把握はしているけど、人間である彼らの好みが分からない。
「んー、何作ろう…」
「てるきゅん、俺も手伝うよ!」
「本当に?やなと、出来る?」
やなとがやる気満々で卵を割ろうと奮闘するが、ボウルの中に殻ごとグシャッと入ってしまう。次こそはと、卵を取り出し割ろうとするが、同じ結果になり上手く出来なくてやなとが落ち込んでしまう。
「大丈夫だよ、やなと!落ち込まないで」
「うぅ‥ごめんね、料理って難しいね…」
「練習すれば、上手く作れるようになるよ。一つずつ覚えていこ?」
「うんっ‥ありがとう、てるきゅん。」
朝ごはんに、スクランブルエッグ、ウィンナー、野菜スープ、トースト、ツナ入りおにぎり、ヨーグルト。家にある食材をかき集めた結果だ。人数も多いから色々作ってみたけど、食べてくれるだろうか?いつもは1人分の朝食が5人分。ローテーブルいっぱいに並べられた。
いつも座っている場所に座るとばぁうとメルトが素早くてるとの隣をキープする。
てるとが「いただきます」と食事の挨拶をすると、他のみんなも続いて「いただきーます!」と手を合わせた。
人間の食べ物が口に合うかどうか、てるとはみんなの顔色を伺う。「うまい!」「美味しい!」とそれぞれ色んなおかずに手を伸ばして夢中で食べ始めた様子に安心して胸を撫で下ろす。
「てるとくーん、これなーに?」
「おにぎりだよ。中にツナマヨが入っててそのまま手で持って食べるんだよ。」
「‥食べさせて?」
「えっ」
「人間になる前はいつもしてくれてたでしょ?あーん。」
メルトが甘えた口調で口を開けて待っているのでてるとは照れながらもおにぎりを口に運んであげる。
「ん!美味しい!特にこの中身!」
「でしょ?(やっぱり猫ちゃんだったからツナ好きなのかな‥?)」
「じゃあ、次は俺が食べさせてあげる」
「えっ!」
「口開けて!あーんして?‥ほら、落としちゃうよー?」
その様子を見ていたばぁうも対抗してウィンナーにフォークを刺しててるとに差し出す。
「てるちゃーん、俺のも食べて?‥それとも口移ししてあげよっか?」
「ば、ばか!冗談でもそんなこと言わないのっ」
2人からほぼ強引にご飯を食べさせられた様な気もするが、パクッと食べてあげると2人とも満足そうに微笑む。
「口元ついてるよ」
「え‥どこ?」
「ここに。」
「っ‥!」
あっとが自然な動作で口元を指で拭うとそのままペロっと舐めた。そして「美味しい」とてるとを見つめて呟く。なんか、えろい……。
「あ、ここにもついてるよ?」
「ひゃっ‥!?」
やなとがてるとの頬に付いた物を舌で舐める。いきなりの行動に驚いて目をまんまるにしていると、やなとはハッと我に帰ったように慌て出す。
「うわっ!ごめんなさい!…猫感がまだ抜けきれてないみたいで‥」
「そ、そ、そっか!」
「ごめん、嫌だったよね?」
しょぼんと明らか寂しそうにしている表情に思わず愛おしくて、、そんな事ないよ!って言いたくなるが、いや、それも何か言っちゃダメな気が…!えっと…
「あ、ありがと…?」
「…!うんっ!えへへ‥」
いつも1人で座って静かに食べていた小さな食卓をぎゅうぎゅうで囲んで食べることになるなんて。一方でおかずの取り合いをしてて、「おかわりー」といっぱい食べる姿も。とても賑やかな光景でまるで本当の家族みたいだ。
でも、彼らの方からくるスキンシップが猫との時とは違っていて、なんか、胸が高鳴る瞬間が多くて、どうしたら良いか‥どう受け止めたら良いか分からない。
やがて、お皿の上が次々と空になり食べた余韻と満足感が残る。食器を片付けようとてるとは立ち上がるが、それをあっとが制止して「俺に任せて」と笑いかけ食器を片付ける。教えてもいないのに蛇口の栓を回して食器を洗い始める。
「うっ‥水ちょっと弱めるか。」
「…大丈夫?(やっぱり猫ちゃんだったから、水苦手なのかな)」
「うん。ちょっとびっくりしただけ。慣れれば平気になると思うから。」
「あっと、ありがとう。」
お礼を伝えるとあっとは更に優しい笑みを浮かべる。
「じゃあ、僕はお茶でも淹れようかな‥」
「あ、俺も手伝うー。見てるだけで暇だし。この体で色々試してみたい」
「ばぁう、お茶とか淹れられるの?」
「おーい、バカにすんなー?コップの場所だって知ってるんだぜ‥ほら、あった」
「え、すご。」
ばぁうは不慣れながらもコップを取り出してお茶を淹れていく。一つひとつのことが新鮮でばぁうは楽しそうで無邪気に見えて思わず笑みが溢れた。
「ねぇ、てるきゅん。さっき洗濯機鳴ってたよ?」
「あ、そうだ、洗濯物忘れてた!」
「俺、手伝うよ!」
「え、本当に??」
やなとな洗濯機の蓋を開けて洗濯物を取り出し、乾いた洗濯物を畳もうとしている。が、上手く形にならずに苦戦していた。そんな不器用さも愛おしくて可愛い。
てるとがやなとの手を添えて畳み方を伝えると照れながらも真面目に聞いてくれた。
メルトはテーブルに頬をついて楽しげにみんなの行動を眺めていた。
「なんかさ、こうして人の姿だと、もっと仲良くなれる気がする」
「え??」
「猫でもてるとくんに出会えてから楽しい時間は沢山あったけど、それ以上に出来ることが増えたからさ。」
「メルメル‥」
「おれ、今めっちゃ幸せ。」
幸せそうな笑顔で語るメルト。その姿につい見惚れてしまいそうになる。
僕は朝食を食べていて、この先どうしようとか。このまま一緒に暮らしていけるのかなとか。不安があった。でも、どう考えても彼らを見捨てることや突き放す事なんて出来ない。まだ、人間の彼らとの時間は始まったばかりだけれど、僕は彼らと向き合いたい。……でも、スキンシップの方は少し抑えて欲しいところだけど‥。だって僕が保たない…。
賑やかな朝と共に僕は、1日目の休日を迎える事になったのだ。
続く。
続き書きたくてすぐ書きました。笑
コメント
1件