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「──パキスタン?」
「うおっ!?……な、なんだよ」
イギリスとの商談が終わって、一体どれほどの時間が過ぎたのだろう。
気付けば長らく物思いに沈んでいたパキスタンは、突然インドに顔をのぞき込まれ、のけぞり返って驚いた。
「なんだよ、とは私の台詞だよ……さっきから君、ずっと窓の外を眺めたっきり、私に返事さえ寄越さないじゃないか」
「……どうも」
不服そうに眉をひそめたインドは、紅茶の入ったティーカップを、パキスタンの手に押しつける。
やや温くなったそれは、パキスタンの冷えた指先を、じんわりと温めていった。
「イギリス殿に会って、何か思うことでもあったのだろうが……」
インドの小言を流して聞きながら、パキスタンは茶を一気に飲み干して、カップを戻す。
モルティーフレーバーと呼ばれる、甘く奥深い香りが鼻腔を掠めた。
そして同時に、ベンガルでインドと共にした、茶摘みの仕事を思い出す。植民地時代の記憶。
「もう過ぎた話だ、今更グズグズ悩むこともなかろう」
インドは、何に対してそう言うのだろうか。
イギリスの植民地政策に対してだろうか。
インドとパキスタンが交わりを絶ったことに対してだろうか。
それとも──パキスタンが犯した、決定的な罪に対してだろうか。
「イギリス殿の言うことは、……気にするな」
苦笑したインドは、あの方はそういう方だから、とまるで独り言のように呟いた。
現在も、彼の方とそれなりに関わりを持っているインドは、この言葉をよく口にする。
諦めに似た、理解と言うべきか。
そして長い睫毛を伏せると、自嘲的に言った。
「それに──どうせいつか、争いなんて、すぐに“過ぎた話”になる」
(嗚呼……そうか)
パキスタンは、インドのことが、嫌いだ。
それはきっと、彼が根底に持つ、無常観が嫌いなのだ。
イギリスの暴挙を、困ったなぁと受け入れてしまうインドが。
分離独立を主張したパキスタンを、悲しげに受け入れてしまうインドが。
パキスタンの罪を、抵抗せずに受け入れてしまうインドが。
赤子はすぐに大きくなるから、育ててやるかと受け入れてしまうインドが。
──争いだってなんだって、すぐに過ぎた話になる、と諦めてしまうインドが、嫌いなのだ。
「……待て、昨夜シたばかりだろう」
「過ぎた話だ」
「全く、仕方のない奴だな」
現にほら、パキスタンにソファに押し倒されても、 インドは抵抗しない。
やれやれと呆れたように唇の端を持ち上げ、パキスタンの首に手を回すと、接吻を受け止める。
互いの間に、銀の糸が掛かって切れると、インドは念押しのように言う。
「分かってると思うが……慣らしてないぞ」
「ああ」
そんなことは、パキスタンは十も承知だ。
いつものような、インドからのお誘いではないこの行為は、ただの衝動なのだから。
「ふ……♡ぁ♡…くッ♡」
「慣らしてない割に柔らかいな。ああそうか、今朝、掻き出したばかりだからか」
「んッ♡そういう、ことは、いわなくていい」
パキスタンが指に唾液をまとわせ、彼の後孔に触れると、その指は自然と飲み込まれていった。
手の甲を口に当て、インドは嬌声を噛み殺す。
「ぉ♡……あ゛ッ♡いき、なりッだな♡」
いとも簡単に前立腺を見つけ出すと、パキスタンは迷わずそこを押し込む。
いつもなら、周りを解してから、弱い所を狙うのが常だったのだが。
「いいから黙って喘いでおけ。俺はごちゃごちゃ喋ってるのより、喘いでるあんたの方がいい」
「ッ、はは♡失礼な奴…ッ♡」
立て続けに使い込まれた後孔は、準備がなかったといえ、すぐに愛液でしとどに濡れる。
開いたままの口から唾液がこぼれ落ち、伏せた睫毛がふるふると、風に揺られた蓮のように震える。
ぐっ♡と前立腺を押し込んでやると、インドは仰け反って悲鳴をあげた。
