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「赤井さんって、神奈川県出身なんですよね。どの辺に住んでたんですか?」
警戒されているのを分かっていながら、悠真は会話を続ける。
なんでもいい。
どんな小さな疑問1つだけでもいい。
なにか、分かれば。
そんな気持ちだった。
冷や汗はさらに悠真の体温を奪い、手が震えるのを必死で隠した。
「、、どうして、神奈川出身って知ってるのかな」
ペンを持つ指に力が入ったのが分かった。
「警察へは、なりたくてこの世界に?」
明るく、逆上させないように、悠真は必死で言葉をかき集める。
「自分、ヴェンガムに雇って貰う前は、そこそこ大きな会社の営業してたんですけど、人間関係って本当に大変ですよね。赤井さんは、本庁と交番、どっちが働いていて好きですか?」
ずっと見せていた人の良さそうな笑顔は、ずっと隠れてしまっている。
目尻がピクピクしているのを悠真は目で捉え、カラカラの口の中を唾液でごくりと飲んだ。
「最近、この辺の治安ってどうですか?この間店で暴れた奴らいましたけど、普段は穏やかな店なんですよー。この間、夕方、この辺通りましたけど、子供達も公園で遊ぶし、主婦も歩いて買い物行けるっていいですよね」
「、、穏やかな町だよね」
目が細められ、口元の片方だけが上がる。
警戒の色を解いたのが肌で感じた。
強く握られていたペンは何事もなかったかのように机の上に転がった。
悠真は背筋を伸ばし、座り直す。
戦いは、始まっている。
赤井は軽く腕を組み、優しい笑顔を向けてきた。
「君は。何を知ってるのかな?」
「詩音」
ぴくっと微かに眉が反応したのを悠真は見逃さない。
真顔で、気迫で負けないように。さらに気合いを入れた。
「大月詩音、知ってますよね」
「、、誰かな」
「少し行った先のアパート。特別巡回ルートになってません?正式には、何て言うのかは知りませんけど。その、アパートに住んでる子です。僕、その子の同僚です」
「ああ。あのアパートね。特に変わったことはないよ。家にいるんじゃないかい?店、休みならどこかにいるのかもしれないし」
「その、メモ用紙。誰が切ってるんですか?赤井さんですか?」
「何が言いたいのかな、さっきから。君は。」
「自分、記憶力かなりいいほうだと思うんです。店に来たあなたが、店に面接に来て、今はこの交番にいる。偶然にしては出来すぎじゃないですか?詩音も違うアパートに引っ越す予定でしたし。、、これも偶然でしょうか? 」
「、、引っ越す予定、、?」
「あ、知りませんでした?というか、僕もついさっき契約書見て知ったんですけど。あなたの履歴書も、そこで。」
「、、履歴書、、」
「年齢は詩音の5つ上みたいですけど、出身一緒ですよね」
「、、、、」
「詩音、無事ですか。連れ去ったの、あんただろ?」
「、、、。ふっ、、。」
肩が小刻みに揺れる。
「何がおかしい」
「君、鋭いねー。分かっててここに?いやいや、、。参ったね。、、君、警官向いてるんじゃない?」
「誤魔化すんじゃねぇよ」
悠真は強く赤井を睨んだ。
温厚な悠真にしては珍しく怒気を滲ませ、全身で訴える。
赤井は静かに立ち上がった。
途端。
交番の扉がガラッと勢いよく開いた。
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コメント
1件
第13話、めっちゃ緊張感やばかった…!悠真くんが必死に言葉を繋いで赤井さんの反応を探るところ、手に汗握ったよ😭 最後の「ふっ、、」からの笑い声で「あ、こいつだ」って確信しちゃったし、扉の開く音で次回どうなるの!?ってなった…! 悠真くんの怒りが滲んだ瞬間もエモかったし、ホント続きが気になりすぎる〜!!🔥✨