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ハーメルンの方に投稿させていただいた小説の移植バージョンです。
UNDERTALEを知らない方もいると思いますので、専門用語などが登場した場合には補足を入れたいと思っています。
それではどうぞ。
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「お前マジかよwモンスターじゃねえか!捕まえられたのかよ?!」
「ああw案外簡単だったぜwww」
……僕の前で、甲冑姿の男たちが下卑みた笑みを浮かべながら言った。
「売ったら高ぇんだろ?いいなァ~」
一人の男が零したその言葉に、僕は……俺は、憤怒に顔を染める。
売る?売るだと?俺を?パピルスを?澪を?アズリエルを?キャラを?
許さない。
許さない許さない許さないユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイ!!
「殺してやる…!」
ケツイの籠った眼でゴミ共を睨みつけ……………………。
くらい。
なにもみえない。
咄嗟に目を開く。
…視界が半透明な紫で染まり切っていた。
コポコポと音を立てながら気泡が上部に通り抜けて行く。
………水の中のようだ。
腕を動かす。
………動かなかった。
足を動かす。
……動かなかった。
首を動かす。
動かなかった。
しばらくすると、体を包んでいた水は引いていった。
その時ようやく、白衣を着た大人が数人見える様になった。
男達が俺を見る顔は、それも喜色に彩られていた。
それを見るや否や、俺の意識は。遠くに飛んでいっt…
クビだクビだクビだ!!
(ムービースキップ)
星詠みアンテ厨が行くRTA(風動画実況)はーじまーるよー。
はぁい!今回はこちら[ホロライブラバーズ]をプレイしたいと思います。
これを見てるほとんどの人が知ってると思いますが、そもそもこの[ホロライブラバーズ]というゲームは、名前の通りホロライブ所属のVtuber達との恋愛を可能にした恋愛ゲームなのですが、その名の通り戦闘要素もあり、戦闘の難易度がかなり高く、またキャラクリもかなりの自由度を誇るゲームなんです。
先日偶々初代走者さんの動画を発見してしまいまして。なにこれ面白そう!という意向の元実況しています。
あ、そうそう。テストプレイはしてますけど、めっちゃ序盤の所らへんで終わってるんで初見同然です。
さて、ではキャラクリに入っていきましょう。
でも始める前に一つご報告がございまして。
この度!約2.5年ぶりに!大規模大型アップデートが行われました!
内容は、公式曰く『バグの大量修正』『スキルの大量追加』『強力すぎるスキルを『奥義』という新しい枠に移動』『シナリオの大量追加』『エッチシーンでのスタミナシステムの消去』『他アニメ、ゲームの種族、技等の追加』『一部のスキルを基礎スキルから追加スキルに移行』『加護という新能力の追加』『期生ごとによる学年制度の廃止』のようです。
最後のに関しては、かなり画期的で、何期生とか関係なくホロメンが登場する様になりました。
例えば、船長がすいちゃんの先輩になったりとかがあり得るようになったわけです。
はい、まあ取り敢えず言いたい事は言い終わったので早速キャラクリ行きましょう。
………あ、一応居なくなった(卒業、又は配信活動終了等)したホロメンも“連れ戻す”してありますのでご了承を。
まずは種族を選択からですね。
(なんのこっちゃ分からない)み な さ ま の た め に ぃ 〜
このゲームのキャラクリは、言うなればスカイリムと似た様な感じなんです。種族ごとによって特殊能力があったり、筋力や魔力などに差があったりします。スカイリム知らない人は分かりにくいかもですね。すみません。
今回自分は新しく追加された種族の“モンスター”を狙っていこうと思います。
モンスターは、その中にも種類があって、スケルトンとか魚人ってのがあるわけです。
それでなんですが、ハイ。皆さん問題です。
この“モンスター”。出現率何%だと思いますか?
1分待ちます。ハイ1分経ちました(大嘘)
答えは〜?!
0.00001%です。
は?って思った画面の向こうの皆さん。安心してください。私も思いましたから。
マジで。運営は何を考えとるんだね?!(ブチ切れ)
…はあ(クソデカため息)うじうじ言ってても仕方ないですし、さっさとリセマラしますかぁ…。
※本編開始時刻はかなり先です。スキップを推奨します。
(n分後)
人間
人間
人間
人間
人間
人間
人間
人間
人間
人間
人間
機人……は?機人?空気読めよカス。殺すぞ?(ブチ切れ)
(またn分後)
人間
人間
人間
人間
人間
魔族
人間
聖騎士
人間
人間
人間
獣人
獣人…。はい?獣人二連?バカが(半ギレ)
(またまたn分後)
はあ…はあ…人間……。
鬼人。ん?鬼人???えっと鬼人の確率は確か…1%じゃねえかっ!なんでこんなところで運使ってんだ!ふざけるな!