「あ゛ッ♡♡そこ…ばっか、やめ……ッんぁッ♡」
たらりとソファにシミを作るほど、ぐちゃぐちゃに乱れたインド。
その姿を見おろして、パキスタンはゆるゆると頬をゆるめた。
「随分と善がってるじゃないか。なぁ、誇り高きBRICKSさんよ」
「今それ、関係ないだろ…ぅッ♡」
いつもいつも、口の減らないインドではあるが、こうやって言葉で責めてやるのも効くらしい。
きゅぅ♡と締め付けが一段と強くなり、パキスタンは喉奥でくく、と笑った。
「…ッ♡はぁ…♡んッ♡…ィ、く…ッ♡♡」
僅かに開いた口から、唾液が溢れるのも厭わず、インドは静かに身を震わせる。
伏せた睫毛が影を落とし、頬をかすかに上気させた彼の姿は、厭らしくて美しい。
「く…ぅッ♡♡♡〜〜〜〜ッッッ♡♡♡」
念押しのように、膨らんだしこりを押し込んでやれば、彼は背を弓のようにしならせて、絶頂に善がった。
ゆっくり指を引き抜くと、まるでそれを惜しむかのように、ナカはぎゅっ♡と絡みついてくる。
「は…ッ♡はぁ…ッ♡…ッは♡」
時折、ぴくっ♡と腰を痙攣させながら、余韻に浸るインドの姿。
吐き出された白濁が、彼の艷やかな肌を染め上げている。
「……えろ」
絶対に言うまいと思っていたのに。
綺麗だとか美しいとか、扇情的だとか、それこそえろいだとか。
思っても、絶対に伝えてやるまいと決めていたのに。
パキスタンは思わず、その一言を零していた。
「ッ、はは、珍しいな?君が、そんな事を言うなんて」
「……うるさい」
万一でも、そんな感情を漏らしてしまったら、こうやってからかわれることは明白だったから。
さっきまで手弱女のように善がっていたというのに、インドはもう、弟をからかう兄の顔になっていた。
「もっと言ってくれて構わないぞ〜♡そうしたら、お兄ちゃんは嬉しい♡」
ほら、やっぱり、 隙を見せるとつけ上がる。
だからパキスタンは、どうにかこの余裕綽々なインドを、あっと言わせたくて、こう言った。
「……あぁ。流石は、“神に抱かれた国”だな」
豊かな自然、美しいビーチ、バックウォーター、そして高い教育と医療水準など、さまざまな魅力を持つインドのある地方のことを、人々はこう呼ぶらしい。
パキスタンの言葉に、インドはきょとんと目を瞬いた後、思わずというように噴き出した。
「ふはっ、ケーララのことか?よくご存じで……」
かすかに頬が赤く染まったのは、パキスタンの幻覚だったのだろうか。
しかしやはり、彼は余裕を崩さず、そして笑う。
「でも今は、神じゃなくて、君に抱かれたい」
嗚呼、勝てる気がしない。
懐の広い、この美しい男に、パキスタンは永遠に勝つことが出来ないのだろう。
真っ直ぐな黒い瞳に射抜かれて、パキスタンはうっと言葉に詰まった。
「おいで♡」
「……あー、もう!」
両手を広げてうっとりと微笑むインドに、パキスタンは悪態をつきつつ身を寄せる。
パキスタンの首に、インドの腕が回された。
「んッ♡」
くぷ……♡と亀頭を埋める。
距離が近づいて、必然的にパキスタンの耳元で喘ぐことになったインドの声が、ダイレクトに鼓膜を揺さぶる。
「ふ、ぅ〜ッ♡…は♡……ぁ♡」
ゆっくりと腰を押し進めると、インドのナカのひだが、搾り取ろうと絡みついてくる。
パキスタンは自分に、焦るな急ぐなと念じて、今にも破裂しそうな理性を繋ぎ止めた。
しかし一方のインドは、まるで早く来いと言わんばかりに、ゆらゆらと腰を揺らすのだ。
「ッ♡ぱき、すたんッ…♡んんッ♡♡……ぁッ♡」
嗚呼、勝てる気がしない。
彼の誘惑に、パキスタンは永遠に勝つことが出来ないのだろう。
「あんまり、煽んなよっ……!!」
どちゅんっ♡
「んぁッ♡♡♡」
突然深く穿たれても、インドのナカはパキスタンのものを歓迎し、きゅんきゅんと締め付けてくる。
