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ある日エンティティに呼ばれ、一体なんだと思えば、また新人キラーが入ってくると言われ面倒を見るように頼まれてしまった。


「なんで俺が…」



《さぁな。きっと、私がお前を気に入っているからだ》



「……知るか…」


何が気に入ってるだ、俺を過労死させたいだけだろ。

そんなことを思いながら新人が来るのを待つ。

この光景を見るのは何度目だろう…。

霧の中から新しいキラーが出てくるのはいつ見ても胸が高鳴る。

ラッピングされたプレゼントを開封するまでの高揚感と似ている気がする。


殺意を誓い鐘の音を鳴らしながら出てくる者、執念を誓いチェンソーの音を鳴らしながら出てくる者…様々なキラーをこの目で見て、そして同じことを言う。

─ようこそ、霧の森へ。

今回はどの様に魅せながらこの中から出てくるのだろう…。

おっと、霧が増してきた。

そろそろ出てくる頃だな。

ピンクや水色、紫の光が差し込みながら出てきたのはあいつが言っていた新人キラー…

確か名前は『トリックスター』。

邪神から渡された資料には、

『ここに来る前は人の叫び声で曲を作る悲劇のアイドルであった。』と書かれている。

なんだこれ…結局は殺人鬼じゃねぇか。


「ここは?」


おっと、アイドルのお出ましだ。


「ようこそ、霧の森へ」

「霧の森?」

「そう。人の叫び声で曲を作るお前にはピッタリな場所だ。好きなように、ここに蔓延る生存者を殺せ」

「叫び声だなんて、そんな下劣な言い方はしないで欲しいな。」


随分と自分に自信のある奴だな…これは扱うのが難しそうだ。


「じゃあなんて言えばいいんだ?」

「『音』だよ、音」


確かに作曲もしているこいつにはピッタリな言い方だな。


「全く、期待してここに来たのに最悪だよ…むせる程血の匂いが凄くてっ…うぅっ…匂いがこびりついちゃったらどうするの!?」

「知らねぇよ」


生意気な新人だな。

でもカニバルに比べたら全然マシだ。

アイツは最初俺を見るなり『お肉!!』って言いながらチェンソー振り回してきたからな…。


「とにかく着いてこい。」

「ちっ…分かったよ…」


トリックスターを邪神が用意した部屋に連れて行く。


「ここがお前の部屋だ。」

「わぁ…凄い!ここに来る前の僕がいた部屋と全く同じだ!」

「あの邪神にとっちゃ『お安いご用』なんだと」

「このPCも僕の曲のデータが残ってる!凄い!凄い!」


気に入ったみたいで良かった。

さてと、ここまで邪神はしたんだ。

きちんとキラーとしての役目は果たしてもらわなくては。


「じゃあそのまま着いてきてくれ。」

「いいよ!何?」


俺は、キラーが一度は使う儀式そっくりに作られた場所まで案内した。


「今からキラーとしての役目を教える。要はチュートリアルだ。」

「わかった!何をすればいい?」

「まず──」


発電機の妨害に、生存者を発見した時の立ち回り、誰もがする事を教えた。

そして何故か俺に、彼だけが使うもう一つの生存者の負傷方法を教えてもらった。

何故かは知らない、いつの間にか『教えてくれたお礼に、良いものを見せてあげる!』と言われ気づいたらこうなっていた。


「ここにナイフが一本あります。」


見たところ先端だけ鋭く尖ったガラス製の小さなナイフだ。


「ふふっ、よぉく見ててね?」


一体何が始まるんだと内心ワクワクしていると、次の瞬間、小さな痛みが走った。

なんだと思い見てみるとナイフが俺の左肩に突き刺さっていた。


「いたっ!何するんだ!」

「いい音だね。これが僕流の生存者を負傷させるもう一つの方法さ!」

「なるほど…確かにそれもっ…あるが…」


彼は、ナイフを投げる手を止めなかった。

どこから出てきているのか分からない大量のナイフが俺の身体に突き刺さる。


「いい加減にっ…あ″ぁ!」


次の瞬間、俺は跪いてしまった。

これがいわゆる生存者で言う、『瀕死状態』なのか?


「へぇ…ナイフ12本で瀕死状態か…ということは6本で負傷させれる…うん!いいね!」

「な、なんで俺を使ったんだ!」

「だって、先に知っておいた方が良いでしょ?いい実験結果だったよ!ありがとう、おじさん!」


随分と生意気な新人だ…殺意が沸くが、こんなことでイライラするほど俺は幼稚ではない。


「おじさんじゃない。トラッパーと呼べ。」

「はいはいw」

「まったく…」


手間の掛かる新人だな…あぁ、胃が痛い。

もしかすると、本当に過労死してしまうんじゃないだろうかとつくづく思った。

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