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瀬名 紫陽花
鬼宮です‼️🫧🪄
コメント
1件
うわ、第2話もう読んじゃったよ……! 紫陽花ちゃんの成長がじわじわ来るなあ。チョーカー触る仕草だけで「玲奈が背中押してくれてる」感じが伝わってきて、なんかじんわりしたわ。自分でも知らなかった表情が出てくる瞬間、すごく好き。次の撮影シーンも楽しみにしてる🔥
初撮影から数週間後。紫陽花は少しずつ仕事を増やしていた。
とはいえ、まだ新人だ。
大勢のスタッフがいる現場は苦手だった。
スタイリスト。
ヘアメイク。
編集者。
ディレクター。
たくさんの人の視線が集まるだけで胸が苦しくなる。
「緊張してる?」
今日の担当カメラマンが笑いながら聞いた。
「してません」
反射的に答える。
「嘘だね」
どこか玲奈に似た返しだった。
紫陽花は思わず苦笑する。
撮影が始まる。
案の定うまくいかなかった。
肩に力が入る。
表情も固い。
視線も泳ぐ。
スタッフたちが困ったような顔をしているのが分かる。
その時だった。
無意識に首元へ手が伸びる。
黒いチョーカー。
玲奈にもらったもの。
指先で触れる。
ひんやりとした感触。
不思議と呼吸が整っていく。
大丈夫。
失敗してもいい。
私がちゃんと撮るから。
あの日の言葉が蘇る。
紫陽花は小さく息を吐いた。
そして顔を上げる。
カシャ。
シャッターが鳴る。
カシャ。
もう一度。
「今の!」
担当カメラマンが声を上げた。
「その顔!」
紫陽花は驚く。
何かした覚えはない。
ただ少しだけ落ち着いただけだ。
撮影が終わり、モニターを見せられる。
そこに映っていたのは知らない自分だった。
柔らかな表情。
自然な視線。
どこか自信を持ったような姿。
「え……」
思わず声が漏れる。
「いい顔してたよ」
担当カメラマンが笑う。
「この瞬間、一気に変わった」
紫陽花は画面から目が離せなかった。
綺麗だった。
自分で言うのはおかしい。
けれど、本当にそう思った。
「これが……私?」
初めて玲奈に写真を見せられた日のことを思い出す。
あの日と同じ気持ちだった。
知らなかった。
こんな顔ができるなんて。
こんな自分がいるなんて。
担当カメラマンは首を傾げる。
「何かお守りでも持ってる?」
紫陽花は無意識にチョーカーへ触れた。
「……かもしれません」
そう答えながら。
胸の奥で玲奈の笑顔を思い出していた。