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彼らがまず向かったのはハッピーランドの中央センターから随分離れたシースターというところにやってきた。そこは行方不明者の目撃情報や事件が絶えず多く、ハッピーランド内で一番治安が悪いと言われている。そのため自然にそこに住んでいた人はいなくなった。
「は〜シャッター街ですね」
「はい。もう数年はここに移住してくる人もいませんし何よりギャングの居所になっていますから」
街のそこら中、シャッターばかりでやっている店は一つもなかった。
「あ、ここってコスモ警察署ありましたよね?そこに行けば行方不明の情報とかわかるんじゃないですか?」
そうここにはハッピーランドで3つしかないコスモ警察の署がある。
「駄目です。ここの署はすでに廃墟と化しました。ギャングに飲み込まれたのでしょう」
「くっそだめか〜」
それからシースターを歩いたものの有力な手がかりは一つも見つからなかった。そして彼らは次に中央センターに行き行方不明者や過去二年間に起きた殺人事件等を調べてもらった。しかしそこでも有力な手がかりはなかった。
「ん〜どうしますか?」そういい若井は自販機で買った缶コーヒーをベンチに座っている啓次郎に渡した。
プシュと缶コーヒーの蓋を開け、啓次郎はコーヒーを一口飲んだ。
「あとありますかね〜?いそうなところとか」
「ん〜どうでしょうか」
そう言うと若井も一口買った缶コーヒーを飲んだ。
「…あ!新聞社に行って、過去の事件の記事とか探してみますか?」
「名案です!行きましょう!」
啓次郎は若井の言った一言に賛同し、新聞社へ向かった。
新聞社はそこまで大きくはなく建物についている看板にはCOSUMO新聞と書かれていた。
中へ入り階段を登る。若井が上司に許可を取り、過去の記事が保管されている部屋に向かった。そこには「物置」と書かれていた。
その部屋に入るとそこにはところ狭しと段ボールや箱、棚には多くのファイルが置かれていた。
「20XX年からのファイルを見ていきましょう」と若井が啓次郎に言った。
「はい」
若井と啓次郎はそれぞれ違うファイルを次々と見ていった。黙々と作業をしていると遂に先月のファイル一つになった。啓次郎がそのファイルを手に取り、開いた。そこにかかれていたのはとある事件の詳細だった。
「光事件解決へ!?
20XX年◯月✕日、前トップ・久堂玲華氏が行方不明となった。しかし、同日午前に久堂氏と思われる女性がハッピーランド市街を歩いているのが確認された。その日から目撃情報は絶えず、一つの写真が話題になった。その写真の奥に久堂氏と思われる人物とその隣に一人の少女の姿が見えます。撮影者によるとこの写真は現実世界で撮られたものと思われています。専門家はこの写真について―――」
この記事を見た啓次郎達は唖然としていた。
「まさか、現実世界にいるなんてことはないですよね…?」
「可能性としては…あり得ます。体はありますから」
「まじか〜…」
そう啓次郎は嘆く。
「とりえあえず、現実世界へ行ってみませんか?この記事があった以上現実世界にいるという可能性があります」
「まあそうですが、どうやって現実世界へ?」
「時の珠という宝玉です。それは過去にエントに狙われましたが現在は取り返してレインボーシティにて厳重に保管されています。それに触れたものは現実世界へ戻ることが可能です。ですが、ハッピーランドへは帰ってこれません」
「じゃあ俺がもし向こうへ行った場合、この事件の結末は…」
「分かりません。なのでお別れです」
「ふう……わかりました。じゃあ行きましょう。レインボーシティへ」