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─ 6月24日 ─
その日付を見つめていた。
見覚えはない。
特別な記念日でもない。
誕生日でも。
イベントの日でも。
何でもない。
なのに。
胸が苦しかった。
まるで。
忘れてはいけない何かを忘れているような感覚。
翌日。
6月23日。
ノートに書かれていた日の前日だった。
朝から雨が降っている。
窓を叩く雨音が妙にうるさかった。
机に向かう。
黒いノートを開く。
変化はない。
昨日と同じ。
─ 6月24日 ─
─ 全てはここから始まった 。 ─
それだけ。
🐕 _ …… 。
その時。
スマホが鳴った。
リオラだった。
🐕📞 _ もしもし ?
😈📞 _ どこも行くな 。
開口一番。
それだった。
思わず吹き出してしまう。
🐕📞 _ またそれ ? 笑
😈📞 _ 笑い事ちゃうねん 。
🐕📞 _ 何がよ ?
😈📞 _ 明日や 。
その一言で空気が変わる。
リオラは知っている。
6月24日を。
🐕📞 _ 何があんの ?
沈黙。
数秒。
やがて。
😈📞 _ 会おう 。
🐕📞 _ は ?
😈📞 _ 今日 。
🐕📞 _ なんで ?
😈📞 _ … 最後やから 。
オレの呼吸が止まる。
🐕📞 _ 最後 、 ?
😈📞 _ …… 、、
🐕📞 _ 何が最後なの ?
だが。
リオラは答えなかった。
夕方。
二人は河川敷にいた。
雨は止んでいた。
空は灰色。
今にもまた降り出しそうだった。
🐕 _ 説明しろよ 。
リオラは川を見つめたまま動かない。
🐕 _ お前全部知ってるんだろ
😈 _ …… 、
🐕 _ 326回も 。
リオラが小さく笑った。
力のない笑いだった。
😈 _ 正確には327回 、 笑
背筋が冷える。
否定しない。
冗談でもない。
本当なんだ。
🐕 _ なんで 、
😈 _ 覚えとるから 、
🐕 _ どうして 、 ?
😈 _ 分からんよ 。
リオラは本当に困ったように言った。
😈 _ 最初から覚えとってん 。
風が吹く。
しばらく沈黙。
やがて。
リオラがぽつりと呟く。
😈 _ 最初は嬉しかってんなぁ 、
🐕 _ 何が ?
😈 _ やり直せること 。
オレは少し黙る。
😈 _ 失敗しても戻んねん 。
🐕 _ …… 。
😈 _ 失っても戻んねん 。
リオラの声が震える。
😈 _ で … で 、 でも 、 な
そこで言葉が途切れた。
😈 _ 何回も繰り返すと 、
🐕 _ …… 。
😈 _ 何が本物か分からんくなるんよ …
オレは初めて。
リオラが泣きそうな顔をしているのを見た。
🐕 _ … 、 お前 。
😈 _ 何 、 ?
🐕 _ 何を失った ?
その質問に。
リオラは答えなかった。
代わりに。
小さく呟く。
😈 _ お前 。
心臓が跳ねる。
🐕 _ え 、 ?
😈 _ 毎回 … 毎回 毎回 お前や 。
その瞬間。
頭の奥で何かが切れた。
激しい頭痛。
視界が揺れる。
映像。
まただ。
知らない記憶。
病院。
雨。
赤い光。
そして。
道路。
横断歩道。
倒れている人影。
その傍で叫ぶ自分。
🐕 _ リオラ !!
😈 _ っ !!
膝をつく。
呼吸が苦しい。
耳鳴りがする。
リオラが慌てて駆け寄る。
😈 _ コウ 、 っ !!!
その声を聞いた瞬間。
また映像が流れる。
同じ場所。
同じ雨。
同じ叫び。
だが。
毎回少しずつ違う。
助かった回。
助からなかった回。
間に合った回。
間に合わなかった回。
何十回も。
何百回も。
🐕 _ やめろ …… ッ
呟く。
頭が壊れそうだった。
リオラは何も言わない。
ただ。
悲しそうに見ている。
まるで。
こうなることを知っていたみたいに。
夜。
家へ帰ったあとは真っ直ぐノートを開いた。
新しい文字。
たった一行。
─ 思い出したな 。 ─
その下。
赤い文字。
大きく。
今までで一番はっきりと。
─ 明日死ぬ 。 ─
指が止まる。
さらに。
ページをめくる。
最後のページ。
そこには初めて。
名前が書かれていた。
─ 死亡予定者 ─
その下。
一つだけ。
名前。
─ リオラ ─
そして。
赤い×印。
ページの一番下。
小さな文字。
ほとんど見えないほど薄い文字。
そこにはこう書かれていた。
─ 327回目も同じだ 。 ─
#アイビスペイント
ちも
898
#コウch
コメント
2件
はぁ毎回最高
いや……もう、震えました。12話でここまで来るとは思ってませんでした。6月24日、ノートの正体、そして327回のループ。リオラがずっと一人で抱えてきた重みが、コウの「思い出したな」の一行でどっと押し寄せてくるようでした。特に「毎回お前や」の告白と、最後の「死亡予定者・リオラ」の赤い×印。あそこ、本当に息が止まりました。伏線がここで一気に繋がる快感と、胸を締め付ける切なさが混ざって、しばらく動けませんでした。続き、めちゃくちゃ気になります。