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24 - 第24話 三木と結城

2025年01月23日

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◻︎三木と結城




バスの席は決められてなかったので、流れで三木の隣に座った。


「では、これから桐山自然公園へ向かいます。1時間ほどですので、それまで順番に簡単な自己紹介をしていきたいと思います。マイクを回しますので、その場でお名前とそれから話せる範囲で自己紹介をお願いします」


ガイドさんが立つ位置で、係員の女性が説明を始めた。


「すいませーん、年齢とか職業も言うんですか?」


「いいえ、言っても言わなくてもいいですよ。お名前も、呼ばれたいニックネームなどがあればそれでもいいです。身元確認は、事務局で済ませてますので。試しに私からいきますか。

私は永友彩です。年齢は30にもう少し。アヤと呼んでください。今日は係員ですが、いい方がいらっしゃいましたらガッツリいかせてもらいます」


「あはは、それって職権濫用じゃん!アヤさん」


笑いが起こった。なごやかな雰囲気になって、それぞれが簡単に自己紹介をしていった。でも、着席したままなので顔も何も見えないのだけど。


マイクがまわってきた、私の番だ。


「森下茜です。来てみてちょっと、失敗したなと思っちゃいました。みなさんとてもお若いので。でも、よろしくお願いします」


ぱちぱちとまばらな拍手。隣の三木へとマイクをまわす。


「はい、えーと、僕はもしかするとここで一番年上かな?三木優みつきゆたかといいます。よろしくお願いします」


ぱちぱちぱち…。

だんだんとマイクが後ろへと回っていった。


「えーっと、俺は結城宏哉です。今日は絶対プロポーズをするつもりで来ました。頑張ります!」


おおぉっ!というどよめきと、大きな拍手が湧いた。


_____結城って、結城君?!


私は思わず声のする方を見た。頭ひとつ出ているその男性は確かに結城だった。目が合った瞬間、ウィンクしてきた。


私はスマホで、結城にメッセージを送った。


“なんで結城君が参加してるの?”

“結婚したいからです”

“まだ焦らなくていいと思うけど?”

“だって焦りますよ”

“ふーん、でも、知り合いだと思われるとお互いに邪魔をしてしまうから、他人のフリしててね”


そこで、スマホをしまった。


_____そっか。結城君も結婚したかったんだ



「あっ!」


小さな声を上げた三木の手から、ペットボトルが落ちた。とっさに私が足で止めたけど、もろに飲み口を蹴ってしまった。


「あちゃ、もうこれ、飲めませんね」


「そんな、もったいない。ちゃんと洗って飲みますよ」


その後も、三木はおしぼりを落としたり、歩きながら靴が脱げたりした。その度に近くにいた若い子は、あからさまに眉をひそめていたけど、私にはなんだかほっとけなくてずっと一緒に行動した。









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