13話 貶めノ呪い
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︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎数百年前 、” 儀式 “ は始まった
︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ 日本の首都 東京 に崇められていた神
︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎
︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ” 美凰 “ を全国の由緒ある神社に迎え入れ
︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎ ︎︎︎命の代わりとなる 血 を交わし
︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎” 五穀豊穣 “ を祈願するモノ
︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ 然し、神は定めを放棄することを許さない
︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎言わば 御神体から離れることができぬ故
︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎自らの ” 依代 “ を探し、儀式を行う
︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ” 依代 “ に選ばれし者は儀式を定めとし
︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎全国を巡り 、清めを果たした後に
︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎︎︎ ︎︎ 解約を許される
︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎︎︎ ︎︎︎ そして 時が経ち 、百年
︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎今宵 、儀式の終期を迎え始める
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祓い人A「 どうぞ、お座り下さい 」
私「 …. 」
祓い人A「 …. / 箱を開く 」
祓い人A「 神ワタリ様、百年前の血を返上します 」
祓い人A「 そして どうか、今世紀も我らの生命をお守り下さい 」
私「 …. 」
私「 お守りします、必ずや 」
私「 さぁ血を差し上げましょう 」
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私「 …. / キョロキョロ 」
周りに人がいないことを確認し、私はお面を外す
私「 ふぅ…. 」
私「 美凰、昔の血預かったけど飲む?」
美凰「 嗚呼、貰おう 」
私「 …. 」
そう、私が13歳の時に出会った妖怪
彼こそが儀式の要となる ” 美凰 “
つまりは 神様 だったのだ。
あの日、彼は依代となる人間を探していたらしく
偶然にも妖力の強い私を見つけた
そして、儀式の周期の百年が近づいた頃
彼は、中学3年生の私に依代になってくれと相談
してきたのである。
私( 断る理由がなかったから引き受けたけど…. )
私( まさか本当に全国の神社を巡るとは思ってなかった )
中学生、加えて 東京の施設にいた私は
何度も飛行機や新幹線に乗ることは難しかった。
移動手段に困っていた私に、美凰は必要ないと断言し、陣を描いた
その陣は同じモノを行きたい場所に用意し、移動する者が呪文を唱えると転移できるという術だった。
恐らく、禁術に等しく 神にのみ許される行為
私( それになんと言っても ….このお面 )
” 依代 “ となる者は素性を知られてはいけない為、特別な道具を使うことが決まっている
それが、私の持っている ” お面 “
通り名として __” あべこべの面 “
と、呼ばれているらしい
あべこべ の意味のように容姿が反対になるとか….?
簡潔に言えば、女性から男性になるモノ。
服装は歴代統一して ” 白の浴衣 “ とされている
ちなみに、会合( 一期4話 )で私の呼び掛けに応じなかったのは このお面を探していたから__とか?笑
美凰「 残りは幾つやら…. / ハァ 」
私「 大変なのは私の方だと思うけど 」
美凰「 我は力が吸い取られていくんだ 」
美凰「 少し、眠る 」
私「 お休み、次は1ヶ月後ね 」
美凰「 あぁ、後は任せた 」
私「 ….帰ろっと 」
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ガチャ
私「 ただいま 」
私「 …. 」
この問いに返答がないのは初めてだった
私「 ….寂しい、のかな 」
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数日後
私( 高校生って暇…. )
私「 ふぁ ~ あ / 欠伸 」
田沼「 眠そうだな 」
私「 うん、暇すぎてね 」
田沼「 ….そういえば、そろそろ桜の開花時期だな 」
私「 ん? ….あぁ、そうだっけ 」
田沼「 俺の家の近くにもよく咲いてた 」
田沼「 そうだ、今度ウチに来ないか?」
田沼「 ついでに見てもらいたいモノがあるんだ 」
私「 え?」
田沼「 …. 」
私「 …. 」
田沼「 あ、いや!変な意味じゃなくて!」
私「 ? ….私でいいなら行きたい ニコッ 」
田沼「 あぁ、咲いたらまた言うよ 」
私「 ありがとう、田沼くん 」
・
