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まってすきすぎます🥹💖 すごく書き方が綺麗でまなとくんの優しさで苦しくなってるのも解釈一致だしほんとみていてすごく心臓ぎゅってなりました🥲また続き書いて欲しいです💖💖
マナトの「おはよう」は、いつも少しだけ優しかった。
声のトーンも、視線の高さも、他の誰に向けるものと変わらないはずなのに、なぜか胸に残る。
「昨日、ちゃんと寝れた?」
それだけの言葉に、意味を探してしまう自分がいる。
期待してはいけないと分かっているのに、
気づけば隣を歩くのが当たり前になっていた。
マナトは距離の取り方が上手だった。
近づきすぎず、離れすぎず、
必要なときには必ず手を差し伸べる。
その優しさが、誰にでも向けられているものだと知っていても、
自分だけは例外であってほしいと思ってしまう。
『今日さ、放課後時間ある?』
問いかける声が少しだけ震えた。
告白でも、約束でもない。
ただ一緒にいられる理由が欲しかった。
「ごめん、今日は先約いる。急ぎだった? 」
約束を断るのにもこんなに申し訳なさそうにされると、こっちも嫌になる。
『大丈夫。また今度で』
私はぶっきらぼうに短くそう言って、逃げるようにその場を後にした。
家に帰って、今日は何も考えたくないな…
なんて考えてるとスマホが光って振動が伝わった。
「今日、断ってごめん。明日なら空いてるよ」
いちばん今考えたくもない人から連絡が来ていた。 私は既読だけつけて、スマホを閉じた。
まなとside
朝、彼女の顔を見ると少し安心する。
それがどういう感情なのか、ちゃんと考えたことはなかった。
「おはよう」
声をかけると、彼女は少し遅れて笑う。
その間が嫌いじゃない。
でも、それ以上踏み込む理由も見つからなかった。
無理してないか、ちゃんと寝てるか。
聞く内容はいつも同じ。
誰にでも聞くようなことなのに、
彼女にだけは返事を待ってしまう自分がいる。
距離の取り方には気をつけている。
近づきすぎれば、期待させてしまう。
離れすぎれば、傷つけるかもしれない。
その中間が、一番安全だと思っていた。
放課後、声をかけられたとき、
少しだけ胸がざわついた。
『今日さ、放課後時間ある?』
一瞬、理由を聞こうとしてやめた。
聞いてしまったら、
何かを決めなきゃいけなくなる気がしたから。
「ごめん、今日は先約いる。急ぎだった?」
嘘じゃない。
ただ、今じゃなかっただけ。
そう思っていた。
彼女の表情が一瞬だけ曇ったのを見て、
気のせいだと自分に言い聞かせる。
自分は何も約束していない。
特別な言葉も、与えていない。
家に帰ってもまだあの時の彼女の顔が頭から離れない。
なにか相談に乗ってほしかったのか…
それともただ世間話をしたかっただけなのか…
考えれば考えるほど分からなくなる。
特に〇〇に関しては___。
夜、お風呂上がりに何となく〇〇に連絡した。
「今日、断ってごめん。明日なら空いてるよ」
すぐに既読がついた。 トーク画面を開いたまま、いくら待っても返信は来ない。
何かあったのか、それともただ返信を忘れているだけなのか。
どうしてこんなに胸がざわつくのだろう。
“幼なじみだから” という肩書きだけでは片付けられないような気持ちになる。
俺はいてもたっても居られず、濡れたままの髪で外へ走りだした。
〇〇side
ピンポーンというチャイムの音で目が覚めた。
眠い目をこすりながら、部屋のドアに手をかけた時。
いきなりドアが空いた。
『びっくりした…』
そんな言葉を発して目の前を見ると、明らか
お風呂上がりで急いできました。と言わんばかりのまなとが目の前に居た。
私は思わず
『え、どうしたの?』
そう声をかけた。
「いや、いくら待っても返信こないし、既読ついてるのにどうしたんだろうと思って…」
それだけの事で急いで家に向かってきてくれる人なんているのだろうか。
「心配で、なんかあったのかと思ったから、」
惑わされちゃダメ、この人は誰にでもそう。
私にだけ特別な訳じゃない。困っている人がいたらすぐ手を差し伸べて助けてあげる。
それがまなとって私はいやでも思い知ってきた。
『ごめん。寝落ちしちゃってて…』
なんて気まづそうに私が呟くと
「なんだ、良かった。」
さっきまでの表情とは裏腹にパッと顔が明るくなっていつもの優しい笑顔を向けてくれた。
この優しさも笑顔も、全部私の為に向けてくれればいいのに__。