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茜音
734
#sxxn
ふ み ん し ょ ー .
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k
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#すちみこ
「……ただいま」
玄関のドアを閉める。
今日も誰も返事をしない。
なつは靴を揃えて、リビングへ向かった。
みこと「なっちゃん、おかえり」
みことがソファから顔を上げる。
「……ん」
みこと「今日、遅かったね?」
「ちょっと学校」
みこと「そっか」
みことはそれ以上聞かなかった。
そのとき、らんがスマホを見たまま言う。
らん「なつ、悪いけどこさめ見ててくれる?」
「……うん」
らん「助かる。お兄ちゃんだもんな」
その言葉に、なつの手が止まった。
「……そうだね」
笑った。
いつものように。
こさめのところへ行くと、なつは静かに隣へ座った。
「こさめ」
こさめ「……?」
「今日、学校でさ」
言いかけて、やめる。
どうせ言っても意味がない。
兄たちは忙しい。
みことは病弱。
こさめにはこさめの世界がある。
だったら――自分が我慢すればいい。
「……なんでもない」
夜。
兄弟がリビングに集まっていた。
みことが少し具合を悪くしたらしく、らんとすちが心配そうに話している。
らん「今日は早く寝かせたほうがいいな」
すち「うん」
なつは少し離れた場所から、その様子を見ていた。
まただ。
また、みこと。
また、自分じゃない。
胸のあたりがぎゅっと苦しくなる。
「……っ」
思わず胸元を押さえる。
いるまがちらっと見る。
いるま「なつ?」
「……何?」
いるま「いや……なんでもない」
「……そ」
それだけだった。
なつは立ち上がった。
「俺、部屋行く」
いるま「おう」
いるまの返事は短かった。
階段を上がる。
一段。
また一段。
目の奥が熱くなる。
部屋に入った瞬間、なつはドアを閉めた。
「……俺だって」
誰もいない部屋で、小さく呟く。
「俺だって……弟だよ」
声が震える。
「俺だって、構ってほしかった……」
初めて口にした本音は、誰にも届かなかった。
コメント
3件
「第2話」読んだよ〜!!😭💦 なつの「俺だって弟だよ」「構ってほしかった」…ここ、マジで胸がぎゅーってなった…。 みことやらんたちの優しさが、なつには逆に孤独を感じさせるんだね…。 「いつものように笑った」ところがもう、切なすぎるよ…。 kさん、なつの感情を静かに、でも確かに伝える描写がすごく上手で、読んでて自分のことのように苦しくなった。 続きが気になるし、なつが報われてほしいって心から思う…!🌸✨