(2000年後)
機人…。
人間…。
”スケルトン…?“ん?待って待って待って?スケルトン?んん?
えーと、スと、ケと、ルと、トと、ン?
スケルトン?
………………………………………………ぃいやっっっっっっっっっっっほおおおおおおう!!!!
モンスターが引けましたよおお!
マジで一生出ないかと思った…。えっとかかった時間は……アッ(目逸らし)
詳細種族名は…”スケルトン…?“ですね。マジで出てくれてありがとう…。
あ、ちなみに全種族共通の能力として、同種族との好感度が上がりやすくなります。…まあモンスターなんていないと思いますけどね。
次は名前選択ですが…サムネを見てもらえれば分かるでしょう。W.D.サンズで行きます。
W.D.はガスターから取りました。…ああん?それともドリーマーがいいか?アズゴアとかアズリエルみたく?よくねえよ。語呂合わんだろ。
それとも何か?サンズの方が気になるか?いいだろ。好きなんだよサンズ。かっこいいだろ。メガロバニアとか。
まあいいです。次は基礎スキルガチャです。
今回狙いたいのは、[魔導の才覚]ですね。サンズなんでね。魔法系がいいと思って。
では早速行きましょう。はてさて結果は…?
[魔導の才覚][天性の肉体][魔導の才覚]
や っ た ぜ(狂気的な笑み)
素晴らしいですね!狙い通りですよ!
ではこれで始めていきましょう。あ、難易度は初めてなんでノーマルです。
スタートボタンポチッとォ!
み な さ ま の た め に ぃ 〜
今回私が目指すルートは、『UNDERTALEを愛する者』というルートで、クリア方法としては、
「主人公の種族が“モンスター”、又はそれに近い種族であること」
「主人公と同郷の者を伴侶とすること」
「上記に加え、さらに一人以上。誰かと交際すること」
「UNDERTALEに関係する技を、5個入手すること」
「バトルロワイヤルで、合計66回優勝すること」
ですね。一番上の条件を達成するためにモンスター系の種族が引きたかったわけです。
まあ難易度指定が無いだけマシですよこんなの。
でも、でもですね。懸念点が一つ…二つ…三つ………(13号感)
66回優勝って何?絶対ガスターから取ってるよね???
あ ほ く さ。やめようかな?(クソデカ溜息)
そんで、2人以上の攻略必須。まあこれはいいとしましょう。
同郷?いるかなぁそんなの…(憤慨)
まあいいです。やっていきましょうか。
<…俺はベッドの上で目を開けた。見知った…いや、見慣れまくった天井が視界いっぱいに映った。
<ベッドをギシっと軋ませながら俺はゆっくりと立ち上がり、静かに台所へ歩いて行く。
<そのまま冷蔵庫からソーセージを取り出し、刻むと、フライパンに火をつける。その間にパンを2枚トースターに放り込みトーストを作ると同時にミルクを耐熱コップに注ぎ、レンジに入れ温める。ある程度温まったフライパンに卵とソーセージを投下し、箸でグルグルとかき混ぜながら調味料を加え、簡単なスクランブルエッグを作る。
<それから遅れてトーストとホットミルクが完成し、俺はそれを机に持っていくと、静かに声を出した。
おお!サンズ君料理が出来るみたいですよ!こりゃあ[料理上手]が手に入るかもしれませんね!
……いただきます。
<俺はそう言うと、朝食を食べ出した。
<特段旨くも特段不味くも無いが、料理を始めたての頃に比べたら技量は圧倒的に伸びているだろう。始めの頃はトーストすら作れなかったのだがら大きな成長ととっていいだろう。料理長には本当に感謝しかない。
<ものの数分で全て食べ終わり、俺は思案する。
*今日は何をしようか…。
・鍛錬
・勉強
・買い物
・休む
無論勉強ですね。さっきも言いましたけど、魔法系でいくつもりなので。
<…大人しく勉強をしよう。
<そう思い俺は勉強机に向かい、魔導書を開く。この魔導書はかなり前から我が家で受け継がれている魔導書らしく、それにはもう現代には無い魔法についてたくさん載っていた。
<…まあこの魔導書について真相を教えてくれる人なんていないがな。
<俺はその中に興味のある魔法を数個見つけた。どれか一つなら今すぐにでも覚えられそうだ。
*どれを覚える?