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・
朱楽「 結局、友人を作っているではないか 」
朱楽「 初日の威勢はどうした?」
私「 そうだね、ごめん 」
朱楽「 ….守り抜けば問題は無い 」
私「 え?」
朱楽「 なんて、綺麗事は言えないか 」
私「 …. 」
私「 朱楽 」
朱楽「 ん?」
私「 学校で姿を出していいって誰がいつ許可をした?」
朱楽「 …. / ショボーン 」
朱楽「 す、すまない 」
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そして、あっという間に時は過ぎ
初夏を感じる頃 __。
私「 スッ / 面を被る 」
私「 …. 」
私「 沖縄本島、𓏸𓏸神社 ….か 」
私は陣の上に立ち、血を落とす
私「 ⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯ …. 」
私「 我を迎え入れる者、門を開き給え 」
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沖縄本島 𓏸𓏸神社 前
祓い人B「 スッ / 頭を下げる 」
祓い人B「 お待ちしておりました 」
祓い人B「 どうぞ お上がり下さい 、我らが神ワタリ様よ 」
私「 …. 」
私( 沖縄、初めて来た )
・
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・
祓い人B「 儀式はこれにて終了です 」
祓い人B「 遠い所からありがとうございました 」
私「 礼など不要です。定めですから 」
ポツポツ …. ( 雨 )
祓い人B「 おや、雨 」
祓い人B「 これもきっと、祈願のお陰でしょう 」
私「 ….ここの作物に雨は宜しいのですか?」
祓い人B「 適量がどの作物にも必要です 」
祓い人B「 さぁ、陣へ向かいましょう ….って 」
祓い人B「 しまった….!陣が ッ!」
私「 ! 」
外へ出て確認をすると、陣は雨で流されてしまっていた
私「 はぁ…. 」
私( また、帰れなくなってしまった…. )
祓い人B「 申し訳ありません、事前に予報を確認しておくべきでした 」
私「 構いません、よくある事です。近くに宿泊施設はありますか?」
祓い人B「 ここ近辺ですと ….あぁ、民泊があったはずです 」
私「 民泊? ….分かりました 」
祓い人B「 お送りします 」
私「 ご心配なく、これ以上の私的な交流は控えたいので 」
祓い人B「 ….かしこまりました 」
祓い人B「 雨が治まり次第、式を飛ばします 」
私「 えぇ、よろしくお願いします 」
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パシャッ パシャッ !
私「 全く ….酷い雨!」
ゴロゴロ …..ガッシャーン!!
私「 雷まで….?」
私( 本当に、雨の予報はなかったのかな )
私「 ….朱楽 」
朱楽「 ん? / ドロンッ 」
私「 何か引っかかる、もしもの時はお願い 」
朱楽「 あぁ、心得た ….面は預かっておくか?」
私「 いや、このままで行く 」
私「 普通の人間ならこの姿では見えないからね 」
・
・
・
トントンッ
私「 すみません、どなたかいらっしゃいませんか?」
ガラガラガラ ….
主人「 はい 」
私「 夜分遅くにすみません」
主人「 いえいえ、….旅行客ですかい?」
私「 え、まぁそんなところです ….急に雨に打たれてしまって ニコッ 」
主人「 タオルをお持ちします、中へどうぞ 」
私「 ….ありがとうございます 」
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主人「 お兄さんも運が悪いですね、土砂降りなんて / 苦笑 」
私「 そうですね、不運極まりないです 」
主人「 暫くは止まないと思いますし、一泊されますか?」
私「 …. 」
私「 いえ、結構です 」
主人「 はい?」
私「 向こうの陣が消える前に帰らねばならないので / クスッ 」
私「 失礼。….陣を描く為、玄関先をお借りしても宜しいですか?」
主人「 陣?一体なんの事ですか….?」
私「 ご主人、何故 手荷物も持っていない私を旅行客だと思ったのですか?」
主人「 ! 」
私「 貴方は祓い屋ですね?」
私「 これまで2回ほどいましたよ、私を貶めようとしてくる輩がね 」
私「 儀式の迎え入れをした祓い人もグルですね?」
主人「 ….バレたなら仕方ない 」
主人「 お前にはここで ッ!」
主人「 !? ….何だ ッ 」
私「 さぁ、何でしょうね / ニコッ 」
私「 ….よし、できた 」
私は陣の上に血を落とし、呪文を唱える
私「 我を迎え入れる者、門を __ 」
主人「 シュッ / 札を投げる 」
私「 ! 」
私( もう転移が….!)
主人「 ふはは ッ!向こうの地で朽ち果てろ….!」
主人「 その呪いは絶対に解かれないモノだ!」
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私「 はぁ、はぁ…. ッ 」
朱楽「 大丈夫か、伊吹 」
私「 とっさに左腕で受けたから平気だよ 」
私「 呪いなら解呪すればいいだけ 」
朱楽「 だが、呪いの種類が分からなければ…. 」
私「 ….暫くこのまま過ごす 」
私「 効果を見て判断できるかもしれない 」
朱楽「 ….すまない 」
私「 いいんだよ、呪いを受けたのが朱楽じゃなくて良かった 」
朱楽「 …. クゥーン 」
朱楽「 祓い屋を呼んでくる、誰か解けるかもしれない 」
私「 あはは ッ 」
私「 朱楽、知り合いに祓い屋いたっけ….?」
私「 ごめん、少し ….寝る 」
朱楽「 伊吹? 伊吹 ッ!」
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コメント
1件
見るの遅くなっちゃった💦 神様だったの!驚き!