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この作品は2次創作です。

ご本家様とはまったくもって関係ありません。

キャラ崩壊をしたくない人は回れ右⤴







序章

昔々、あるところに小さな村がありました。

村人は平和に暮らしていましたが、ある日、1人が服だけを残して消えてしまいます。

服は大きな爪で引き裂かれ、血がべっとりとついていました。

狼ではありません。狼は人間を丸呑みになんてできないからです。

熊ではありません。大きなクマが出たらだれかが気づくからです。

人ではありません。人には人を引き裂く爪なんてないからです。

それは人狼のしわざでした。

人狼は人に化ける怪物です。大きな爪で人を引き裂き、大きな口で人を食べる、おそろ

しい生き物です。仲間に化けた人狼が、こっそり村人を食べていたのです。

村人たちは広場に集まり、輪になりました。そして仲間になりすました人狼を見つけ出

すことにします。

人狼は姿形をまねているだけです。話し合いを続ければ必ずどこかで嘘をつきます。

村人は話し合います。嘘をついているのはだれか。

村人は話し合います。怪しいのはだれか。

村人は話し合います。仲間でないのはだれか。

証拠なんてありません。お互いの顔を見て、声を聞いて、身振り手振りや言葉に注意し

て、怪しいと思う者を選ぶしかないのです。村人たちは石を持ち、怪しい仲間に投票しま

す。一番多く石を集めた1人は処刑され、その日の話し合いは終わりです。

ですが、ずる賢い人狼は生きていました。

夜中にこっそり起き出して、村人の1人をまた食べてしまいます。

次の日、村人はまた話し合いをすることにしました。

人狼は強い生き物ではありません。2人の村人に囲まれたら、棒でたたかれて負けてし

まいます。でも、1対1なら村人に負けることなんてありません。

村人は話し合いを続けます。仲間の中にひそむ、人狼を見つけるために。

人狼は嘘をつき続けます。村人が最後の1人になるまで。


0.2章 「希望」と「絶望」の狭間


空はまだ紫色で、鳥の鳴き声が聞こえてきそうな時間帯だ。

ぼく―――澄空アユは、陽が昇り始める様子を静かに見ていた。

これから登る太陽に自分の・・・自分たちの将来を照らしてほしい。

そんな願いを静かに思いながら、強く見つめていた。

ぼくの家族の大切な妹は、ある人がきっかけで行われた捜査で、ようやく見つかったらしい。

結果はどうであれ、僕たちの家族はそれぞれの路に進む事ができた。「お別れ」がやっとできた。

100%善い選択だったかと言われたら絶対にそんなことはないと言いきれてしまう方法ではあったけれども、こうして

なんとか、「日常」を取り戻すことができた。

今のぼくには、これで十分だった。

・・・でも、やらないといけないことがある。

いつ呼ばれるかは分からないが、伯爵が参加者として出る試合に勝たないといけない。

「・・・」

静かな決意とともに、ぼくは窓から背を向けた。


0.4章 「エンターテイナー」としての宿命


『今年のリズムステージ、優勝は・・・山吹クジャクさんです!おめでとうございます!』

ぼく―――翡翠度カラスは、「プレアデス」のメンバーであるクジャクの新着の動画を見ていた。

『さすがのセンスでしたね!』

『ありがとうございます。』

クジャクが丁寧に答えている。・・・内心、ビクビクしているんだろうな、と1人で勝手に考えた。

『今回の大会を振り返って、感想をどうぞ!』

『え~~~?感想ですかー、そうですね。

・・・やっぱり、今回の大会もほとんどが初の楽曲ばっかりで。

しかも今回の準決勝からの楽譜って4拍子になったり3拍子になったりってかなり複雑な楽譜でしたけれど。

それでも、焦らずに最速でリズムを感じ取って、演奏できたって事が優勝につながったのかな、とオレは思いますね。』

『なるほど・・・熱意のあるコメント、ありがとうございました!

最後に、この生中継を見てくれているファンに、一言コメントをどうぞ!』

『えーっとですね・・・

皆さんのおかげで、今回も無事優勝することができました。

応援やコメント、凄く感謝しています。次以降も応援してくれるとありがたいです。本当にありがとうございました!』

『では、これにてリズムステージを閉会します!山吹さん、ありがとうございました!』

ここで配信が終わった。

「《複雑な楽譜》、ねぇ・・・

・・・2位以下と圧倒的な差を見せつけれたぐらい簡単そうな楽譜だったけれども。」

ぼくはそう呟きながら、動画のグッドボタンを押した。

「ぼくも、まだまだだ。

・・・悪魔ですらを味方につけるまでは、修行を続けようか。」

そう思い、ディスプレイの電源を落とした。


0.6章 押し付けられた「日常」


「御影さん。調子はどうですか?」

「はい、もう大丈夫です。こうやって喋ることができてますしね。」

「それは良かったです。・・・今日でカウンセリングは終わりですが、何かあったらまたいつでも気楽に来てくださいね。」

はい。と頷きながら、おれ―――御影コウモリは、ある事を思い出していた。

初めて、あの「伯爵」のゲームに巻き込まれた後に惑わされかけた時のあのえぐみ。

「悪魔」を退けた証であるえぐみを。

ありがとうございました。と言い、席を離れ、部屋から出る。

ドアを閉めた後には、少しの悲しみが残っていた。

やっぱり、あの伯爵に言われた言葉がずっと心にもやとしてへばりついている。

どうしても、想像してしまう。

もちろん、死んだ人間が急に生き返るなんてことは現実においてはあり得ないし、そんな人生は欲しくない。

けれども、やっぱり、想像してしまう。

気を引き締めておかないと、その甘い誘惑に飲まれてしまいそうになる。

ふうぅ、と息を吐き、気持ちをリラックスさせる。

そして、クラスへ戻った。


0.8章 いざゆかん、「悪魔」を討ち取るために


「おい、また始めるのか。」

おれ―――赤村ハヤトは、尖った口調で伯爵に聞いた。

「あぁ。新しい【人狼サバイバル】を始めようかと。」

「おれはもう、お前のゲームを望んでないんだ。やめてくれ。」

「次のゲームには、私も参戦するよ。」

「・・・!」

正体不明の謎の男、伯爵。

これまでに幾度となくおれたちを巻き込んで、強制的にゲームに巻き込んでいる男だ。

しかも、そのゲームでは文字通りの「命がけ」。

負ければこの世界から「退場」となってしまう、危険なゲームだ。

その次のゲームに、伯爵も出るらしい。

ゲームの中で伯爵を討ち取ると、何でも1つ、願い事を叶えてくれるらしい。

おれたちは、勝手にゲームに「巻き込まれて」、「強制的に」命を賭けられている。

何としてでも止めないといけない。

「次おれがお前を討ち取ったら、もうゲームはしないよな。」

「もちろんだよ。赤村ハヤトくん。あらゆる願いを叶えれるからね。」

「・・・次は、誰が出るんだ。」

「今の時点では教える事はできないけれど、できるなら、ウサギくんも私のゲームに誘いたいと思っているよ。」

「そうか。」

おれは少し悩み、伯爵にこう告げた。

「おれも出る。そして・・・おれが伯爵を討ち取って、こんなゲームを終わらせてやる。」

「それでこそだ。・・・近いうちに招待するよ。しばしお待ちを・・・」

伯爵はそうおれに告げて、闇の中に溶けていった。

人狼サバイバル  ~驍勇無双!盛者たちの甘い人狼ゲーム~

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