・ガスターブラスター
・重力操作
・ショートカット
ファッ?!いきなりアンテ要素?!何故に?!ってホロメンもアンテやってるし…なんならヒロアカとかのもかなりあるから必然なのか…?とりま高火力で連発の効くブラスターでいいか…(wiki情報)マジでアプデ様様だな…。
+[魔力依存型高火力熱線兵器:ガスターブラスター]を入手しました。
<ガスターブラスターを覚えた。どうやら魔力そのものを具現化させ、そこからビームを発射する所謂魔力に頼ったビーム兵器というやつだ。
*…やることが無くなってしまった………次はどうしようか?
・鍛錬
・買い物
・休む
うん……鍛錬かな…。一応天性の肉体も持ってますしね。
<鍛錬をすることにした。
<………………。
<……………………………………………。
<………………………?
<…………………………………………………!
<新しい何かが目覚める様な感覚が身体中に伝わった。
+[ホラー流:斧・肉切り包丁操術]を入手しました。
は?え?あ?
え…これってホラー?え?なんで?え?ホラーってAUだよね?ホロメンってAUやってないはずだよね?なんならさっきのブラスターもだよ?え???
ち、ちょっと待ってください!アプデ内容再確認してきます!
み な さ ま の た め に 〜
えー、確認してきました。
なんでここまでUndertale要素が多いのかと言うと、なんか種族で、モンスター:スケルトンを引くと、確定でUndertale関係の技能に目覚めるっぽいんですね。このUNDERTALE関係の技能っていうのは、AU。つまり、UNDERTALEの二次創作作品のキャラクターの技なども習得ができるようです。
や っ た ぜ。
他の、“モンスター:○○”では、無いみたいなので、本当にありがたい!
今回のルート達成条件の一つを完璧にクリアしましたよ!やったぜ。
マジであのROOM66よりも確率低いクソ運ゲーやっといて良かったですね(白目)
まあいいでしょう。すみません時間取らせて。ゲームを再開しましょう。
<気がついたら夜になっていた。
*何をしようか?
・買い物
・休む
はい。朝のうちに2つやれてしまったので買い物に行きましょう。
<買い物に行こう
*どこに行こうか?
・武器商店
・鍛冶屋
・食料品店
・路地裏
・闇市
う〜ん、これは…闇市にしましょう。掘り出し物が多いですし。(14敗)
<闇市に着いた。ぬるい風が頬を撫でる。
<そんな中、一つの露店が目に映った。見た感じ武器を売っているようだ。
<そこで買い物をすることにした。
「ヒッヒッヒッ…どうした?どうした?お前さん。ところでそんな立ちすくみ、いったい何をご覧です?」
<歪な喋り方をする店主と思しき男が出てきた。見た感じそれなりに若く、かなり小柄だ。遊園地とかにいそうなピエロのような格好をしている。
え、これってジェビルでは…?まじで?
(ジェビルというのは、deltaruneというゲームに登場するピエロのことです)
「ウェンヒッヒッ…運いい兄さんネ。変わらずいつも、いい品沢山。見てくかい?」
<俺は店主の言葉に頷き、武器を見せてもらう。
「ヒヒヒ…コイツはデビルズナイフ…若い頃ワタシが愛用していた大鎌になります。年季こそ入ってますが、威力はしますよ。保証」
<そう言い持ち手が紫と黄色の馬渡模様で、先端周辺に牙の様な突起が3本ついている大鎌を取り出してきた。そのまま鎌を側にあった長机に置いた。
<しっかりと手入れがされていて、刃こぼれや欠けなどが見当たらない。素人目でも最高品質と分かる大鎌だ。
「お次はこちら、紅いトライデント…。今無きあの国…デルタルーンの王がしていた愛用。トライデントです…拾って時は、戦闘の痕跡が残る多くなナマクラでしたが、ワタシの手にかかればちょいちょちょいのです」
<言いながらトライデントを長机に置く。話の通り、ナマクラだったこともあったからか、未だ、傷などの消しきれない戦闘の跡が残ってはいたが、これも手入れが行き届いていて素晴らしいの一言に尽きる。
「…ええ、そして最後です。こちらが」
<そう言って黄色主色の丸い塊を放ってきた。なんとも雑な扱いだ。少し埃を被ってもいる。手入れがあまりされていないようだ。
…これは?