押しつぶすように抱きすくめると、パキスタンのもので僅かに膨らんだ腹部を圧迫したのか、インドがびくびくっ♡と腰を跳ねさせた。
「あ゛ッ♡ぁ゛…ッ♡はぁ゛ッ♡♡」
「…くッ♡」
襲いかかってきた快楽の波に飲まれて、すぐさま吐精してしまいそうになって、パキスタンはぐっと眉を寄せて耐えた。
美しい鎖骨に唇を寄せて、パキスタンは彼の肌に、強く吸い付いてやる。
あんたは俺のものだ、と言わんばかりに、強く。
「ん゛ッ♡き、ょうは、余裕がないな……?♡」
「それは、あんたもだろ……ッ♡」
先程まで理知的な交渉が行われていたはずの部屋で、二人はまるで獣のように交わった。
鬱血痕を散らす度に、インドはくぐもった、それでいて嬉しそうな悲鳴を上げる。
「ん、ぁあッ♡そこッ…あ゛ッ♡…やめろって…ッ♡」
「嫌がんなよ、イイくせに」
前立腺を狙って打ちつけてやれば、インドは途端に声を震わせる。
上の口では嫌がっているものの、下の口はかなり悦んでいるようだった。
「ふぅ゛ッ♡…ッあ゛♡〜〜〜〜ッッ♡♡♡」
「は……♡」
インドにしがみつかれて、肩に爪を立てられる。
ナカが一段と波打って、パキスタンは微かに喘ぎ声を漏らした。
どうやらインドが達したらしい。
パキスタンの腰に足を回し、ぎゅっと抱きついたまま、彼が声にならない嬌声を上げる。
「……はぁっ♡すまない、よごした…ッ♡」
「ん?あぁ、気にすんな」
密着していたために、インドの白濁がパキスタンの腹にも飛ぶ。
眉を下げるインドに、パキスタンは僅かに唇の端をつりあげる。
「「……」」
しばし、無言で見つめ合った。
やがて、どちらからともなく、唇を寄せる。
角度を変えて、徐々に深く、甘く。
「ん♡ふ…♡…は、♡」
「…はッ…♡」
相変わらず、キスの上手い男だ、とパキスタンは思う。
以前、サクランボのヘタを舌だけで結んで見せてくれたから、やはりインドは、舌が器用なのだろう。
「ん…♡──ふふ、やっぱり良いな」
「何がだ?」
唇を離すと、二人の間に透明な銀の糸が架かって、切れる。
口吻を終えたインドが、どこか含みのある笑みを浮かべるから、パキスタンは首を傾げた。
「こうしている時だけ、君と一つになれる……昔のように」
ブラックダイヤモンドのような瞳が、ゆらゆらと揺れながら、パキスタンを見あげていた。
その瞳に映るは、歓喜か、懐古か、愛情か。
悲嘆が混ざったような、それでいて期待を宿したような。
「……ッ…」
インドの言葉に、パキスタンはぐっと喉を詰まらせた。
一体、どんな顔をすれば良いのだ、どんな言葉を返せば良いのだ。
再統一を夢見るインドに、道を違え一人歩み始めたパキスタンは。
ごちゅんっ♡♡♡
「ぉ!?♡♡あぁ゛ッ♡んあぁあッ♡♡」
結局、パキスタンは何も言えなかった。
ただ無言でインドの細腰を掴み、己の欲望を叩き込むだけ。
ごちゅっ♡♡とお世辞にも綺麗とは言えぬ水音が響き、痛々しい嬌声が飛び出す。
「ッ、無理だ……むりなんだっ……」
「あ゛ッ♡…んぁあ゛ッ♡♡…ぅッ♡」
パキスタンは切なげに眉を寄せ、快楽を逃がそうと浮き上がる、インドの腰を引き寄せる。
こうして、快楽を逸らすことすら許されなくなったインドは、パキスタンに抱きついて震えた。
「俺たちは……もう、むりだっ…」
「ぃッ♡ぁあ゛ぁッ♡♡」
行場を失ったもどかしさを晴らしたくて、インドの首元に噛み跡を残す。
幾つも、幾つも。自分のものだと示すように。
イギリスのものじゃなくて、自分のものだ、と。
「もう……一つになんて、なれやしないっ……!」
信仰は違えど、主義は違えど、何だかんだ上手くやっていた時期。
ずっと続くと思っていた、あの暮らし。
──それらは結局、今となっては、“過ぎたこと”なのだ。
「ん゛ッ♡♡はぁ゛ッ♡ぁ゛〜…ッ♡♡」
一度引き裂かれてしまった関係は、一度煽られてしまった対立は、一度生まれてしまった憎悪は。
二度と、“なかったこと”には出来ないのだ。
