「___ピ…ピン……………」
この光景が信じられなかった
どうすればよかったのかもよくわからなかった
逃げなきゃ
逃げなきゃ
ダッ
「ニードルっ!!!!!!」
「あ…………そんな…」
ニードル…どうして?
なんでアタシを置いて逃げたの?
…と、とりあえずアタシも逃げないといけな_
あれ?
ルビー……寝てる?
と…とりあえずいいタイミングで寝てくれたわ
「お…お邪魔しました…!!」
そう言って痛い足を引きずりながら外に出た
…?
なに、この世界。
アタシがさっきまで見ていた世界と違う。
あれ、視界が_
「…6人目か」
目が覚めた。
すこし眠っていたようだった。
「おはよ」
どこからかそんな声が聞こえた。
「…る、ルビー!?
なんでここにいんの?!てかここ何処?」
「しらない」
なんだか、彼女らしいのに彼女らしくない返事だった。
「ピン、なんだかヘンな見た目。」
「あんたが言えることじゃないでしょ…」
まあ、視界が少し見えない気がするけど。
「二人共、起きたようだな」
「あっ、ゴルフボール!なんなのここ!?」
アタシは彼女に問い詰めた。
「ここはワタシの研究所だ。
最近起こっていることについて調べるために軽く中を改造した」
「その為、セキュリティもさらに強くしている。マグマが入ってこれないほどな
そこの心配はしなくていい。ハハハ!」
「え、いや…そういうことじゃなくて…」
「なんかヘンなの」
「私達、なんで閉じ込められてんの?」
「ああ。それはだな……」
ゴルフボールはことの顛末について話し始めた。
今、この世には「Dream」という奇病が蔓延しているらしい。
その「Dream」は症状として「自分や他人、もしくは両方が重い傷を負う」という内容の夢を見るらしく、それはそれは非常に奇妙らしい。
その状態が長く続くことによって精神が崩壊し始め、最終的には「夢に出てくるような姿」になるという。
それを夢化と言うらしい。
夢化状態になった者たちは凶暴化し、理性を失い、狂い、無差別に人々を夢化させたり、殺してしまうという。
だいぶ厄介な奇病だという。
そして、ここを利用して夢化について研究をしているらしい。アタシたちは夢化してしまっているために暴走してしまうかもしれないからここに収容されているらしい。他にもアイスキューブやティアドロップなど…ここにはアタシ達以外にも少しだけだけど夢化状態の人がいるみたい。
「グルルル…」
「あ、アイシーだ」
おいルビー。違和感しかないだろあんな姿。なんでそんな呑気なんだ。
アイスキューブはアイスキューブでずっとゴルフボールのこと威嚇してるせいでルビーのことなんか気にかけてない。なんなんだこいつら。
「そんな奇病から身を守るべく改造されたのがここ、ゴルフボールの研究所改め『夢化対応研究施設』っていうワケだ。」
「ヘンなお名前」
「ってかゴルフボール!アンタも夢化?してるっぽいけど大丈夫なの?アタシなんかもう関節関節が痛くてたまらないんだけど」
「テニスボールと散歩してたときに急に夢化リーフィーに襲われてな。ワタシは奇跡的に夢化症状が軽かっただけだ。ただしテニスボールが…」
「…いや、この話はやめておく」
「あっそ」
どうやら今の彼女にはテニスボールのことについては禁句のようだった。
とりあえず聞きたい気持ちは心に留めておいた。
「だが…お前らは運が良かったようだな。
見た限りでは暴走の回数が少ないと思える」
「暴走って?」
「聞いてなかったのか…
暴走ってんのはな。少しだけ夢化状態になっている奴が時々無意識に凶暴化してしまうことだ。」
「へー」
「ぼ…暴走の回数が少なかったら何かいいことでもあるってワケ?」
「まあな。暴走しない方が施設の修理費に負荷がかかることはないし」
「結局アンタ側の都合じゃないの」
「ああ、まあそうだな
でも暴走回数が少ないと夢化の症状も重くならないから、お前らにもメリットはあると思うぞ?」
「ふーん…暴走しすぎたら完全に凶暴化しちゃうってことか」
「というか、わたしの姉妹の破片は?」
「冷凍済みだ」
「わーい、ありがと」
なんなんだ。こいつらおかしな状況だって言うのに適応能力が高すぎる。信じられない。
というか、もはや怖い。
「てかなんなのこの世界。 アタシの今まで見てた世界と何か違う気がするんだけど?」
「まあ、夢化状態の奴らがわらわらといるもんでな。
Dreamはなにやら環境にも影響するようだし」
「…まあ、安易に外に出てはいけないということだな」
「…はあ…はあ………イカれてる…」
理性を失ったように暴れ狂っていたリーフィーに襲われてからは無我夢中で走っていた。
走り疲れた頃には我に返っていた。
僕が昨日まで見ていた世界がいつのまにか… 気づいたら薄暗くて気色の悪い世界になっている。
まるで荒廃した世界みたいだった。
「…寒い。凍る。」
なんでこんな世界になったんだ?
宛もなく歩き続けても意味なんてない。凍え死ぬかもしれないだけだ。
このまま来た道を戻るか?テントでも張るか?キャンプでもするか?
…いや、そんな気力なんてない。歩けない。死ぬ。
「……おっ、あれは……」
「あっ!おいファイリー!!」
コイニーだ。嫌な奴と合流した…まあ、今は好都合だろう。
「生きてたんだな!よっ、ゴキブリ並みの生命力!」
「なっ、失礼な!お前も同じみたいなもんだろ!?」
「うるせー!まあいい、生きてた奴がいてよかった。
ピンとピクニックしてたら様子のおかしいニーディーが急にピンを連れ去ったんだ」
「居ないからってそんな平然と…」
「って、あれは?」
「「ニードルだ!!!」」
「あっおい、被せてくんな!」
「そんなこと言ってる場合じゃねえ!!様子がおかしい!逃げるぞ!!!」
「…コイニー。」
「…なんで逃げるの?ほら、私達…
『WOAH BUNCHER』でしょう?」
そういって彼女は不敵な笑みを浮かべた。
「…!?」
「こ、コイニー!!!惑わされるな!!!」
「あっ、お…おい!!」
「ああそう、逃げるんだね?
いいよ。そんな選択を選ぶなら」
「私…いや」
「オレが殺しに行くから」
コメント
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ピンのツッコミで笑い転げた()そしてニーデi((((((((ベシッッ ニードルちゃぁぁぁぁん()
ニードルちゃん!?!?!!!とても可愛いです(告白)不的な笑みを浮かべたニードルちゃん狂いすぎて好きです‼️‼️‼️ニードル…まさか……😭😭