「…名をBIGショット。腕に装備するサポートアイテムで、その名の通り巨大なビームや、魔力球を効率よく出すことができます…。いらないです。ビームには魔力が。コイツは周囲の魔素を吸収してビームを放ちます」
<言い終わると忌々しげにBIGショットを睨んだ。
*何を買おうか?
・デビルズナイフ
・トライデント
・BIGショット
う〜ん、まあ、デビルズナイフ一択ですね。トライデントはそれなりに値が張りますし…その点デビルズナイフならそこそこの値段で攻撃性も高い…決まりですね。
<デビルズナイフを手に取った。
「ウェンヒッヒッ…それかい?やっぱり高いねお目が。お前さん。ソイツはこの世に無い2本と。誰もが欲しがる喉から手が出るほど。いい武器ですヨ。ヒッヒ今回だけはタダにしてあげるよお前さんや」
<俺はその言葉に、勢いよく店主の方を向いた。
は?!お、おいおい…これをタダだって?本気で言ってるのか?
<俺の問いに彼は難なく答えた。
「ええ、取るつもりでしたよ?別の武器ならば金を。でもソレは別々。愛用してやってくださいよ?それと、タダにしてあげたんだから贔屓にね今後とも。ワタシは他とは違って変えませんからね場所を」
…はは、そいつが目的か。
<俺は力無く笑いながら言う。
分かったよ。今後とも利用させてもらうとするさ。
<そう言うと、店主は右手を差し出してきた。
「ワタシはジェビル…。昔々遠い昔遥か昔veryvery昔。soso昔デルタルーンで専属魔術師をしていた者ネ…宜しくねェ今後とも」
<俺はその自己紹介に驚きながら、その手を握って言う。デルタルーンといえば、十数年前に滅んだ国のことだ。
こっちこそだ。
<そう言うと、ジェビルはあっという間に鎌を包装した、それを手に取って露店から離れようとしたら、ジェビルに呼び止められた。鎌…いや、デビルズナイフは驚くほどに軽かった。
「あ、そうそう。持ってきな。これも」
<そう言うと彼は俺の掌に小さなお香の様な物を落とした。
これは?
「ヒッヒ、使ってみてのお楽しみネ…。アナタを導く。更なる高みへ。そういうアイテムネ。使うかはアナタ次第…ワタシが持っていても長物ネ無用の。だから持っててください。アナタが」
<不気味な笑みを浮かべるジェビルは言いながらお香を持つ俺の手を握らせた。
「少なく無いネ。ソレを狙ってくる輩も。吉。さっさと帰るが」
<ジェビル真剣な眼差しで言う。
分かった。
<俺はそう言い、ジッパー付きのポケットにお香を入れ、ジッパーを固く閉めた。
<俺はジェビルにお礼を言い、店を後にした。
やー…凄いですね…種族の関係でUndertale要素が大きく入っているとはいえ、ここまで濃いとは…これまだ一日目なんですけど……。
<春だと言うのに今日は肌寒い。何か良く無いことが起こりそうだ。
<そんな事を考えながら帰路を辿っていると、ふと視界の端にとある喧騒が映った。
<今歩いているのは繁華街だ。闇市に長居し過ぎたせいで遅くなってしまったので、近道しようと思い入った。
<夜の繁華街だから当然騒がしいのだが、その中でも特段騒がしい集団が居た。
「おい娘!今オレ様にぶつかったろう?!」
<と言う長身の骨と、
「bahaha!ああ、確かにぶつかったぜ」
<と賛同する小柄な骸骨だ。
「え、えと…ご、ごめんなさい…」
<二骨の目線の先には一人の女性が居た。ピンクと青のウェーブがかかったツインテールと、白いコートがよく目立つ。遠目に見ただけだが、恐らくニンゲンだろう。
<女性の手には飲み物が握られていて、恐らくぶつかった時に跳ねてしまったのだろう、長身の骸骨が纏うスカーフがびっしょりと濡れ、液体が滴っていた。
<女性は謝って去ろうとしたが、小柄な骸骨がそうはさせまいと手を掴んだ。
「bahahahaha…ぶつかっときながら礼一つで居なくなろうとすんなんて…悲しいことしやがるじゃねえか?ええ?」
<なかなかに喧嘩腰な骸骨は、女性を威圧する様にしながら長身の骸骨に話しかける。
「なァボス。コイツ連れて帰ってもいいか?精々アイツらのストレス発散になんだろ」
<小柄な方が言うと、長身は、ううむ…と唸ってから言う。
「まあいいだろう。奴らの精神面のカバーも最近面倒になってきていたところだ。何より奴らが風俗やらに行くたびにかさむ出費がなかなかに痛いとボスも呻いていたからな。いいぞ」
<長身の言葉に小柄はニヤッと頬を裂いた。
「ハッハ!よかったなガキ。ボス直々のご指名だぜ?よぉく可愛がってくれんだろ。…あの性欲の権化共がな」
<女性はその言葉に絶望した様に凍りついた。小柄はそれを見て、さらに楽しそうに頬を吊り上げた。
「ウブな反応してくれんじゃねえか。bahaha!苛め甲斐があるな!」
<ゲラゲラと愉快そうに笑っている。
<…俺は持っていたデビルズナイフを背中に背負った。
助けなければ…
<長身の方が言っているには、女性を連れ去りでもするつもりなのだろう。
<それを強要できるほど、俺の堪忍袋の緒は硬くはなかった。たとえそれが見知らぬ女性だとしても。
<俺は小柄な方に近づくと、女性の腕を握っている手の腕を掴んだ。
…何してんだ?