例えそれが、“過ぎたこと”になったとしても。
「一つになっちゃ、いけないんだよ……」
統一しましょ、そうしましょ。
そうして、負の歴史が精算されて、結果論だけが語られるようになっては、いけないのだ。
彼らの思いのままにさせては、いけないのだ。
「ふぅ゛♡うぅ゛ッ♡…くぅ〜…ッ♡」
どちゅんっ♡ばちゅん♡と抽送されて、とめどなく流れてくる快楽に必死になるインド。
そんな彼にはもう、パキスタンの言葉は届いていないかもしれないけれど。
「もう、あの頃にはッ……戻れないんだっ…!!」
昂った思いの丈を、パキスタンは全てインドにぶつける。
可哀想に、もうインドは何度達したのだろうか、精液はすっかり薄くなっていた。
「ぉ♡ぁん゛ッ♡♡……ぱき、すた、んっ♡♡♡」
「ッ、あぁ……♡」
もう何回目か分からない絶頂に備えて、インドはパキスタンにしがみついた。
パキスタンも更に、律動を速めていく。
「ま、てッ…お゛ぐッ…♡♡…あ゛ッ♡」
奥歯を噛み締めたパキスタンは、いつもよりも更に奥へ、奥へと腰を押し付ける。
亀頭で狭き門をこじ開けるように穿つと、やがて、その時は訪れた。
「ぉ……?♡♡ん、ぁ…ッ♡??♡」
「く、ッ♡」
ぐぷん♡と、およそ結腸をぶち抜いて、パキスタンは最奥に到達した。
頭にいっぱい?を浮かべたインドは、次の瞬間、あごをそらして、空前絶後の快楽に襲われる。
「あ゛、♡〜〜〜〜ッぁ゛ッ♡♡───ッッ♡♡♡」
間髪入れずに精液を最奥にぶち撒けると、インドは背を大きくしならせて、声にならない啼き声を上げた。
嬌声というよりは、悲鳴に近いもの。
「ぅ゛あッ♡また…ィ゛ッ♡〜〜〜ッッ♡♡♡」
「はッ…♡は…ッ♡」
連続絶頂に身を痙攣させるインドを抱いて、パキスタンは最後の最後まで、まるでマーキングするかのように腰を押し付ける。
静かになった部屋で、二人はくっついたまま、時が経つのを感じていた。
文字通り、精も魂も尽き果てたインドは、ゆるゆると瞼を下ろした。
しばらくして、ずるっとパキスタンのものが、インドのナカから引き抜かれる。
「ん……♡」
こぽり……♡と大量の精液が溢れていくのを、インドは夢うつつで感じていた。
後処理しなくては、と思いつつ、疲れてもう、インドは指一本動かせない。
「──兄貴……」
そんな時、耳元で聞こえたパキスタンの言葉は。
聞こえなかった、ふりをした。
そうして、時は巡る、廻る。
今日という日も、今この瞬間も、やがて足早に去っていく。
時が全て解決してくれる、だなんて嘘だ。
時はただ、出来事を“過ぎたこと”にするだけ。
だからもちろん時は、インドとパキスタンの間にこびりついた因縁を、解決することなどない。
「「……あ」」
時が順繰り巡ったある日、国連本部のある一角、人気の少ない廊下で。
ばったりと鉢合わせしたインドとパキスタンは、立ち止まり、しばらく見つめ合っていた──そして。
「「……」」
ふ、っと。
何事もなかったように、すれ違う。
カツン、カツンと靴音が響く。
しゃらん、しゃらんとインドの首飾りが揺れる。
さっ、さっと衣が擦れる。
すっと互いの瞳が交差して、ふわ、と互いの香りが鼻腔をかすめる。
そうして、二人の距離が最も近づいた、その時。
インドの形の良い唇が、微かに音を発した。
──今夜0時、アタングディパレスで。
二人はそのまま、何事もなかったかのように、それぞれ正反対の方向へと向かう。
カツン、カツン……と靴音の響きだけが残されて、二人の関わりはそこで潰える。
そしてその晩、パキスタンは、インドの別荘の戸を叩くのだ。
擬似的な再統一を渇望して、形だけでも一つになろうとして。
きっとこれからも、二人はぶつかり合い、混じり合うことはない。
“インド”として、“パキスタン”として、二つの別々の国家として、振る舞っていく。
