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私
にとって一番大切なものは、 私が今ここに生きていること。
私は今ここに生きていて、呼吸している。
それだけのことなのに、それがとても嬉しいのです。
それだけのことが、本当に幸せなんです。
私は今ここで生きています。だから、今日もまた明日が来ることを疑いません。明日も明後日もその次の日もずっとずっと、私はこの世界で生き続けます。それはきっと幸せに違いないから。
どんなに辛いことがあっても大丈夫です。生きるということは希望を持つということなのですから。そうやって生きていればいつか必ず報われるはずです。だからどうか諦めないでください。私があなたのことを幸せにします。私があなたを守ります。私はあなたのことが大好きです。愛しています。だからずっとそばにいて下さいね。私から離れていったら許さないですよ。ああ本当にかわいいですねあなたは。その顔を見るだけで私は幸せな気分になれますよ。あなたさえいれば他には何も要らないんです。ねえ聞いていますか?聞こえていますよね?どうして無視するんですか?何か言って下さいよお願いしますから。え?なんですか?よく聞き取れませんでしたもう一度言ってくれませんか?あぁ!なんて素敵な笑顔なんでしょう!まるで天使みたいです!きっと今の私は世界でいちばん幸せな人間に違いないと思います。だってこんなにも好きな人と一緒なのですから当然のことです。あなたがいる限り私の毎日はとても楽しいものになると確信しています。だからこれからもよろしくおねがいしますね。さて今日は何をして遊びましょうか?そうだ一緒にお風呂に入りましょう。背中を流しっこしてお互いの身体について語り合いましょう。その後はベッドの上で……きゃー恥ずかしいです!想像したら興奮してしまいました!でも仕方がないんですよねこれが運命というものですから。それでは早速行きましょう。ふふっ待っていてくださいね今すぐ迎えに行きますから。
「あなたは誰?」
「わたしはあなたよ」
「どこから来たの?」
「ここにいたわ」
「どうして嘘をつくの?」
「あなたのせいよ」
「どこに行けば会えるの?」
「ずっとそばにいるじゃない」
「何をしたいの?」
「何もしないわ」
「じゃあ消えて!」
「あなたがそう望むからよ……」
「またね」
「えぇ、きっと会いましょう……」
それは少女の姿を借りて現れる。
鏡の中の自分に話しかけるように、 いつも独り言のように語るのだ。
「ねぇ、わたしはあなたよ」
彼女は自分のことをよく知っている。
だから自分自身について語り続ける。
それはまるで、鏡の向こう側に広がる世界を覗き見ているかのように。
鏡の中に住むもう一人の自分を想像するように。
あるいは、空想の中でしか存在しない友人を相手にして遊ぶように。
夢見ることを忘れてしまった大人たちが、夜中にこっそり集まって秘密の話をするみたいに。
それがいつ頃から始まったのか、誰も覚えていない。
しかしそれは確実に人々の心に根付いていた。
そして今宵もまた、その囁きを聞くために集まる者達がいる。
―――
「お集まりのみなさーん!今夜もやってまいりました!さぁ今宵も皆さんの悩みを聞いていきましょう!」
ここは夢見る人の館と呼ばれる施設。ここでは様々な事情を抱えた人間たちが日々カウンセリングを受けに来る。
「今日のゲストはこの方です!」
「よろしくお願いします。」
そう言って出てきた男は20代前半ぐらいだろうか。髪色は黒だがその肌の色は真っ白だった。
「それでは自己紹介からしていただきたいと思います。まず貴方のお名前を教えてください。」
「はい。僕の名前は佐藤裕太といいます。この度はご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした」
「えーっと……、うん! これで一件落着ね!」
「あの、姉さん?」
「それじゃあ裕ちゃん。お家に帰ろっか♪」
「いやだから話を聞こうよ!? 僕は誘拐されていたんだよ!?」
「そういえばそうだったわね〜」
「忘れないでくださいよ……。それにしても本当に良かったんですか? 僕なんかのためにお金を使ってもらって」
「気にしないで良いのよ〜。だって私はあなたの『お姉ちゃん』なのだからねっ♡」
「ありがとうございます、美海姉さん」
「うふふ、どういたしまして〜」
(本当は私の貯金を切り崩したんだけどね)
「そうだ。今日は父さんの帰りが遅いらしいので、母さんの代わりに晩ご飯を作りますけど、何かリクエストとかありますか?」
「あらそうなの? ん〜、それじゃあお肉料理がいいかなぁ?」
「うん! お姉ちゃんに任せて!」
「あ、待ってね。今スマホで調べるから……」
「えっとねぇ、『牛丼』とか『ハンバーグ』、『カツカレー』なんかもあるよぉ」
「ふぅん。じゃあこの辺にしとく? 他にも色々ありそうだしぃ♪」
「あっ、見てぇ。これ可愛いよね〜」
「そう? アタシにはちょっと可愛すぎるかもぉ☆」
「うーん。そっかぁ……残念。でも似合いそうなんだけどなぁ」
「ねぇねぇ、コレも良くない? ほらっ、こんな感じでさぁ……」
「おっ、いいじゃんソレ! ちょ~イケてるってぇ★」
「ホント!? よかったぁ。じゃあこれにしようかなっ☆」