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注意政治的意図無し
カンヒュBL
ロシアメ
ロシアは手際良く布を巻き終わると、ゆっくりと手を離した。
「応急処置だ。……長くは持たん」
「……十分だろ」
かすれた声で吐き捨てる。
一瞬の沈黙。
ロシアは立ち上がると、周囲に視線を巡らせた。
崩れた建物、焼け焦げた地面、微かに香る煙の匂い。
「ここは駄目だ」
「は?」
「人が来る」
短い言葉。
それだけで十分だった。
アメリカは舌打ちする。
「……チッ、どこ行く気だよ」
「移動するぞ」
ロシアはアメリカに視線を戻す。
「…動けるか」
「見てわかんないのか?動けるわけねぇだろ」
「……そうか」
ロシアはそう言いアメリカの腕を掴んだ。
「っ…!!」
アメリカは顔を顰める。
「我慢しろ」
「早く歩かないと見つかるぞ、立て」
アメリカの腕をぐいっと引っ張る。
「わーったわーった、立つっつってんだろ」
ゆっくりとアメリカは立つ。
ロシアは前を向き、歩き出す。
「…どこいくんだよ?」
アメリカは、少し不安げに聞いた。
「森、行くぞ」
「…っは、森…!?」
「なんでだよ…??」
「人が来ない」
視界の先に、鬱蒼とした緑が広がっていた。
木々が風に揺れる。
──森だ。
「……入るぞ」
「…あ、あぁ、わかった」
アメリカは不安げに返事する。
「ここだ」
そこには入口など無いように見えた。
ロシアは少し屈み、蔦と葉っぱをかき分ける。
——そこに、隠された小さな家があった。
「…来い」
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