コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
ついに、夏のインターハイの決勝戦、桐龍高校との試合が始まった。
貴也はなんと、ベンチメンバーに入ることができず、スタンドから応援することになった。
貴也は悔しすぎて、インターハイ本番では絶対に1軍へのメンバー入りを誓った。
試合は、なんとあっさりと3-1で負けてしまう結果となってしまった。
もちろん、桐龍高校は強かったものの、それ以上に育栄のメンバーがどこか気持ちが入っておらず、そのままズルズルと試合の時間が流れてしまったような試合展開だった。
試合後、総監督の田中の怒号が飛びにとんだ。普段、温厚な田中は、怒鳴るほど怒ることは滅多になく、3年生でも珍しく感じるほどだった。
田中「お前ら、どうしてこんなふざけた試合をしたんだ?こんなんじゃ、プリンスリーグや冬の選手権でも同じような結果になるぞ?本当にお前ら、やる気あるのか?今日は試合の内容以前に、戦う気持ちが全く感じられなかった。甘えるのもいいかんげんにしろよな。」
貴也は怒られていたが、自分が出場できなかったことと、総監督と同じように出場していたメンバーに戦う気持ちがなさそうに見えたこともあり、総監督と同じくらい自分に怒っていた。
そして、絶対に冬の選手権には1軍メンバー入りして、出場することを誓った。
そして、時が立ち、ついに冬の選手権に向けた県予選が始まることとなった。
選手権の予選は、最初は2軍メンバーにも出場チャンスが回ってくるため、貴也も気合が入っていた。
1回戦、なんと貴也と森田はスタメンで出場できることとなった。
ポジションは、センターフォワードではなく、左サイドのウィングフォワードとしての出場となった。
試合はキックオフとなり、育榮高校がポジションのほとんどを試合していた。
開始10分後、森田がボールを持った瞬間、貴也は裏に抜け出す動きを始め、森田もその動きを見逃さず、よく練習していたロングフィードを貴也に送った。
貴也もこれも練習通りに、一瞬で相手ディフェンダーを置き去りにして、キーパーとの1対1となり、落ち着いて流し込んで1ゴールを奪ってみせた。
貴也にとっては、初めての公式戦でのゴールとなった。
その後も何度かチャンスがあり、2点目も奪うことができ、貴也は後半25分に交代となった。
貴也は自分の初めてのゴールに興奮が抑えきれず、一生忘れられない感覚があった。
そして、試合も勝利した。
その後も、貴也はスタメンや交代でも試合に出場し、4試合で5ゴールを決めていた。
順風満帆と思われていたが、育榮高校にとって大きなアクシデントが発生した。
エースストライカーの赤井がまた怪我をしてしまい、その怪我が膝の半月板損傷で全治6ヶ月の診断をされ、予選はもちろんの頃、冬の選手権の本戦ですら、出場ができなくなってしまった。
その影響もあり、赤井が出場できなくなったことで、貴也の1軍入りが決定した。
森田「貴也君、1軍入り本当におめでとう!高校からサッカー始めたのに、1年生でi育榮高校の1軍に入ることって本当にすごいよ!」
貴也「ありがとう!嬉しいんだけど、赤井先輩が怪我してしまったことが原因だし、赤井先輩の代わりに活躍しないと。」
そこへ、赤井が貴也のもとへ近づいてきた。
赤井「おい、赤城!お前、俺の代わりに選手権へ出場して、ちゃんと活躍しろよ?実質、俺の高校サッカー人生は終わったに等しいけど、ありがたいことに大学の推薦は決まってるから、大学に入る前にしっかりと怪我を治そうかと思う。あと、お前たち後輩に伝えられることは全部伝えていきたいと思っている。」
貴也「ありがとうございます!赤井先輩。先輩、よかったら自分に色々指導してくれませんか?自分はまだまだ素人で、未熟なことばかりです。テクニックやサッカーに対する考え方など改善するところはキリがないです。素人目ながら、特に赤井先輩はポジショニングのところは、すごいなと思いっているので、もし良かったら、ポジショニングについて僕に教えて下さい。」
赤井「わかった!俺に教えられそうなことは教えるよ。」
貴也「ありがとうございます!是非お願いいたします。」
貴也は、赤井からフォワードとしてのポジショニングのイロハの薫陶を受けることになった。