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加藤あいさ
21
哀 川 せ せ ら .
14,946
ねむ
222
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「はじめ」の部屋。
ナゴミヤ旅館の前オーナーの部屋にやってきた快晴と風太。
風太「やっぱ臭いな…」
部屋の中は綺麗だがほんのり香る血腥い匂い。
快晴「(やっぱここで殺人とかしてたんやろか?)」
快晴はそう考えながら、始についてわかるような物を探した。
快晴「(部屋の中にあるのは布団一式ないベット…。黒いタンス、本がいっぱい入った本棚、学習机…?)」
快晴は黒いタンスを調べると、黄ばんでカピカピになったタオルが三枚あり、学習机の引き出しの中は全て空だった。
快晴「(なんで学生が使う机が始さんの部屋に?いや、学習机が使い易いとか?)」
「始の背丈は知らないが、実子の路郎の背丈と同じくらいか下くらいだろう」と思うと、更に疑問に思った。
快晴「古い物が捨てられない人なんか?」
そう零しながら快晴はこの血腥い部屋に何か目ぼしい物がないか探すが、特に何も無かった。
快晴「メモの切れ端すらないってどゆこと?いや、それ以前にやっぱり昨晩見たロープが無いな…」
快晴は天井を見るが、自殺痕と思わせるあのロープが何処にも無かった。
快晴「フウちゃん」
風太「ん?あ痛ててて!!せやから許可取れっちゅーとるやろがい!!」
快晴はまた風太の肩に勝手に両脚を乗せて、肩車をして貰った。天井に頭を打ち付けないように、頭を屈ませる。ゆっくり頭をあげて、天井を支えている柱に首吊り自殺の跡が無いか調べた。
快晴「え?無い」
風太「無いんか?」
快晴「嘘やろ?ほな昨日の夜真っ暗闇の中照らされたあのロープは?……うわ、また疑問が増えた」
快晴は風太の肩から身軽に飛び降りた。
風太「「ろあ」って人の部屋の鍵探すしかないな」
快晴「せやな…。ハァ、ドア蹴り壊したい」
風太「やめろや俺のガチ弁償になるやろがい」
快晴「てか別館でこんな古いんやから別に壊しても…」
風太「お前の実家のお前の部屋壊しに行ったろかァ?お?」
快晴「鍵探そか」
物騒な事を言う快晴に、風太は額に青筋を浮かばせ、厳つい顔を輩のように歪ませて、快晴を見下ろし脅した。
ヤクザ顔負けの威圧感に当てられた快晴は、素直に鍵を探すことした。
快晴「オーナーさん『別館にある』言うてたよな?」
快晴は血腥い「はじめ」の部屋を隈なく調べるが鍵も何も無かった。
快晴「ん?床…ここだけ黒い染みがある…」
快晴は横に向かって広がっている黒いシミの跡を見つけた。
風太「嘘やろ!?なんで急にホラーなん!?」
快晴「これホラーやで」
快晴はそこに四つん這いになり、そのシミをよく見た。
快晴「(血っぽいけど…。なんで壁から結構離れたところに、横に一の字に血が広がってんねんやろ?壁から血痕まで結構空間がある。この上に、何か置かれとったんやろか?なんや?)」
快晴は周りを見て、この上に何を置かれていたのか思考を巡らせた。
快晴「(滴る血…。あの空間の上にあった何かに死体置いとったんわ確か…。荷台か?)」
快晴は「荷台に、殺害した死体を置いたままにした跡」だと推測した。
風太「この部屋、クローゼット無いなー」
快晴「ん?……ホンマや」
この家は、壁にクローゼットが付いていない方なので、クローゼットは家具として買う必要がある。
それなのに、この部屋にはクローゼットが無かった。風太が違和感を感じて疑問を口に出していた。
それを聞いた快晴は、納得した言葉を零しつつ、さっきも調べた黒いタンスの引き出しの中を調べる。
快晴「黄ばんだタオルだけで……服入ってへん。引き出し三つあるゆーても、成人男性の服とか絶対入らへんタンスやでコレ…。このタオルの下糸屑だらけやから、タオル入れにしとったかもなー」
風太「ほんなら尚更可笑しいやんけ」
快晴「おん…あ、もしかして…。あの血痕までの空間の上…クローゼットやったんかも…」
風太「ホンマか?」
快晴「いや確信やのーて推測やけど。クローゼットに死体入れとった可能性がある。その時に流れてた血ーが滴り落ちた痕やな。あの床の黒い血痕」
風太「なるほどなー。そのクローゼットは流石に回収されたんかな?」
快晴「多分警察にな。それで始さんは、追いやられて自殺……うーん…」
快晴は仮説を立てたが、イマイチ『ピンッ』と来なかった。顎に手をやり少し首を傾げて、目元にかかる紫色の前髪の下で悩ましげな表情をする。
快晴「それやとさっきの奥さんっぽい人の日記が嘘……いう事になるなー。でも、あの日記には嘘はないと思うねんなー」
快晴はそうボヤキながら、この血腥い「はじめ」の部屋から出て、隣の「ちさえ」の部屋に入った。風太も快晴に着いていく。
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「ちさえ」の部屋。
風太「ちさえって誰や?」
快晴「オーナーさんの部屋で見つけた赤色の日記から推測するに、オーナーさんのオカンちゃう?多分」
風太「ほんなら開かへん「ろあ」って書いてる扉は誰なん?」
快晴「日記から察するに、オーナーさんの妹ちゃうか?お父さんの呪いで行方不明になった…」
風太「あー。って、お前呪い信じてへん癖に何言うとるねん」
快晴「信じてへんけど、その呪いの原因もまだ突き止めてへん。せやから、突き止めるまで呪いのままって事で」
風太「あっそ」
快晴「フウちゃんはどないなん?もう怖ないん?」
風太「まぁ何も知らんかった最初よりマシやわ。毎度毎度、お前とおったら呪いの類い怖なくなるわ」
風太は過去に快晴が調べようとしていた呪いの病院や家、いわく付きの家や場所、幽霊が出ると言う場所に連れていかれた時の事を思い出した。結局全て人工的な理由で呪いは一切なかった。
それを思い出した風太は、今回も快晴が「呪い話から根本的な理由にしてくれる」と信じる事が出来、途中から恐怖を感じる事は無くなっていた。