それからしばらくして、ある桃色の球体が私へ勝負を挑んできた。
確信は無かった。
でも、私の中で結論付けられたのは
あの桃玉が私の仲間を倒した。
『………返してよ………
私の仲間を、トモダチを、全部…返してよ!!!!』
自分でも驚いた。
この星に生まれついてから一度も叫んだことなどなかった。
物心ついたときから、同胞のことを「トモダチ」など声にしたことがなかった。
「…ぽよっ、」
桃玉が驚いたような、動揺したような声を出した。
知らない。
かえして。
かえしてよ。
疲れ果てても戦った。
到底、トモダチを倒した奴を許すことなどできなかった。
…でも、渾身の一撃も耐えられた。
もう、今の私にできることはなかった。
『……なんで、どうしてっ、』
『どうしてこうも、うまくいかないの……?』
『………ひとりに、しないでよ…。 』
そう呟いた独り言も、全て闇にかき消された。
桃玉が剣を構えた。
……どうせ私は、
『………悪役、なのか…。』
桃玉が剣を振り下ろした。
…結局、私はヒーローにはなれない。
………ただ、1つだけ心残りがあるなら、
………願いが叶うなら、
また、会いたい。
だから、…………………
強すぎるほどの衝撃が私を襲った。
いたい。
光の粒子が視界に映った。
結局、私達は光に焦がれたところで焼かれて粒子になって終わり。
次こそは
幸せになれたらいいな。
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