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#人間ドラマ
第二章:ピョンイン・サオク(丙寅邪獄/丙寅教獄)編
第一節:対談
ヨヌとサムジはス一族の実家であるピボムボク・ピョンイン・サオク(丙寅教獄)博物館に向かった。
その時、3人くらいの男女が登場した。
サムジ「あなたたちは?」
女子高生風の服を着て、女性のような華奢な顔立ちをしたジウォンが自己紹介をした。
ジウォン「僕はチェ・ジウォン(崔志源)。女子高生に見えるけど、僕はれっきとして男の娘(おとこのこ)。
プサンから来たんやで。もちろんあのお化け屋敷に。そうや、この人はユン・ハナ(尹荷娜)。
一個年上やけど、ハナオンニって呼んでるんや…でもハナオンニは生まれつき言語障がいがあって言葉が喋れないからKSL(韓国手話)と筆談、唇を読んで会話をするんやけど耳はよく聞こえる。それもあってソウルヨンサン聾学校に通っとるから」
ハナは2人の前で笑顔で右手で自分の胸に当てて、「私」を表現。
次に右手の親指と人差し指の先を少し開いた形にし、人差し指を立てた状態で身体の前で左右に軽く振り、「名前」を表現。
人差し指と親指で丸(サークル)の形を作り、
親指を横にして、人差し指を下に下ろしてハングル母音のウにし、そしてローマ字のLにしてハングルの指文字の『ユン』を表現。
両手の指先を軽く合わせ、上に向かってつぼみが開くようにふんわりと広げる動作をして『ハナ』を表現。
KSLと唇を動かしながら「ナ ユン・ハナヤ(私はユン・ハナだよ)」と伝えていたのだった。
サムジ「親しみのある年上女性に対しては本当は女性がお姉さんを意味して『オンニ』と呼んで、男性が『ヌナ』と呼ぶはずですが…」
ジウォン「それがホンマに窮屈なんよ…」
ヘリン「私も一緒だよ。私はカンジョン・ヘリン(岡田慧潾)。ハナヌナとはSNS友達。ジウォンは私と同級生だけど関係は友達以上恋人未満。けど呼び名なんて気にしなくてもよくね?
男性だから?女性だから?っていう理由で変な目で見られるの本当にうんざり…男性がオッパって呼んでもいいし、女性だってヒョンって呼んだっていいんだから別に…
しかも私は学校でマドンナ扱いされて誰も本当の私なんて見てもくれなかった…けどジウォンだけは違う。」
ジウォン「彼女だけは僕に本音を明かしてくれたんや…僕にとっても無理して明るく振る舞って来たんだなって伝わるんや…そんな時にSNSで出会ったのがハナオンニって訳」
サムジ「ここに来た理由は博物館に行きたかったんですか?お化け屋敷みたいだとタクシー運転手さんから聞きました」
ヨヌ「私もハナさんのことをハナオンニって言っても大丈夫ですか?」と言った。
ハナは無邪気な笑顔で「うん」と軽くうなづいた。
サムジ「私は普通にユンさんと呼びますがね。」
ヘリン「面白い仲間ができてよかったよ。」と長い金髪を左手でなびかせ、背中に装備してある長い刀剣で、鞘に収まってる状態の約134cmのサンスド(双手刀)を布から取り出し「カーンッ」とどっしり構えるのだった。
ジウォンも茶髪ロングを左手でなびかせ、布からシルラ(新羅)時代のレプリカである黄金の鳳凰と龍(柄頭についている)直刀「ファンドゥデド(環頭大刀)」の二刀流を取り出して、腰のベルトに佩刀として紐で結んで装備するのだった。
ヨヌ「武器まで持ってたなんて…歴史的重みも違いますし、凄いですねなんだか」
ヘリン「私の武器は日本刀の大太刀から影響を受けた韓国発祥の武器とも言えるんだよ。なぜなら私のひいひいおじいちゃんが日本人だったし、名前も日本名の岡田だった。当時日帝時代のプサンへ移住したことから私のルーツが始まったし、この武器と私のルーツが友達みたいに共鳴してるから気に入ってるんだよね。」
