『貴方ノ為ならどんな罪モ犯ス』
〜桃の花は赤く散る〜
プロローグ
シノノメ・ユーハン…彼はデビルズパレス別邸1階の執事だ。彼は忠誠を誓った相手には献身的にお仕えする。そう。主である私に。だが
それは異常な忠誠心だった。私に危害を加える者に対しての異常な執着…。消して許さないという強い信念…。それに対して私は少し恐怖を覚えるのだった。
『あの、ユーハン…。』
『はい。主様。』
『ユーハンが私のためにしてくれてるのは嬉しいけど…少し、やりすぎじゃないかな。』
『……。』
『っ…。』
ユーハンは黙って私を見つめたまま。
『っ、ユーハンの気持ちは嬉しいけど、立場上やり過ぎたらダメって言いたいんだ。私は。相手は貴族だし…後からどんな仕打ちが――。 』
『…かしこまりました。主様がそう言うなら…。』
『ありがとう、ユーハン。』
彼は納得してくれた。と、思っていた――。
ポタッポタッ……。
『どう、して…っ?どうしてこんな酷いことができるの…っ!? 』
『主様を傷つける人は…誰であろうと許しません。それが貴族でも、誰であっても。報いは受けさせます。』
彼の狂った忠誠心は異常だ。
『私は貴方を敬愛しているのです。他の誰にもこの気持ちは負けません。ずっと、私だけの主様でいてくださいね。』
『…。』
私が彼を正気に戻してあげなきゃ。
主として正しい道へ私が彼を導くんだ。
この主従関係は続くのか――それとも、終止符を打たれてしまうのか――。
『私はずっと貴方の為に…。どんなことも犯してきた。それなのに…。どうして分かってくれないのですか?どうして…。』
『そうですね…私を分かってくれない貴方なんてもう――〇〇してしまいましょうね。』
美しく咲く桃の花は散るのか否か。
5月22日 本編更新✨
コメント
8件
待ってやばい‼️新作品!!!めっちゃ楽しみです!!!!
面白そうですね!楽しみです😆