<俺の言葉に小柄な方はピクッと体を揺らすと、不愉快そうに顔を歪めた。
「あ“?んだテメェ。テメェに介入する余地なんざ無えんだよクソガキ。痛い目見たくなきゃとっとと尻尾巻いて逃げやがれ、んのタコ助野郎が」
<小柄な方の正論が響く。確かに彼女と彼らの問題であって、俺が介入する余地はないのかもしれない。
<しかし、この女性を助けないと言う選択肢は、俺の中にはなかった。
「おい、なに仏頂面してんだ?早く選びやがれ、死ぬほどボコボコにやられるか…恥忍んで姑息に逃げ出すか。判断は迅速に。基本だぞ?」
<小柄は嘲笑う様に言う。
<だが、俺の中で既に答えは決まっていた。
臨むところだ。
<俺の言葉に小柄はニッと頬を吊り上げると、女性から手を離した。
「そうかいそうかい。bahaha。いい判断だな?一番賢明だ…。だが喧嘩を売る相手を間違えてるぜ」
<小柄が言った瞬間、俺はすぐさま女性の手を握り、逃走を始めた。
「…?!あ”ァ“?!クッソガキャ…何しやがる!さっさと返しやがれクソ野郎!」
<返すものか。そう思いながら、小柄の言葉をまるっと無視し、俺は走る。
<ふと振り向くと、小柄は追いかけていたものの、かなり差があいていた。
<長身がその後ろで、はあ…と溜息を吐いてから小柄を猛スピードで追いかけ、背後から殴りつけた。
「おゥげッ?!痛えな!ボス?!なんで…!」
「大馬鹿者!周りの目も気にせず暴れ回るつもりだったのか?!少しは物を考えろこの低俗ド低脳野郎が!」
<殴りつけた長身は小柄の胸ぐらを掴み、説教を始めた。
<俺はそれに戸惑ったが、今がチャンスと見て走り出した。
<…どれくらい経っただろうか。一心不乱に走っていたら、気づけば家に最寄りの公園前にいた。
<僕はそこで女性の腕を離すと声をかけた。
…大丈夫か?
<学園入学の為にそれなりに鍛えていたからか息切れなどは無かった。
<だが、女性の方は違った。ぜはー、ぜはーと肩で息をしながら荒い呼吸をしている。
「は…はいぃ……大丈夫…れす………」
<荒い息ながらも、女性は俺に返事を返してくれた。
「す、すみません……お手数…おかけ、して…」
<少しして、息を整え終えた女性は声を発した。
<…言葉や口調、動作から分かったが、かなり内気な性格のようだ。
いや、大事が無かった様で何より。
<俺の言葉に女性は頷いてから言う。
「あ、ありがとう、ござい…ます。助けて頂い…て」
………当然のことをしただけだ。…じゃ。
<俺が去ろうとすると女性に呼び止められた。
「ま、待って!」
?…どうした?