サムジも背中から薙刀よりも持ち手が40cm程短いシンジャンカル(神将刀)と神聖さを表すために大量の麻糸で覆われている74cm程の金色のサムジチャン(三枝槍)を取り出してベルトに装備するのだった。
サムジ「私の実家が巫俗(ムソク)で山中で経営しているんです。しかも母親の名前であるサインゴン(四寅剣)がムーダン(巫堂)で、よく豚のいけにえを三枝槍と神将刀で立たせる儀式も行っていますから。これをサスル・セウギ(神事)と呼びます」
ヨヌ「宗教的にも神様と人間が直接コミュニケーションを取るデバイスとしての意味合いがあるんですよね?」
サムジ「ええ、そうです。」
※ムソクとは韓国の伝統的な土着信仰としても知られており、日本で言う神道のような物です。
ただし、神道の建物である神社と同じように建物がオープンにある訳ではないため、基本的には外部の人間が無断で立ち寄ることが禁止されている等閉ざされた空気感があることでも知られています。
※ムーダンとは韓国のイタコとも呼ばれているシャーマン的な立ち位置だとも言われています。
ハナが口で「行こう」と動かして前方向へ指差すKSLをするのだった。
そう言って5人は博物館に向かうのだった。
サムジ「そうだ。ジウォンさんとヘリンさんはプサンのどの高校に通ってるんですか?」
ヘリン「プサンジンク・キリスト高校だよ。
しかもめっちゃ勉強漬けの生活だしね。何なんだよって思ったよ本当に」
ジウォン「カトリックとプロテスタントの教義を基礎から学べるって聞いたから入学したんやけど、まさかそれ以上に勉強ばっかの生活で嫌気が指してるんや…しかもヨンシクっていう男が僕のこの見た目や振る舞いが気に入らなくて『オカマ』呼ばわりするんやで。男の娘として自覚はあるけど、オカマと男の娘は全然別なんやから…」
ヘリン「ジウォンは私もそうだけど他の女友達だけは多いんだけど、ヨンシクだけは私も嫌い。
最初はいい奴だと思ったけど、ジウォンを見下すようになってから好きじゃなくなったよ」
ヨヌ「ヘリンさんがさっきマドンナとして生きづらかったって言ってたけど、あなたのこの見た目ってまさか整形か何かですか?」
ヘリン「よくわかったじゃん!そうだよ。私も地味な思春期の頃から両親に整形へ何度か通わされて、自分の顔が嫌になって、ストレスが溜まってたからお医者さんに通うこともあった。
『身体醜形障害』って診断されてから整形をやめて、自分らしくいようと思った…化粧もして明るい見た目になってから今の高校みたいに私をマドンナ扱いして来たってこと」
ヨヌの心の声「そもそもお化け屋敷に入るなんて嫌だぁ….肝試しでもないし、何だよ、一体…?」とビクビク震えていた。
ヨヌ「あなたたち3人がここに来た理由って肝試し感覚で来たんですか?」
ジウォン「そうやで!どんな怖いスポットがあるのか知りたくて、国内線使って釜山からソウルまで行った!」
サムジ「バスや車だと3時間以上かかる距離ですからね」
ヨヌ「びっくりしたぁ…もちろん学校は終えてですよね?」
ヘリン「当たり前でしょ?!ヨヌって面白いよね本当に」と苦笑いをしていた。
そう言って扉に前に到着する5人だった。
コメント
9件
読み終えました〜!新キャラの3人、個性がすごく立ってていいですね。特にハナさんの手話の描写が丁寧で、映像が浮かぶようでした。ジウォンとヘリンの関係性も気になるし、ヨヌがビビってるギャップも可愛い。博物館の前に立ったところで続きがすごく気になります…!武器もそれぞれかっこよくて、これからの展開が楽しみです🤍