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#高校生
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第36話 「全国の壁」
センバツ高校野球 二回戦。
柳城高校 ― 北海大附属。
初戦突破から5日目
柳城は再び甲子園の土を踏んだ。
相手は北海道王者。
堅い守備と強力投手陣を誇る全国屈指の実力校だった。
試合前。
福間監督は選手たちへ言う。
「一勝したから満足するな」
全員が頷く。
目指すのは一勝ではない。
もっと先だ。
プレイボール。
初回。
柳城打線は相手エースに苦しむ。
速球。
変化球。
制球。
どれも一級品だった。
三者凡退。
ベンチに戻る選手たち。
「さすが全国やな……」
誰かが呟く。
その裏。
北海大附属も柳城投手陣を攻める。
ヒット。
送りバント。
一死二塁。
三番打者。
鋭いライナー。
センター前。
先制。
0―1。
だが柳城は崩れない。
四回。
二死から連打。
一、三塁。
打席は四番。
フルスイング。
打球は三遊間へ。
ショートが飛びつく。
届かない。
同点タイムリー。
1―1。
柳城応援席が大きく沸く。
試合は中盤へ。
互いに譲らない。
守る。
走る。
粘る。
全国レベル同士の戦いだった。
七回。
試合が動く。
北海大附属。
一死二塁。
打席は主将。
初球を振り抜く。
高々と上がる打球。
レフト方向。
そのままスタンドへ。
ツーランホームラン。
1―3。
甲子園がどよめく。
柳城ベンチが静まる。
しかし。
八回。
柳城反撃。
二死満塁。
一打同点。
アルプススタンド総立ち。
打席は六番。
初球。
振り抜く。
快音。
センターへ一直線。
抜ける――。
そう思った瞬間。
相手中堅手が横っ飛び。
捕球。
超美技。
三アウト。
柳城最大の好機が消える。
九回。
最後の攻撃。
先頭打者出塁。
希望は残る。
しかし後続が続かない。
二死。
最後の打者。
高めの直球。
空振り。
三振。
ゲームセット。
柳城高校 1―3 北海大附属。
敗戦。
甲子園の挑戦は終わった。
整列。
選手たちは涙をこらえながら頭を下げる。
負けた。
だが。
全国で通用することも分かった。
福間監督はロッカールームで言う。
「悔しいか」
全員が頷く。
「その悔しさ忘れるな」
静かな声だった。
「次は夏や」
選手たちが顔を上げる。
甲子園は終わった。
しかし柳城高校の挑戦は終わらない。
その頃。
福岡県柳川市。
中学三年生の双子。
小早川塁と小早川史陽は、テレビで先輩たちの試合を見ていた。
試合終了の瞬間。
塁が呟く。
「俺たちが、続きやるぞ」
史陽は静かに頷いた。
そして春。
柳城高校へ、新しい風が吹こうとしていた。
第36話 終