ゴールテープを切った時の快感と走りきった達成感と俺のための歓声。
全てが心地よくて、全ては俺のためにあってほかの歓声は聞こえなかった
全部俺のためにあった
手に欲しかったものは求めれば直ぐに手に入った
求めれば直ぐに入る、そんな都合のいいことにいつか飽きてしまって生きること自体が面倒臭いと思うようになっていた
女も金も1位も全部すぐに手に入った
だけど今回は違う。
あいつだけは俺の手元に来てくれなかった
初めて見た時から俺の心にビリビリと衝撃を与えた。
眼鏡の隙間から見えるオレンジの瞳が綺麗だ
分厚い眼鏡を外して濃厚なキスをしたいと思った
煤色の髪の頭を撫で回して、もちもちの頬に触れたいと思った
それを叶えるべく、俺は早速あいつに近寄った
u「…今何してるん」
c「ぁっ…あぁ、ええっと…」
おどおどとした反応は俺に話しかけられたからなのか、普段からこうなのか?
そんな初々しい反応も他の奴とは違う別の魅力があってとてつもなく可愛い
u「ねえ僕のことわかる?」
c「えっと…utさん、ですよね…!」
にへっと下手くそな笑顔で言う
あぁ、かわいいかわいい…早く俺のものに…
そう思ったのにあいつが来てから状況は一変した
きっと俺がチーノの心の緊張をゆっくり解いて次第にチーノは俺の元へ飛び込んできてくれるはずだった
今までチーノが人に懐いたところを見たことがなかった
だがショッピが転校してからというものチーノはショッピと言うやつにつきっきりだ
u「…おれの方が先に…」
だめだ、だめだ…これじゃ俺がチーノに積み重ねてきたものが全部壊れてしまう!!
早くショッピから引き剥がさないと!!!
…
笑った時頬にできる笑窪が好きだった
少し高くなる笑い声もチーノの素を見れているような気がして大好きだった
sy「…チーノ?」
c「なぁに?」
sy「んふ、やっぱり何も無い」
ci「なんだよそれ~」
sy「やっぱおれお前の笑った顔好きやわ、これからもずっと笑っといてや」
ci「…まじで照れるやん、やめて…」
体育座りしていた膝の中に顔をゆっくり埋めた
耳は真っ赤に染っている
sy「チーノ?」
ci「…なに」
ちらっとこっちを見る目は少し色気が混じっているような気がして不意に可愛いと思ってしまった
sy「こっち向いて」
ci「だからっ…何ってば…!!」
ムッと怒ったような恥ずかしいような表情はよく分からないが、じっと見つめてしまう
sy「…お前かわいいな」
もっと照れた表情が見てみたくてからかうようにそう言ってみる
ci「なっ…!?は、なに可愛いってなに…!!」
瞼がぱちっと開いてオレンジの瞳がよく見える
sy「そのまんまの意味やって」
ci「…お前のこと好きって言ってんのに…そういう思わせぶりやめろや…」
sy「んふふ、ごめんて。」
ci「…もっとお前のこと好きになったらショッピのせいやから」
心臓がいつもより早く鼓動していたのはいつからだっただろう
…
今日のショッピは一段とおかしい
表情からも行動からもあいつの感情は読み取れない
それはいつもの事だ。いつだってあいつは俺に自分の感情を打ち明けることなんて滅多にないのに、ないのに…!!
今日は俺になにか不幸があるのではないかと疑うくらいにはショッピはやけに素直だった
俺がショッピのこと好きって、わかってるのに急にかわいいとか、そんな顔見つめられたら顔熱くなりすぎて爆発してまう
ショッピが俺の事好きだったらどうしよう!
やっぱり俺たち付き合えちゃったりするのかな
今日可愛いと言われたことが嬉しくてショッピの気持ちに期待してしまうショッピのことを考えていると後ろの席から肩をとんとんと叩かれた
ut「ねぇ今何してたん」
叩いてきたのは後ろの席のutくんだった
ci「ぇ、えーっと、考え事かな…?」
親しい人以外と話すのはあまり得意じゃない為言葉に詰まってしまう
ut「…へぇー、ねえ今週末さ僕と遊び行かない?」
ci「どうしてそんなに急に…?」
ut「俺もっとチーノ君のこと知りたいなぁ」
そう言って冷たい鬱くんの手が俺の手をぎゅっと握る
ci「…あ、あぁ…そうだね、いいよ。」
ut「ほんとに?やった~!!ねぇせっかくだしLINEも交換しちゃおうよ」
ci「あぁ、うん…!」
そう言って差し出されたスマホのQRコードを読み込むとうつと書かれたLINEのユーザーネームが見えた
ut「あ、チーノ君のアイコン可愛い猫ちゃんやぁ」
ci「猫が好きでさ…」
ut「へぇ、そうなんや…」
─キーンコーンカーンコーン
ut「ぁ、チャイム鳴っちゃったまた次の休み時間話そな!」
ci「ぁ、うん…!」
やけに鬱くんが俺の顔や身体を舐めまわすように見てくるのは気の所為だろうか
あまり話したことの無い相手と目を合わせて喋ることは俺には到底出来ないため正直反応には困ったが人気者の鬱くんのことだ。
きっとこれが普通なのだろう…
sy「後ろの席の鬱?って人あの人結構人気なんやね」
隣の席で本を読んでいたショッピが本にしおりを挟みながら言う
ci「あぁ、そうみたいやね。俺今週末さ遊びに誘われたんやけど…」
sy「ええやん、初の友達ちゃう?楽しんできや」
ci「そこでショッピにお願いがあるんだけど…!」
sy「なんや」
ci「俺ファッションセンスが絶望的やねん、そん時の服装考えてほしくてさ」
sy「なんやそんな事かいな、ええで。じゃあ金曜日お前ん家行くから」
ci「ほんまにぃ!?まじで助かるわぁ…」
sy「…その、遊びに行くのってデートとかじゃないよな?」
頬杖をつきながら話を聞いていたショッピが神妙な面持ちで言う
ci「…?ちゃうけど」
sy「…ほーん、まぁどうでもええけど」
ci「…そう?」
サブ垢の方で3Pあげた‼️
本垢で続きあげるって言ったけどサブ垢の方であげます🙂
サンコウ2
⬆サブ垢
🔞しか書かない垢です‼️
コメント
1件
めちゃめちゃ最高です!!ものがたりが読みやすすぎて震えてます:(´◦ω◦`):