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里妬ちゃんはいい人です

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里妬ちゃんはいい人です

7 - 第7話 里妬ちゃんは入学です

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2025年03月26日

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「里妬ちゃんは入学です」



桜の花弁が地面に散らばっている、そんな道を歩いているのは里妬だった。そしてその横をフワフワ浮いているのは堕天使ルシファーである。ルシファーはさっきからずっと里妬に話しかけているがずっと返事を返さないのである。それは何故か、何故なら周りに人が居るからである。お察しの方も居るだろうが、ルシファーは他の人には見えないのだ。例えばルシファーが1人で肉まんとかを食べようものならひとりでに浮いて勝手に減る肉まんになるのである。以前子供に見られてバチクソ焦ったらしい。

「ねぇ里妬ちゃぁん!」

里妬はふらついたフリをしてルシファーのミゾオチ辺りを肘でどついた

「お゙ぇっ!?」

里妬は何で付いてきたと言う顔でルシファーを凝視している。ルシファーも家に一人で居ても暇なのだろう、そのため里妬に付いてきたが腹パンを受けるハメになってしまった。そして里妬は人気の無い方に移動する。ルシファーは不思議そうな顔を浮かべ里妬について行く。

「ルシファー…」

「ん?何?里妬ちゃん」

里妬は伏せていた顔を勢いよく上げてルシファーを見る。

「ルシファー、式中は何もしないで」

「飽きたら?」

「外行け」

「え〜?」

里妬は公園にある時計を見て、そろそろ時間が少ないと言う事で走って向かった。



さぁ!いざ入学式、ビシッと決めてしっかり聞いてるフリしてぼーっとしていよう!…と思ったが。

「ねぇ里妬ちゃん、コーチョーハゲてる。コーチョーって皆ハゲなんでしょ?何でコーチョーってハゲなの?、メスってハゲるの?担任が皆眼鏡の七三分け?何でずっと喋ってるの?つまんなくない?後ろの子寝てるよ♡」

あんの冗談ルシファーが散々喋りまくって全く入学式に集中出来ない。元から集中していないが、流石にイライラを我慢できない事もある。

「ねぇー里妬ちゃんー、里妬ちゃ_

イライラが我慢できなくコッソリ中指を立ててしまっても仕方ない、里妬はルシファーに向けてピッと中指を立てる。ルシファーはその中指を見た瞬間「黙れ」と言う合図と分かりモゴっと口を閉じる。ルシファーは耳をシュンと下げて里妬に背を向け、翼を広げ体育館の中を舞う。

「人間って何でこんなつまらない事出来るんだろ〜!暇すぎて俺だったら死んじゃぁ〜う!…まっ死なないけど…ニャハハッ!♡」

ルシファーは体育館を舞いながら、入学してくる新入生達を拝見する。里妬の後ろには、長い話を聞いて眠っている以前会ったことのある眼鏡の少女、別の席には赤茶色の髪をした美少年、俯いて冷や汗を流している紫髪の女の子、入学式中に関わらずイチャイチャしている男女のカップル、新入生の中一際輝いている絶世のクール美少年、と言う何ともクセの強い面々が揃っている。

「こりゃ里妬ちゃんの学校生活も楽しみだな」

そうフワフワ浮いて里妬の前に来る。

「ねっ、里妬ちゃん♡」

そう言うと里妬はまた嫌そうなして中指を立てられるルシファー。里妬はそんなルシファーを本当に鬱陶しいとでも言いたげな顔をしている、少しは静かにできないのか、そう考えているとルシファーは教頭のそばに近寄る。里妬は教頭に近づくルシファーを見て嫌な予感が頭をよぎる、完全に教頭の髪はズレて居るからだ。里妬がヒヤヒヤしてる中ルシファーは教頭の頭に手を伸ばし勢いよく教頭のカツラをぶん取った。その行為には思わず里妬も内心慌てずにはいられなかった、ルシファーは教頭のカツラをそこら辺にポイっと捨ててステージから新入生達を法を向く。

「里妬ちゃーん!教頭ちょっと毛あるから薄らハゲー!」

里妬は心底どうでも良さそうな顔をしているが、思わず口元を隠す。美少年や美少女は明らかに引いている顔をしているし、紫髪の女の子はルシファーのその薄らハゲと言う言葉に思わず声を漏らし、カップルの彼女の方はその場で大笑い彼氏側もどうにかして笑いを堪えている様だ。



しばらくして入学式が終わり、ルシファーと里妬が家に帰った後、ルシファーはやはりお仕置きとして里妬にぶん殴られて頭には腫れ上がった大きなたんこぶがあった。

「だってつまんなかったんだもん」

「だからってズラを取るな」

ルシファーは拗ねた様な顔をしている。

「でも、面白かったでしょ?」

里妬は少しの間考え、薄ら笑いを浮かべ視線をそらす。

「まぁ、あの教頭いい噂聞いてないし、ちょっと面白かった」

「でしょ?しかも薄らハゲ!」

里妬は着々と薄ら笑いから完全に吹き出してしまいニンマリと緩く口角をあげ笑う、笑わざる終えないだろう、なんてったって校長すら笑いを堪えて体育館は一瞬で笑いの渦に包まれたのだから。

「薄らハゲで笑ってる子も居たしね」

「だとしたらその子相当目いいね」

「は?」

里妬はすぐに目を丸め口角を下げてルシファーを見る。

「だってそうでしょ?里妬ちゃんも知ってる通り、俺の声も姿も里妬ちゃんにしか見えないし聞こえない、里妬ちゃんだけ何だよ?人間で俺のこと知ってるのは」

ルシファーは怪しげにニヤリと笑うと里妬の周りを動き回る。

「あれぇ?里妬ちゃんいいのぉ?里妬ちゃんだけじゃ無くなっちゃうよぉ?特別な子!アレレェ?」

里妬を貶めるかの様に囁くルシファー。

「里妬ちゃんは俺が居ないと、特別じゃ無いもんねぇ?」

里妬はニチャつくルシファーを肘で突いて退けると呆れたような顔をする。

「唆すみたいな言い方やめて」

ルシファーは「ん?」とでも言いたげな顔で里妬を見る。

俺が居ないと…ってことは天使ぐるみでしょ?アンタがそんな事言うなら、あのときの下っ端天使の奴らより強い…」

ルシファーの方を振り向かず、里妬はルシファーを訪ねる。

「どうして欲しいの、ルシファー」

ルシファーは一瞬惚けたような顔で里妬を見つめるが、思春期の子供の様な顔で唇を尖らせる。


「天使追っ払うの手伝って?里妬ちゃん…」

里妬は視線だけルシファーの方を向く

「最初からそう言えや、ルシファー」

「はーい」

「行くぞ〜」


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