その一方で、こうした爛れた関係が、いつまでも続いていくのだろう。
そして、その度に、二人は想うのだ。
──もう、あの頃には、戻れない、と。
完
超超超マイナー&低需要カプにお付き合いくださり、ありがとうございました。
誘い受けえちえちインドさんが見たい!という欲望のままに、突っ走りましたわ。
今回の題材は、印パ戦争でした。
南インド諸国といえば、インド、パキスタン、バングラデシュ、そしてその他島嶼国が含まれますが。
なんと、インド、パキスタン、バングラデシュの三国は、昔は一つの国だったそうで。
えろいですわ。(迫真)
とってもえろいですわ。(二回目)
そもそも長らく、マウリヤ朝もグプタ朝も、とかくあらゆるインド王朝は、インド全域を支配することがありませんでした。
宗教も多様です。仏教の発祥の地でありながら後に衰退し(現在は日本や中国から逆輸入←?)、シク教というなかなかユニークな宗教や、シャイナ教、イスラーム教、そして大多数を占めるヒンドゥー教がモザイク状に分布していましたし、現在もそうですわよね。
ようやく良い感じに纏める事が出来たインド最後の王朝ムガル帝国(ムスリム国家)も、アウラングゼーブ王のやらかしによって地方分権状態に陥ります。
あっちこっちで、俺が王だ!と叫ぶ輩が乱立する混乱状態。
その時現れたのが、イギリスでした。
1623年のアンボイナ事件(オランダがモルッカ諸島のイギリス東インド会社を皆殺しにした事件)を機に、イギリスはインド植民地を広げていきます。
イギリスはやたらとカスと言われてますけど、オランダもなかなかのカスっぷりですわ。(オランダ推しの方、ごめんあそばせ)
そうしてイギリスは、次々とスター状態で突っ走っていきます。
カーナティック戦争やプラッシーの戦いで、まず邪魔なフランスを駆逐します。
しかし、当初イギリスは、対インド貿易の赤字に苦しみました。
インドのデカン高原は、レグールという綿花栽培に適した土地でして、昔からキャラコという絹織物が特産品として輸出されていました。
古くから絹織物産業が盛んだったイギリスにも持ち込まれたキャラコは、イギリスで大バズリします。
昔は絨毯に使ってたキャラコを、みんな今は下着にしてらぁ……と不満を垂れる文献も残っています。
そこでイギリスさん、考えました。
うちで作ればよくね?と。
こうして、産業革命を経たイギリスさん、今度は安い綿布をインドに大量に送り込みます。
困ったのはインドの職人さん。関税なんてものはなく、あっという間に伝統工業が潰されます。
悪化する対英感情、そして重なる飢饉。
極めつけは『シパーヒー(インド傭兵)が使う銃弾に、牛と豚の脂が使われていた件』。
ムスリムとヒンドゥー教徒、両者の地雷を踏み抜いたイギリスさん。
長らく続いたシパーヒーの乱に苦しめられ、やがてこのような植民地人の団結を恐れるようになります。
これを背景に、イギリス特有の分割統治という手法が生まれました。
その土地の少数派、この場合はイスラーム教徒を優遇し内部抗争をさせて、イギリスへのヘイトを逸らすという方法です。
こうして、今のパレスチナ問題が発生したとも言えるでしょう。
ちょっと面白いのが、 全インド・ムスリム連盟とインド国民会議派、どちらも元は親英なのに、後に必ず反英になるという……
こういったイギリスの分割統治が、伝統的秩序を破壊し、現在の問題を生み出したことは忘れてはならないなと思う所存ですわね。
ティラクやネルー、ガンディーらによって、第一次世界大戦後に進んだインドの独立ですが。
一度仲違いしたヒンドゥーとムスリムは、同一国家として上手くいかず。
1947年8月に、パキスタンが分離独立します。
この時、なんとパキスタンは飛び地国家でした。
今のパキスタンこと西パキスタン、今のバングラデシュこと東パキスタンです。
いやっ、離れすぎぃ……!
