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沢山の♡ありがとうございます!
これからも、この『サンコウの木』を読んで♡を付けてくれると嬉しいです。
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第46話
僕は、あれから会議に行っても口を出せずに終わってそのまま、凱旋パレード当日になった。
僕の意見なんて必要無いし。知らん。なるようになれ。
それと、アニカは……避けている。気づかれないように光を読んで、城の複雑な廊下を駆け回っていた。あの石のお陰で、疲れない。
後で調べて分かったけど、あの洞窟って、光と治癒と時空と緑の魔法石が混ざっているから、光の力も強くなった気がする。貯まったのか、魔法石なのかは分からない。
ソフィーもまだ見つからないけど、光は強いからどこか近くにいるのは分かる。アニカとソフィーの光は見える。親族とか、王族の血を引いている家とかは大体、外国にいるからこの国で使えるのは、僕の家と、王族だけ。
それにしても、当日かよ……嫌だ。あんな所、行きたくない。
僕は本心を押し殺して聖騎士の服を着た。十七年前から変えてないし、殆ど着てない。
着たのは、あのジョルジャ様の葬儀の時以来だ。
僕が団長と二人で馬車が待っている所に行くと騎士と、馭者が一人ずついて、侍女に連れられてきたアニカがいた。
アニカは綺麗な緑のワンピースを身にまとっていてメイクも可愛らしかった。
でも僕は顔を紅くするのをこらえた。十五年前にはできなかっただろう。
「今日の護衛です」
そう言ったのは最近入った新人さんだ。多分、十五歳くらいだろう。
僕は一礼してから馬車の上からエスコートした。
アニカは少し顔を紅く染めていたけど、こんな一面もあったんだなと少し胸が引き締められるように感じた。
団長と侍女は下がって、護衛は後ろに乗った。馭者は馬の蹄を確認している。まだ時間はあるらしい。
一応、僕も剣と弓と矢を何本か持たされているけど、よっぽどの事が無ければ振らないだろう。
「あの……ロルフさん。どうするのが一般的というか、正しいのですか……?」
え? 僕に聞くことじゃないでしょ……まぁ、アニカらしいけど……
「僕もこういう場は、いつも護衛の立場だったので……すみません。答えにならず」
「いえ。こちらこそ、こんな事を聞いてしまってすみません……私は本当に姫だったのですね」
姫だよ。まぁ、僕も記憶が無かったら、何も証明のしようが無いけど……
「えぇ。それと、とてもお似合いですよ」
そう言うとアニカは顔を紅く染めて微笑んだ。
「……ありがとうございます。お世辞でも嬉しいです」
変わったな……絶対、昔はこんな事言わなかったもん。
「僕は、人にお世辞を言えるほど器用ではありません」
……まぁ、アニカ自身、何が起こってるのかまだ、分かりきってないもんな……こんな、残酷な終わりなんて……
「……あの、ロルフさんって、私の護衛だって聞いたんですけど……」
は? 外れないの?
ちょっと待って。頭が追いつかない。アニカは外出してないから良かったけど、何がどうなった?
え? 僕、アニカを悲しませる事に……
「え、あ、いや……その、勿体ないんじゃないのかなって……それに、あんなに大きな怪物と戦って休みが一週間なのに、護衛って……いくらなんでもおかしいです」
……根はアニカなのは変わらない。
「……いえ。僕も望んでいた事ですから」
僕は青空を見上げながら言った。
もし、これが償いになるのなら、今度は絶対に守り切るから、護衛になりたい。絶対に悲しませない……
「ロルフさんは、なぜ、望んでいたのですか? こんな記憶も思い出せないような、無能なのに……」
無能って……それは、僕こそ。
「守りきったのに、なぜそのような事を仰るのですか。それは、僕だっ――いや、すみません。でも、もっと自分を褒めてもいいと思いますよ」
僕は急いで口を噤んだ。
……駄目だ。そんな事、口が裂けても言えない。
「……そうですね。でも、何か思い出せたらいいのですが……」
「気長にいかないと、いつの間にか、思い詰められてしまいます」
「えぇ。ありがとうございます」
アニカが微笑んだ。
「姫様は、ずっと立ち向かってたのに僕は何をしていた事か。そう考えると、僕は歯がかゆくなってしまって……追求はしないでください。分かる頃には貴女から離れないといけませんから……」
アニカに顔を向けて口の前に人差し指を立てた。
天と地を治める勇者。そんな、ホルムの希望の光と言われていたやつがこんなザマなんて……
口止めが上手くいってるからいいけど、嘘はずっと隠せるものでは無い。
アニカは少し考えてから頷いた。
「……分かりました。これから、よろしくお願いします」
「はい」
「出発します。勇者様も、姫様も、笑顔で手を振ってくださいね」
そう言って馭者が手綱を振った。
コメント
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「サンコウの木」、第47話読み終えました。ロルフがアニカを避けながらも、パレードでエスコートする場面、すごく胸にきました。昔と変わらない根の優しさと、今は隠すしかない後悔・償いの気持ちが混ざってて…「僕も望んでいた事ですから」という台詞に、重みがありました。アニカが「無能」と自分を責めるのも痛いけど、そこを否定するロルフの優しさが泣ける。光の石の設定や、勇者という肩書の重さも気になる伏線で、次が待ち遠しいです。