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夫が単身赴任してから1年後~8年後 ②
何とうれしい誤算!
結婚生活が始まってすぐに普通に薫とは夫婦生活があった。
初夜から薫とはスムーズに仲良しは始まった。
薫の穏やかな雰囲気とやさしい息遣いがゆるりゆるりと
私をリードしていく。
私はただそれに付いていくだけ。
ただ心地よく、そして素直に自分をさらけ出し……
私はおそらく初めてその夜、性の喜びというものを知ったのだと思う。
薫の経験値がどんななのか、私には分からなかったけれど
薫の行為はやさしく時に激しく、そしてわたしがすごく感じ入ったのは
行為のはじめ方と終わらせ方がスマートで自然だったことだ。
私は常時SEXに対してストレスを感じずに済んだ。
ただ薫と身体を寄せ合い睦み合い、心のままに自分を
相手にゆだね、時に相手を貪った。
私と薫との初めての夜はお互い感動の夜になった……
少なくとも私は。
私の経験値は元夫だけ。
ほかは知らない。
だけどそれでも……薫とのSEXは心の在り方も身体の相性も
驚くほど良くて私は行為の後、不覚にも泣いてしまった。
そんな私に薫は無言で私の頭を撫でてくれただけ。
必要のない、どうして? などと聞いてはこなかった。
ただそこにあったのは慈しみの心と静寂のみ。
私は薫に我が身をゆだね安らかな眠りについた。
追画像 AI生成画自作 イメージ画
54-2
元夫とは、されるがままっていうやつだった。
所謂これが、世間でいうところのマグロっていうこと
だったのかもしれない。
私は自分の欲望をついぞ元夫の前で見せることはなかったのだ。
戸惑いや葛藤が多き過ぎた。
受身でいることの拘りを捨て去ることが出来なかったし
捨てさせてくれなかったとも言えるのかもしれない。
薫にはそういう余計なものを取り繕う必要がなかった。
ただただ、身体でのコミニュケーションがうれしくて
うれしくて、気がつけば私はなけなしの遣り方で薫に
向かっていってた。
もう驚くほど私たちの身体の相性は良かった。
生活の場で心地よい存在であり互いにやさしくいられたから
そういうことも相まってのことだろうと思う。
私は元夫がはじめてだったし、その元夫も元々淡白だっのか
回数も少なく、薫と経験してから思うにあまり良いSEXは
してこなかったのだと確信するようになった。
元夫は忙し過ぎたこともあり
そして元々あまり夫婦生活というものを重要視してなかったのか
勝手にレスり、その話題を私と話し合うこともなかった。
私はたまたま元夫の会社のはっちゃっけたアホな女子社員の
upした動画で元夫の真意を知ることになったのだが、あれを
もしも見てなかったらと思うとぞっとする。
私はずっと夫の行為を待ち続け枯れた女で過ごしていたの
かもしれなかったからだ。
そして今こんなにも心身ともに充実できる伴侶に巡り会えた
今、よけいにそう思う。
はっちゃけ姉さんにはありがとうって思えるくらいだ。
夫が単身赴任してから1年後~8年後 ③
夫が単身赴任してから8年後の現在
今なら薄っすらと分かる。
当時は想像もつかなかったコト。
元夫はモテる男だった。
だからSEXの経験値については、高いのだと当たり前のように
そう思っていた。
おそらくは、私の勝手な思い込みだったのだと思う。
彼はモテる人ではあったけれど、性のほうの経験値は
多くなかったのだろうと今なら分かる。
自分の経験値が上がった今だからこそのことだ。
性の喜びを感じられないのは自分の……
自分の肉体のせいかもしれない、そんな不安を持っていた。
性のことについて元夫と気楽に話し合えないことも
少なからずストレスだった。
もっと気楽に話し合って、少しずつ私たち夫婦の営みが
良いものになればいいと、良いモノにしていけばいいと
夫の本意を知るまでは健気にも私は真剣にそう考えていた。
だがひょんなことで知った夫の本意。
私は自分の中の何かが壊れていくのを止められなかった。
現在より遡って……
薫との結婚を決めた頃のこと
薫の持つ特性から言って浮気はない。
もし、誰かから誘われれば必ず私に了承をとるはずだから。
行っていい? と。
だから薫を追いかけてくる女がいても情報は私に筒抜け。
私は薫に言った。
「好きになった女性からデートに誘われた時は私にちゃんと教えてね」
「あぁ、分かった」
◆55-2
薫の返事は そんなことあるわけないじゃないか……ではなく
分かった……だった。
分かったってぇ~、ですって。焦っちゃったわぁ~。
そんな可能性あるンかいっ? いやよ、それっ。
◇ ◇ ◇ ◇
それにしても私は何て愚かなことを薫にいったんだろう。
余裕のある振りをしたかったのかなぁ。
あの時の気持ちが自分でもわからない。ただのアホォだぁ。
今思うと脂汗ものだ。
結婚後、思ってた以上に結婚生活は順調で、私は薫に前言を撤回した。
「前にね、好きな女性からデートに誘われたら教えてって言ったけど
いらないから。
教えてくれなくていいから」
「由宇子ちゃん、僕は由宇子ちゃんや子供たち、母さんや
叔母さん以外と一緒に遊びには行かないよ。
それと好きな女性っていないしぃ。
僕にはもう大好きな奥さんがいるしさ。
変だよ、そんなこと言うの。
ずーっと由宇子ちゃんと僕は一緒だろ?
他所の女性となんて一緒に遊んだりしないよ。
そういうの浮気になるんだろ?
それにさ普通奥さんにそんなこと教えないでしょ?」
「ヘー、ハー、ホー
薫、大人になったんだね」
「もう随分前にね。
父親にもなったんだし、いつまでも子供じゃいられないよ」
ふふっ、そうだね。安心した。
言葉にしなかった私のことば。
—教えてって言ってたけど、そういう誘いは全部断ってね—
言わなくても私の欲しい言葉を薫がくれたから
私はとても幸せ。
AI生成イメージ画像2 自作