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鷹槻れん@コノカレコミカライズ

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昴くんのさりげない気遣い、めちゃくちゃ胸にきました…!「電話のふり」って発想、確かに羽衣子さんなら気を遣わずにお店見れるもんね。ネックレスを名残惜しそうに戻す羽衣子さん、自分のものにそんなに慣れてない感じがして切ない。二人きりの空気感、ぎこちなくて全然進まない感じが逆にリアルで好きです。皐月くんナイスアシストすぎる。
夕飯だけのつもりで外へ出たものの、
「そとであそびたい!!」
元気いっぱいの希海がそう言い出したことで、予定は少し変わった。
遊びも食事も出来るということで、一行は近くのショッピングモールへ向かうことに。
店内へ入り、室内の遊び場近くへやって来ると希海は目を輝かせる。
「わぁぁ!!」
ボールプールや滑り台など希海の興味を引く物が沢山あり、一目散にそこへ駆けて行こうとする。
「希海、まずは受付を済ませてからだ」
昴に止められ、不服そうな顔をする希海に羽衣子が優しく声を掛ける。
「受付したら遊べるから、少しだけ待とうね」
「うん」
そこへ、皐月が受付を済ませて三人の元へ駆けてくる。
「若頭」
「なんだ」
「もし良ければ俺が希海くんを見ていますので、吾妻さんと二人でどこか見てきても大丈夫ですよ?」
「えっ!?」
その言葉に羽衣子が驚いたように皐月を見る。
「私が希海くんを見ていますから、京極さん、お買い物があるなら春川さんと行ってきてください」
「いやいや、俺が若頭と買い物をするより吾妻さんが行く方がいいかと」
実際、皐月は既に希海に懐かれていて、
「さっくん、はやくー!」
希海も昴や羽衣子に依存していない。
これなら少しの間皐月に任せても問題無いだろうと判断した昴は、
「そうですね、普段から希海と常に一緒ですし、たまには吾妻さんも息抜きが必要でしょう」
「そんな、私は希海くんと居ても息が詰まるとかそういうことはないです……」
「だとしても、希海が私や貴方に依存しないのも珍しいこと。ここは皐月に任せて我々は少し買い物でもしましょう」
「…………」
羽衣子は少し迷ったものの希海を見ると、希海本人は既に皐月と一緒に遊ぶ気満々で、「みてー!」と楽しそうに手を振っていた。
「……それじゃあ、少しだけ……」
「では行きましょう。皐月、希海のこと頼んだぞ」
「はい! 行ってらっしゃい!」
こうして羽衣子と昴は二人でショッピングモール内を見て回ることになった。
昴と並んで歩き出した瞬間から、羽衣子は落ち着かず、ソワソワする。
普段は希海も一緒で自然と会話もそちらへ向くけれど今は違う。
(二人きり……何を話せば……)
その状況を意識した途端、羽衣子の胸は更に騒ぎ始めていた。
「さて、何から見ますか?」
「わ、私は大丈夫なので……京極さんが見たいお店で……」
「……貴方が見たい物は?」
「特には……」
そう答えながら羽衣子は緊張した様子で視線を彷徨わせる。
そんな姿を見た昴は小さく息を吐くと、
「……では、少し付き合ってください」
そう言って歩き出した先は女性向けのファッションフロアだった。
アクセサリーショップや洋服店、雑貨屋が並ぶ一角に入ったところで、昴はポケットからスマートフォンを取り出した。
「失礼」
そして画面に視線を向けた後で羽衣子へその視線を移し、
「少し電話が長引きそうなので、良ければその辺りの店を見て待っていてください」
「え、でも……」
「なるべく早く切り上げますので」
穏やかに促された羽衣子は小さく頷き、近くにあったアクセサリーショップへ足を踏み入れる。
店内にはネックレスやイヤリング、ブレスレットや指輪などが並んでいて、ガラスケース越しに羽衣子はゆっくり見て回る。
その様子を店の外から昴は静かに見守っていた。
耳にはスマートフォンを当てているが、実際会話はしていない。
そもそも電話が掛かってきたという話は嘘で、気を遣う羽衣子が一番気兼ねなく店を見て回る方法を考えた結果、これが一番なのでは無いかと思い、自身は電話をしている振りをしながら、羽衣子の視線がどの商品に向くのかを注意深く見ていた。
すると、少しして羽衣子はネックレスを手に取ると、興味深そうに見つめた後で鏡の前で胸に当てて確認していた。
けれど、値札を見た後で羽衣子はそれをすぐに元あった場所へ戻して次に進んでいく。
戻す時、どこか名残惜しそうな表情が昴の中で強く印象に残った。