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⚠︎注意⚠︎
・威英( ウェル英 )
・1話のスコ英と微繋がり有
・体調不良ネタ
・微不眠ネタ
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朝、何時もの様に朝食をとろうとしていた時、弟であるイングランドがまだ起きていない事に気が付いた。珍しい事もある、と俺は首を傾げた。イングランドは生真面目で、毎朝決まった時間に起きている。それこそ、兄弟の中では一番辺りには起きているのに、俺やのんくんよりも遅いなんて事、そうそうない。
そう考えると、もしかして。と思って、降りてきた階段をまた駆け上がって、一番奥にあるイングランドの部屋に向かった。
部屋の前に着いて軽くノックをしてみたけど、なんの反応も返って来なかったから「開けるよ」とだけ言って銀色のドアノブを下げた。
「うぇ…るず…?」
「大丈夫いーくん?顔色悪いよ」
部屋に入ると、イングランドはお気に入りのテディを抱き抱えながらうずくまっていた。その顔色は悪くて、見るからに体調が悪そうだった。
体調不良の原因は何時もの様に仕事のし過ぎだろう。勿論、俺達も真面目に仕事はやっているし、サボったりはしない。ただ、その中でイングランドが群を抜いたワーカホリックというだけだ。提出期限に全然余裕がある書類だって明日が提出期限とでも言わんばかりの速度と形相で片付ける。
それをずっと繰り返しているんだ、徹夜だってザラだし、帰ってくるのがほぼ朝の時もある。体調を崩すのも当たり前だ。なのに、この弟は回復すれば懲りずまた仕事に専念する。
「食欲ある?お粥でも作ってこようか?」
心配の眼差しを向けながら質問すると、イングランドは小さく首を横に振った。食用は無いらしい。
しかし困った、薬を飲むにも何でもいいから喉に食を通す必要はある。でも今の状態で食べさせても、直ぐに吐き戻してしまうだけだ。
仕方がない、食事も取れない薬も飲めないとなると、寝かせる事しか出来ない。
「調子よくなるまで寝てなよ、お兄ちゃんが傍に居てあげる」
熱のせいで普段よりも暑くなった手を包み込むようにして握りながら言うと、イングランドは安心したと同時に、何処か不安な目をした。その目で俺はああ…と、忘れ物に気が付いた。
一度イングランドの手を離して立ち上がると、着ている服をパタパタとさせなた。当たり前ながら、何も無いって居ない服からは、生地の音しかしなかった。
「何も持ってないから、大丈夫だよ」
「…ごめん、めんどくさくて」
「いーくんは悪くないよ、謝らないで」
服の皺を直しながらそう言うと、イングランドは申し訳なさそうに目を細めた。
イングランドは何度も寝ている間に命を狙われてきた。だから、こうして誰かが横にいながら寝る時は、暗殺に使えそうなものが無いと頭で理解してからでないと眠れない。
それはイングランドが悪い事でも何でもない。その暗殺を企てた奴が悪いのに、イングランドは何時も自分を責める。体調不良で心身共に弱っている今なら、尚更。
その事を否定しながら頭を撫でれば、イングランドは今度こそ安心したように目を瞑り、眠りに落ちた。
目が覚めた時には、心身共に回復していることを願いたい―――
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コメント
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アーサー辛そうなのにオメガバースだと思ってしまった自分を殴りたい…
アーサーの行動、体調、言動からアーサーがどれだけ頑張ってるのかとか色々耐えてきたのかが分かるのが大好きです…!!