テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
#まぜあと
1,344
――バンッ。
乾いた銃声が響いた瞬間、視界がスローモーションみたいに歪んだ。
……けど、痛みは来なかった。
まぜ太「……え?」
目の前に、誰かの背中があった。
ばぁう「……ったく、遅ぇんだよ」
ロゼ「ギリギリすぎるでしょ…!」
弾は、ばぁうの腕をかすめて地面に逸れていた。
蘭「ちっ……邪魔が入りましたか」
ばぁう「好き勝手やってくれたなァ…」
その声、さっきまでの余裕とは全然違う。怒りが滲んでる。
ロゼ「まぜ太くん、大丈夫ですか?」
まぜ太「……あぁ、助かった」
けど、安心してる場合じゃない。
あっとはまだ俺の上に乗ったまま、無表情でこちらを見下ろしてる。
まぜ太「……あっと」
あっと「……」
反応がない。
けどさっき、一瞬だけ――
「ま、ぜ」って、言った。
まぜ太「まだ、いるんだろ……中に」
俺は、あっとの腕を掴む。
まぜ太「戻ってこいよ……あっと!!」
その瞬間――
あっと「……ッ、う……ぁ」
ビクッと身体が震える。
蘭「無駄ですよ。そんな感情論で――」
あっと「……ま、ぜ……」
蘭「!」
確かに、今……!
ばぁう「効いてる!」
ロゼ「そのまま続けて下さい!」
まぜ太「いいか、あっと!お前、こんなとこで終わる奴じゃねぇだろ!」
あっと「……ぅ……ああああああああッ!!」
突然、あっとが頭を抱えて叫ぶ。
その隙に、俺は体勢を入れ替えてあっとを押さえつける。
蘭「チッ……」
蘭が銃を構え直す。
蘭「なら、まとめて消しましょうか」
そのとき――
ころん「……やめろ、よ……」
全員の動きが止まった。
倒れていたはずの師匠――ころんくんが、ゆっくりと顔を上げていた。
あっきぃ「……師匠……?」
ころん「……まだ、終わってねぇだろ……」
血だらけなのに、笑ってる。
ぞくっとするくらい、強い目で。
ころん「……全員、取り戻すぞ」
その一言で、空気が変わった。
絶望しかなかった戦場に、わずかな“逆転の火”が灯る。
蘭「……面白い」
蘭は口元を歪める。
蘭「なら、足掻いてみなさい。どこまで持つか――見てあげますよ」
まぜ太「……望むところだ」
俺は、あっとを見下ろす。
まだ苦しそうにしてるけど――
確実に、“戻りかけてる”。
まぜ太「絶対、連れ戻す」
戦いは、まだ終わってない。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!