ひとまず、夜の学校に侵入することが最優先事項と言うことになった。
この世界の学校は、カードキーで鍵の開け閉めができる。そのカードキーは、校長先生と教頭先生が持っている。だから、カードキーの入手は、非常に困難。
どうやって学校に入ろうか………あ……
「先生…先生が、学校に残れば、私達は窓から出入りできる…。」
「良い案ね。もとの世界に戻るためなら、仕方が無いでしょう。」
「良かった…ありがとうございます。」
「一旦、あなた達は帰りなさい。」
「さよなら。」
家を出るのは安易だった。
学校に向かう。愛美と白玖は、先に着いていた。
「揃ったね。行こう。」
「うん。そうだね。」
窓の近くに先生がいた。開けられた窓から、学校に入る。懐中電灯で、辺りを照らす。
…この学校には、何かがある…どうして…私達は、違う世界に来たのだろうか。見つけたい。
「1階から順に見ていこう。はぐれないでね。」
「分かってる。」
1階は、特に何も無かった。
2階は、様々な教室がある。実験室の人体模型には驚いてしまったけど、何も無かった。
3階は、各学年の教室。何も無かった。
4階は、講義室が多くある。同様に、何も無かった。
5階は、
「あれ?5階なんて、あったっけ?」
「ない…」
「鏡がある。」
「っ!?」
「なん…で?」
白玖が、写って無かった。
反射的に、振り返る。
「なんで!?白玖!」
鏡があると言ったのは、白玖だった。一瞬で消えた?なぜ……
「白玖!どこ!」
「せんせ…あ…」
先生が、笑っていた気がした。
「先生!白玖はどこですか!」
「柚衣さん。さよなら。」
「ま——-」
白玖も、柚衣も、先生も消えた。私は、独りになった。とても、心細い。絶対に、ここに、何かある。鏡以外に、何か、別の物があるはずだ。探せ。探せ。
見つけた…扉だ…。開けてはならない扉って感じだ。私は、意を決して、扉を開けた。
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