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「ちさえ」の部屋に入った快晴と風太。
快晴「(あるんわ桃色のクローゼットと、白色のタンスと、子供に人気な白猫キャラのぬいぐるみが三体と学習机…?)」
風太「キテ〇ちゃんやん」
快晴「せやな。ごっつ汚れとるしボロボロやけど…」
風太「小さい頃から置いとるって感じやな」
快晴「てか、オーナーさんのオカンも学習机、使とるやん」
風太「ホンマや珍しいな」
快晴「おん」
快晴はそう返事をしながら、学生机の引き出しを開けると、「アルバム」と書かれた、A4サイズの白色ファイルがあった。
快晴「(??なんか、えらい丸文字やな……。さっきの赤い日記に書いとった文字とえらいちゃう……)」
さっき「じろう」の部屋で見た赤色の日記に書かれていた文字はしっかりとしていて丁寧だが、「アルバム」と書かれた文字は丸文字で若い女の子が使うような筆跡だった。
この部屋は「ちさえ」の部屋なので、日記に書かれていた筆跡の主が、路郎の実母の「ちさえ」の物と言うのは確か。
なので、「アルバム」と書かれた丸文字に違和感を感じざるを得なかった。
快晴「(あの日記の内容からして、あの筆跡は間違いなくオーナーさんのオカンで…。って事はこの丸文字は「ろあ」って子の文字か…。『アルバム』って文字は勝手に書いた物なんやろか?)」
快晴はそう考えながら、A4サイズの白色のファイルを開いた。そこには写真があり、少しホコリ被って色褪せているがしっかりと写されていた。
快晴「(今このご時世写真って…)」
スマホで写真や動画を撮る時代。デジタルカメラで写真を撮ると言う事に「古風」を感じた快晴。
白いファイルの中は、しっかりと六枚固定して写真が入るように区分けされて作られている。一箇所に二枚ずつ、裏と裏が合わさり合って、写真が見易いように入れられている。
風太「家族写真やなー」
快晴「おん」
風太「夫婦の写真やら子供が産まれた写真があるなー。男の子と女の子の写真がある」
快晴「……この家族が、この家に住んどった家族なんかな?」
風太「ん?せやったらオーナーさんどこや?あのムカつく程のイケメンヅラがおらんけど…」
快晴「……オーナーさん写ってへんなー」
風太「それに、オーナーさんのオトンは女嫌いやろ?このオトンはめっちゃ優しそうな顔しとるやん」
快晴「えー…?せやったらどこの家族写真のアルバムここに置いとるねん?」
快晴が写真を見ると最後の方は、喪服を着て泣いている優しそうな父親の写真だった。一緒に写っているのは、父親と一緒に泣いている女の子。
風太「なんで泣いとるねん?」
快晴「……オカン死んだんやろか?」
風太「ホンマか…せやったら悲しいなー」
快晴「この写真撮ったんわお兄ちゃんやろうな」
風太「……この写真で最後やな。オーナーさんの家族写真かと思たけど、オーナーさん写ってへんし、別の家族写真かもなー」
快晴「うーん…」
風太「えらい微妙な顔しとんなー」
快晴「いや、オーナーさんの部屋で見た赤色の日記あるやん?」
風太「おん」
快晴「この写真に写っとる、奥さんが書いたもんやったら納得がいく」
風太「でも、その日記。子供は「じろう」と「ろあ」って書かれてたんやろ?」
快晴「せやな。オーナーさんのオカンの可能性が高い」
風太「でもこのアルバムにはオーナーさん一切おらんしなー」
風太がそう言っている間に、快晴はまたアルバムを開いた。そして、一番最初に産まれた赤ん坊の写真をファイルから抜き取って裏を見た。
快晴「ッ、フウちゃん」
風太「ん?」
快晴「見てこれ」
快晴は男の子の赤ちゃんが写っている写真の裏側を風太に見せた。
風太「はァ!?「路郎」!?オーナーさんと同じ名前やん!」
快晴「オマケにこの筆跡、オーナーさんの部屋で見つけた日記書いてる人と同じやで。あの日記書いてる人と、オーナーさんが親子言うんわわかった」
風太「え!?待って待って!?でもこの赤ちゃんはオーナーさんっつっても、成長しとる路郎さんオーナーさんちゃうで!このアルバムに写っとる路郎さんは普通の塩顔やん!」
快晴「……本人に聞こか」
風太「せやな!」
快晴と風太は、アルバムを持ち、路郎がいるであろうナゴミヤ旅館へ向かった。
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ナゴミヤ旅館に戻った快晴と風太。風太は早足で歩き、オーナーの路郎を探し回っていた。玄関口から近い受け付け、オーナー室へ行くが、路郎の姿はそこには無かった。
そして、台所で昼食を作っている路郎を見つけた。
風太「オーナーさん!!」
路郎を見つけた風太は、ズカズカと彼に歩み寄る。その後ろには快晴が着いて行くが、冷や汗をかいて疲労感漂う表情をしていた。
快晴「(歩くん早いねんコイツ)」
早足で大股でズカズカ歩く風太。その風太と離れないように快晴は駆け足で少し本気で走っていた。
快晴「ハァ…ハァ…(僕運動不足やのに…!)」
自分が運動しない事を棚に上げて、快晴はジトッとした目で路郎に向かって話しかけている風太の逞しい背中を睨んだ。
加藤あいさ
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哀 川 せ せ ら .
14,946
ねむ
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