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tg視点
朝、目を覚ますと、隣で先輩がまだ寝息を立てていた。
昨日の夜のことを思い出して、俺は一瞬で目が覚める。
やばい、思い出すだけで心臓がうるさい……!
先輩に抱きしめられたまま寝落ちしてしまったせいか、今もまだぬくもりが残っている気がする。俺はそっと自分の胸に手を当てた。
tg 落ち着け、俺……
深呼吸してみるものの、効果は薄い。俺がまだ布団の中でモゾモゾしていると、ふいに隣の先輩がゆっくりと目を開けた。
pr …ん、おはよ、ちぐ
寝起きの低い声にドキッとして、思わず布団を引き寄せる。
tg お、おはようございます!
pr ふふ、なんや、めっちゃ警戒しとるやんw
先輩はニヤッと笑いながら俺の顔を覗き込んできた。
tg べ、別に! 警戒なんてしてません!
pr ほんまかぁ?w
先輩は布団の中で俺の頬をつついてくる。俺は慌てて顔を背けたけど、熱くなるのが自分でもわかった。
pr ちぐ、朝からそんなに顔赤くして、もしかして昨日のこと思い出しとる?
tg ~~ッ!ち、違います!
pr ほんまに?
tg ほ、ほんまです!
俺が必死に否定すると、先輩は楽しそうに笑ったあと、大きく伸びをした。
pr ま、ほんなら今日はどっか遊びに行くか
tg え?
pr 昨日の夜はからかうばっかりやったし、今日はちゃんとデートしたろ思ってな
tg デ、デート!?
pr おう!せっかくやし、俺と二人で出かけへん?
さらっと「デート」なんて言われて、俺の脳は一瞬フリーズする。
tg そ、そんな…急に…
pr 嫌なん?
先輩がじっと俺を見つめてくる。その視線に、俺はつい視線を泳がせた。
tg 嫌じゃ、ないです…
pr ほんなら決まりやな!
先輩が俺の頭をぽんっと撫でる。俺はその手を払いのけることもできず、ただドキドキしながらうつむいた。
pr じゃあ準備してくるわ
そう言って、先輩は布団から抜け出して、部屋を出ていった。
俺は布団を被ったまま、大きく息をつく。
tg デート、かぁ…
どうしよう。まだ心臓の音がうるさい。
こんなんで、一日大丈夫なんだろうか。
不安と期待が入り混じるまま、俺はゆっくりと布団の中から顔を出した。