<訝しげに振り向く俺に女性は声をかけた。
「え、え…っと……お名前は…?」
<女性の問いに俺は表情を変えずに答える。
……サンズ。W.D.サンズだ。
<俺が言うと、女性もこちらに正面から向き直って言う。
「…ぇっと…み、湊あくあ……です」
<女性…いや、湊の言葉を聞いて俺も言う。
機会があればまた会おうぜ。
<そう言って俺はその場を後にした。
+湊あくあからの好感度が上がりました。
+湊あくあとの関係が『知り合い』になりました。
<湊と逃げ回ったお陰で何かを掴めた気がする…それも大きな何かを…。
+『短縮移動法:ショートカット』を入手しました。
<また…いや、もうあんな出会い方はしたくないが、また会えるだろうか…。
<今日は帰ってジェビルから貰ったお香を焚いて寝た。
お、一日目はこれで終わりですね…。さっきも言いましたが濃い…こういう物なのか…?
あれ?画面が暗転して…え?ローディング?普通ならセーブ画面が出るはずじゃ…ってああそっか。お香焚いて寝たからスキル獲得イベントかな?
……………………!
<ここはどこだろう。俺は確かお香を焚いて寝たはず…。
<俺は見知らぬ場所に立っていた。
<壊れた…城下町…?の街道のようだ。だが、様子が尋常じゃない。焦げついた建物からは、焦臭がする。
<街道の奥からぬるりとした何処か居心地の悪い風がヒュルヒュルと俺の体を揶揄う様に通り過ぎていく。
<ふと、顔をあげると、俺の前に人が立っていた。顔のあたりは…………グリッチ…?所謂モザイクのようなものがかかっていてわからなかったが、体つきからして女性という事だけは分かった。
<だが、その姿は明らかに異常だ。
<纏っている衣服…いや、布も焼け焦げ、所々焼け爛れている。
<皮膚も同様だ。茶色に焦げた皮膚は、離れていても分かる程濃い腐敗臭と焦臭を放っていた。
<すると女性は、所々しかうまく視認できない腐敗した顔でいきなりフッと笑うと、突然言葉を発した。
「❒︎︎︎♏︎︎︎❍︎︎︎♏︎︎︎❍︎︎︎♌︎︎︎♏︎︎︎❒︎︎︎、❍︎︎⍓︎︎︎ ♍︎︎︎♒︎︎︎♓︎︎︎●︎︎︎♎︎︎︎」
<なんて言ったのかは分からなかった。
<だが、それを聞いた途端頭にナニカが大量に流れ込んできた。さながら、穴の空いたバケツから水がこぼれ落ちる様に。滝から水が流れ落ちる様に。煙が天に昇る様に。水の中の気泡が空気に向かっていく様に。
<何故だろう。
<見た事が無い筈なのに…。知らない筈なのに……。解らない筈なのに………。何処か腑に落ちない。
<俺は之を………何処か…で……………。
<そうだ……。見た…観た…。視た…。見た…!見た見た見た見た見た!!
あ…ああ……あ…。
<思わず口から声が漏れる。こんな声を発したのはいつぶりだろう。
<そうだ。この記憶は……。そうだ。そうだそうだそうだ………!
<あの日々の…!記憶……!!
あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”ア“ア”ア“ア”ア“ア”ア“ア”!※※※※※※※※※※※※※※※※※※※!あ”あ“あ“!※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ”!!!!!!!!!!※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※!!!!!あ”あ“あ”あ“!あ“!※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※!
क”क“क”क“क”क“क”क“क”क“क”क“क”क“क”क“क”क“क”क“क”क“क” “ ” “ ” “ ” “ ”!※※※※※※※※※※※※※※※※※※※!क”क“ !※※※※※※※※※※※※※※※क“क”क“क”क“क”क“क”क“क”क“क“क”क“क”क“क”क“क”क“क”क”!!!!!!!!!!!क“!※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※!
<流れ込んできた記憶は。俺の脳に。心に。精神に。決定的な大打撃を与えたようだった。
<頭を砕く様な激痛に見舞われ、それに続く様に吐き気、腹痛、神経痛、関節痛、幻肢痛…その他の症状に襲われる。
<右手で顎を、左手で側頭部を押さえ、その場に蹲る。
…………………アッ(ミーム)ゲーム落ちた!!
ぅええ、なんすかありゃあ……ってもうこんな時間?!丁度いいですし、今日はもう終わりにしますか。
では皆さん!次の動画でお会いしましょう!
_________________________________________________________
一応補足入れましたけど、どうでしたかね?分からないことなどあればコメントで聞いてください。
最後のあの暗号。ウィングディングズフォントってこと分かる人いましたでしょうか?訳を調べてみるのもまた一興かもですね。
じゃ!!