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〜 side ローレン 〜
見慣れない部屋の中
隣に眠るのはロウ
俺達は『にじサントス』と言う街へ赴任が決まり、新しいマンションを借り、数日が経った
新しいマンションは警察署近くで、少し高かったがロウと一緒に暮らし始めたので気には留めてない
俺はこの街に何ヶ月か勤務していた事があり、土地勘がある
ロウもほんの少しだがこの街に来た事がある
だが前に来てから期間が空いてしまった事もあり、自分の足で駆けずり回りながら思い出そうと努力している
昨日も早く寝たのにロウはまだぐっすり眠っている
俺はロウの左薬指に輝く指輪を撫でた
お揃いの指輪が俺の左薬指でも輝いている
昨日は俺たちが付き合い始めて1周年だった
バタバタし過ぎてゆっくりお祝いは出来なかったけど、一緒に居られればそれで幸せだ
時計を見ると、もうそろそろ起きた方が良さそうな時間だ
俺はロウの鼻先や瞼などいたずらに触り始める
「‥‥ん‥‥‥‥ん?」
「オハヨ‥‥起きれるか?」
「‥‥まだ‥‥ムリ」
「‥‥起こしてやろうか?」
唇にキスをしながらシャツの中に手を入れ始める
「‥‥んっ!‥‥ちょ!‥‥分かった分かった‼︎起きます‥‥」
「いいよ、まだ‥‥もう少し‥‥」
「‥‥目が覚めました!」
服の上から俺の手を掴み、開け切らない瞼で俺を睨む
「これでまた遅刻したらどうするんですか⁈」
「‥‥俺が揉み消しとくか?」
「職権濫用です‥‥」
また軽くロウヘ口付けをする
「おはよう、ロウ」
「‥‥おはようございます、ロレさん」
朝の挨拶を済ませ、時計を見て急いで支度をし始める
そして別々のタイミングで出社する
別にみんなに俺達の関係をバラしたくない訳ではないが、仕事は仕事として考えたくて別々に出ている
署内に着くと軽くエクスとミーティングをする
同じタイミングで無線が入る
“小柳‥‥っきんしま‥‥お‥‥うござ‥‥”
“おはようございます”
“おはよう!”
ん?
ロウの無線、なんだか聞きづらいな
ロウは声が低いから篭りやすいのかもしれない
前の街でもそうだった
これで事件が起きて無線が混乱した時、大事な報告が通らないとお互い困ってしまう
早いうちになんとかしないと‥‥
「ローレン、ヘリの修理なんだけど‥‥」
「あ、俺が今のうちにやっておくよ。忙しくなる前に」
「分かった。じゃあ俺車の修理、メカニックに頼んでおくよ」
俺とエクスは色々とやる事が山積みで目眩がしそうだ
早めにみんなに協力してもらえる事は覚えて貰おう
屋上に行き、ヘリポートに上がる
下の駐車場からみんなの声が聞こえる
その中にロウの声も混じって聞こえた
「ん?何が分からない?北見」
「俺、まだカーチェイス上手くなくて‥‥ハンドリングがどうも‥‥」
「じゃあ後から一緒に乗って行ってみるか?」
「ありがとうございます!ロウさんめっちゃ運転上手いっスもんね!」
「俺もヘリの運転、見てほしいです」
「ネス君?上手く運転出来てると思うけど‥‥」
「サーマル出すとどうしてもまだ‥‥」
「そうだな‥‥俺もサーマル出すから、隣でどんな感覚で飛んでるのか見てみるか?」
「はいっ!ありがとうございます‼︎」
後輩達がロウを囲んでる
こりゃロウも自分の仕事と後輩の育成で大変かもな
アイツは面倒見が良いからな
でも少し良過ぎるんじゃないか?
‥‥俺が後輩にヤキモチ妬いてどうするんだ
自分の独占欲の強さに呆れながら俺はヘリのメンテナンスに向かった