また、独立しましためでたしめでたしではなく。
藩王はヒンドゥー教徒なのに、住民の多数はムスリムという地域、カシミール地方の帰属を巡って、両者は争います。
この争い、かなり酷いですわ。とてもここには書けないくらいですのよ……
第一回第二回印パ戦争は、国連軍の仲介があり、カシミールは現在の停戦ラインで一触即発状態に陥りました。
そしてなぜか、カンアルチンを中国が取ってます。あらま。なんでですの?(困惑)
そして、第三回印パ戦争。
東西パキスタンがあまりにも離れており、政治の中心がどうしても西に偏ること、同じムスリムとは言え民族が違うこと、によりバングラデシュが独立運動をします。
その時に!パキスタンが嫌いなインドが!バングラデシュを支援するんですわよ!
そして無事独り立ち。
インドはママです。ええ。インドママですわ。
インドはえっち。
これ、試験に出しますわ。
例えば、インドの古代民族アーリヤ人は、宗教的書物として『ヴェーダ』を書き上げました。
その最古のものが『リグ・ヴェーダ』です。
このリグ・ヴェーダに!世界最古のキスの指南が書かれているんですわよ!
またこのリグ・ヴェーダ、キスだけではなく、セックスについての記述もありますのよ。
めちゃくちゃハードSMプレイが推奨されているんです。恐るべしインド。
そして、『神に抱かれた国』の名称。
本文にあった通り、インドのケーララ州を指す言葉です。
神に!抱かれた国!えっち!
これを知った瞬間、服をはだけて両手を広げて、『おいで?♡』って言うインドさんしか浮かばなかったのですわっ……!
最近、印パ関係は不安定なものとなっておりますわね……非常に遺憾ですわ。
情勢が悪化した時は、念の為もしかすると非公開にするかもしれません。 ご承知おき下さいませ。
お付き合いくださり、ありがとうございました!
それではまた、ごきげんよう♡
コメント
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「眉を下げるインドに、パキスタンは僅かに唇の端を吊り上げる。」 ↑ここ!ここ好きすぎる…!!!! 『下げる』と『上げる』の対比を、顔の一部で表現するのが素晴らしい! 互いの心情も読み取れる、名場面でした。
そして行為パートなんですが、あのシーンで「空前絶後」という言葉が出てくるのホント…ホンットに、なんなんですか?! 貴方というものは毎回、「○○が何々してどうなった」という事実で文章を書くのでなく、 その美しさ、激しさの度合、そして比喩が抜群に上手い! 『下品』に『上品』を塗りたくったみたいな表現が大好きです。
「嗚呼、勝てる気がしない。」これはやっぱり、余裕のある態度やパキスタンくんを許している素振りに対するものでしょうか? インド兄貴は寛大なので、そういうところにやっぱり、「器の差」を感じてすれ違っているのかな…と思いますね。 それはそうと、インドさん受け、パキスタンくん攻めにしたじゃんぬ様、冴えていらっしゃいますね?????余裕のない攻めが寛大な受けの誘いに不服ながらも乗ってしまう。 その"うぇろさ"を心得ていらっしゃる。